蒲田健の収録後記:平田オリザさん

平田オリザさんの近著「下り坂をそろそろと下る」

右肩上がり、成長わっしょいわっしょいの宴は終了した。

“いや、まだ終わってないんだ“という者もいるかもしれないが、

大部分の者は終了したんだろうなと思っている。

宴の後は寂しい。

でもそのことに対してうつむく必要はない。

長いスパンで見れば宴は非日常なのであり、

その後の静かな日常がやってくるということだけなのだから。

まずは宴の終焉を静かに認識する。

「寛容と包摂」。

今回のキーワードの一つ。

宴の熱狂と興奮が冷めやらぬ者があっても、その存在もきちんと受け入れ、

その者の肩をまあまあと優しく抱きとめる。

その上で、共に平穏な日常へソフトランディングする方法を模索する。

ソフトランディングの指針となるのは「文化」である。

決して難しいことではない。

息せき切って駆けていた時には見えてなかったものを、

ゆっくり歩いて拾い上げ磨けばいいのだ。

時間はかかるかもしれない。センスを問われる側面もある。

だからこそ今始めるべきなのだ。

いくつかの先行事例は既にある。あとはこの平和な文化的局地戦を

いかに多発させられるか、ということがポイントとなる。

「文化」を発信する側にも受信する側にも、できることは色々ありそうだ。

「下り坂 肩を落とさず 前を見て のんびり下る 悪く無いかも」

P.S.

平田さんの発する言葉って、常に「微笑成分」が含まれていて、

これが聞いてる側の安心感につながるんですよね~。

一種の特殊能力だと思います。


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