蒲田健の収録後記:行定勲さん


「平坦な戦場で、ぼくらが生き延びること」

行定勲監督の最新映画「リバーズ・エッジ」

同名の岡崎京子の伝説的漫画を実写化した今作。

ずっと漫画の映画化には抵抗してきたという行定さん。いわゆる原作モノは

解釈を入れることで換骨奪胎し新たな作品として世に送り出すことができる。

しかし漫画には最初から「絵」があるが故にそのイメージにどうしても

引っ張られる。結果、原作をただなぞるだけになってしまいかねない。

それは行定さんには受け入れがたいことだった。


しかし発表されて20年以上になるこの名作は、そんな行定さんをして

抗しがたい魅力、もしくは魔力を持っていた。90年代の空気を見事に

暴いた”純文学“として。


作品を貫くのは「生きる」というテーマ。発表された当時もリアルタイムで

読んではいたが、これは四半世紀近く経った今だからこそ描くべきテーマで

あるという思いに至った、という。


今、映像化されるべくして、された、そんな作品だ。

「生きるとは 生き延びるとは 何なのか

        若い世代で あってもなくても」


P.S.リアルに若い世代の役者たちが、作品のテーマに通ずる根源的な問いに

各々自身の温度を持った言葉で答える映画オリジナルの

インタビュー挿入パートは必見です。



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