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元AV女優 「天宮かのん」 異例の”不出頭”、その理由とは。

東京地裁 -刑事事件-
(判決公判)

2023年5月9日(火曜)14:30~15:00 429号法廷

罪名:大麻取締法違反

被告人:青木里奈(保釈中)

<公訴事実>
 被告人は、2022年5月に都内の自宅で大麻約12gを所持していたものである。


―――大麻推進家として意欲的であった。
 被告人は、2023年4月17日公開の週刊誌FRIDAYのネット記事で、こう語っていた。

 「日本人は歴史の中で大麻と共に生きてきたのに、現在はその文化が奪われてしまっているんです。私は主張の部分では、安倍さんとつながっていると思っていますし、私が表に出ることで、これまで口を塞がれていた大麻推進派の人たちも、これをきっかけに活発に活動できるようになればいいかなと思っています。安倍さんも私の存在を知ったらサポートしてくれるんじゃないでしょうか」

2023年4月17日公開 FRIDAYDIGITAL

 安倍昭恵氏がかつて述べていた「大麻推進論」を引用した上で、最後まで「大麻合法化」を訴えた。


―――そして今日、司法との戦いを終える日のはずだった。

 被告人の裁判を傍聴しようと、36枚の傍聴券を求めて、支援者と思われる人達がこぞって並んでいた。支援者は約15名程度、40代後半~50代前半だろうか、男性で中年がほとんどである。

 しかし、虚しくも開廷時間の14:30を過ぎても、被告人は現れることなく、開廷されなかったのだ。

▷法廷でのやりとり
裁判官:「それでは、開廷時間を過ぎましたが被告人は来ていないようですけど、弁護人は何か聞いていますか?」
弁護人:「被告人から、メールでの連絡がありました。メールを読み上げます。本日の13:42付のメールです。」

【今日は体調不良と、手紙の返答がないなんてあり得ないので行けないと(裁判所)書記官に伝えました】

裁判官:「検察官に何か連絡はありましたか?」
検察官:「被告人の親戚と称する人から連絡がありまして、今日は体調がすぐれないから行けないとの連絡がありました。」
裁判官:「本日ですか?」
検察官:「ハイ。」
裁判官:「電話は親戚を名乗る者からということですね?」
検察官:「ハイ。」

裁判官:「それでは、あと5分待つこととします。弁護人からも検察官からも期日変更が出されていませんが、被告人が来なければ開廷できませんので。」

▷沈黙の時間が流れる。
裁判官は六法を開き条文を確認し、弁護人はややうつむいたまま、検察官は腕を組んだまま。

▷5分が経過し、
裁判官:「それでは、待ちましたけれども被告人が来なかったので、期日が指定されているのに来ていないので、不出頭という扱いにします。体調不良とメールがきているようですが、刑訴規則に基づき、適切な診断書をもって疎明を求めますが、今日は出されていませんので、弁護人から被告人に連絡をして頂き、提出がなければ理由のない不出頭となりますので、弁護人からもしかるべき対応をして頂きたいと思います。」

 最後に、改めて判決期日を指定告知して終了した。


―――保釈の取消の可能性も。
 刑事訴訟法では、原則として被告人が『不出頭』の場合には、開廷できないと定められている。
 では、今回のような場合はどうなるのだろうか。

 青木被告人は、裁判中は拘置所に身柄が拘束されておらず、保釈中の身だ。
 『保釈』とは、一定の条件のもと、起訴後に刑事施設から釈放される制度である。一方で、逃走しなように身代わりとして、保釈決定時に『保釈金』を払い、指定どおりに裁判に出頭し、判決が確定すれば全額が返金される。

 この『保釈』の条件には、証拠隠滅のみならず、裁判所から召喚された際に出頭する義務も科されるのだ。

 だが、今回の青木被告人は、裁判所の召喚に応じなかったであるから、『保釈の取消』の可能性もある。

 他方で、仮に『体調不良』が診断書によって疎明され”正当な理由”による不出頭と認められれば、保釈の取消はされない。


 今回の青木被告人の不出頭の理由は、「体調不良」のみならず、『手紙の返答がないなんてあり得ない』と裁判所の対応なのだろうか不満も要因の一つにあるようだ。

 次回こそは、司法との戦いに終止符を打つのだろうか。

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