蒲田健の収録後記:ハービー・山口さん

「人間には人格が備わっているように、写真にも人格や品があります。」

ハービー山口さんの最新刊

「良い写真とは?-撮る人が心に刻む108のことば」

心に刻まれる写真を撮るハービーさん。そのことばもまた心に刻まれる。

無駄のない最短距離を走ってきたわけではない。色んな紆余曲折を経てきて、

しかし真に打ち込める写真というものに出会い、

それを愚直に続け積み上げてきた。

「自分の作品の数はホームランの数と一緒で、決して減ることはなく、

何年かを経て作品が積み重なります。例えればロケット燃料が満タンになり、

何かのきっかけで点火されると人生のロケットとなって、

まだ見ぬ未知へ自分を連れて行ってくれるのです。」

燃焼効率はマチマチかもしれない。だが経験の量と比例して燃料は確実に

蓄積され、人生のロケットはさらに加速を続ける。

人生に無駄な経験なんかない。恐れず、萎縮せず、やってしまえ。

「撮りたいものを撮るべきだよ。それがパンクなんだ。」

ジョーストラマーがハービーさんにかけた言葉は、決して音楽や写真に

限定されたことではないはずである。


『モノクロの 世界の中に 詰められし

          ものが成長させ続けさす』


P.S.ハービーさんの作品には必ず温かい余白が存在していますが、

それはある意味人柄がにじみ出てしまうことによる必然なのだなあ、

と改めて思いました。

今回巻末に収められたご本人による写真解説も必見です。滋味深い!



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