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24.切り込みのタイミング ドクター・フィールグッド

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

店に入ると担当者は接客中。
暫く待っていたがなんだか様子がおかしい。
こりゃ接客ではなくお客に捕まっているな?

書店ではよくある話だが、店員と長々とお喋りをする客がいる。
そのパターンらしく、それから15分から20分待ったが逃れられないらしい。これは救援にいくしかない!

お客のふりをして
「すいません、お店の人に聞きたいことがあるので・・」
と店員さんから客から離す。
「よろしいですか?」
とその客に聞くと
「いいですよ」
と。

離れた棚の前まで行くと
「うわぁ、助かりました。ありがとうございます。」
と言ってくれた。
しかし、これは切り込むタイミングが難しい。
店員を捕まえているとはいえ、お客さんはお客さんであり店にとっては大切な人である。このお客にダメージを与えずに救出するには話の切れ目を見つけ出して、すっと割り込むのがよい。あくまでも自然に。

DR. FEELGOOD/STUPIDITY(1975)

自然に切り込むと言えばドクターフィールグッドのウイルコジョンソンだろう。彼のギターによるカッティングは、ここぞというところでヴォーカルに切り込んでくる。その一体感から来るグルーブがバンドの魅力なのだ。
ドラム、ベース、ヴォーカルのすべてのバランスの中で繰り出されるカッテイングワークは神業の領域である。どんなに乗れない奴だって彼のリズムには乗せられる。

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