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歌え、10代。

(追記)以下完成した2018年の『遠野の里の物語』のメイキング映像です。ぜひご覧くださいませ。



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(本文)

10月20日、1年間関わってきたプロジェクトの本番がありました。

遠野小学校 全校表現活動「遠野の里の物語」。今年で37年目の活動で、音楽、体育、国語が1時間の演劇の中でぎゅぎゅっと凝縮されたものです。

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ちょうど1年前、地域の方に誘っていただき何気なく観に行ったのですが、そこで受けた衝撃は今でも忘れられません。なんだこれは…と。慌ててカメラを回しました。


それから1年。ありがたいことに37年目を迎える今回は遠野小学校さんと to knowプロジェクトで共催とさせていただき、プロモーションから演出、グッズ、デザイン、舞台美術などに関わらせていただきました。

遠足についていきPR映像もつくりました。
制作:三浦浩太さん@kouta_insta



1年間、様々な方々と動いてきまして、
ファンキーな遠野小の先生方、取り組みに理解してくださったPTAの方々、見事なビジュアル・映像・舞台美術をつくってくれたクリエーター陣、一緒に一大イベントをつくりあげたスタッフ、前例のない助成金申請を通してくださった行政の方、連日サポートしてくれた遠野の方、プロの仕事をしてくれた会場施設の方、歴代の校長先生、演劇の元となった吟遊詩人・高岡良樹さんと娘さんの潮見さんなどなど、、、

自分がこのプロジェクトを通して関わった方々は数えたら100名近くにはなるかと思います。本当に多くのひとに助けてもらい、そして一緒に作り上げました。

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(終わってからの打ち上げも濃く、一人ひとり色々なドラマがあったのだなと思いました。泣いてる先生もいたり、改めて気持ちを伝えたり。忘れられない一夜となりました)




最初は、ただこの素晴らしい演劇の力になりたいという想いから始まったわけですが、ただ想いだけじゃ何も動きませんので、お金、協力者、そして学校&保護者の方々への説明など、その都度ひたすらに必要なことを具現化していくプロセスでした。

保護者向けの手紙を書くのも初めてだし、PTA総会でプレゼンするのも初めて。舞台美術のリスクヘッジをしに施設の方と打ち合わせをするのも初めてでした。後半は毎週学校へ行って校長室で何度も細かい打ち合わせをしました。

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そこにあったのは、37年の歴史ある行事に関わる責任感と、たとえ初めての仕事だとしても絶対にミスれないというプロデューサーとしての意地みたいなものでした。



結果は、大成功でした。

満員のお客さんの中、生徒たちは本当に完璧な演技をしていました。事前練習から何度も観てきましたが、本番が一番よかったです。お客さんも冒頭のオープニング映像から泣いたという方、終始号泣していたという方、とにかく反響という反響をたくさん頂きました。

もちろん生徒たちが本当に頑張っていましたし、その裏側を支えた保護者の方や先生方がすごいのですが、それを脇で支える映像も舞台の幕も、とても良かったと。制作したTシャツを先生もスタッフも全員着て、お客さんも着てくれて。なかなかグッとくるものがありました。

正直まだ余韻から覚めない感じでゆっくり振り返ることができませんが、年末にコタツにでも入りながら今年は色々やったねぇと振り返れればと思います。

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それで、終わって数日経ったある日、アシスタントの阿部からポーンと連絡がありました。(阿部も今回はとても頑張りました。裏MVPは彼女です)


それは3年前に書いた富川の過去のブログ記事でした。
そこには自分が将来やりたいこと、理想の暮らしが書かれていました。

その中で

仲間とハイタッチして、お客さんと握手して
一回の仕事が終わる度に「このチームで良かった!」と泣いて、
この人たちと、心底泣ける仕事をしたいのは変わりないので、
絶対に泣ける、こころ揺さぶられる案件を今年は作りたい。

ということが書いてありました。



これはもう完全に今回のことでした。
恥ずかしながら練習を見て泣いてしまいましたし、このチームで本当によかった、と先生方ともスタッフともお客さんともたくさんの握手をしました。


いやーいい仕事だったなぁと思ったのですが、、


その文章の後に

自分が広告の中で一番好きなSONYのウォークマンのCM「歌え、10代。」をつくりたい。こんなん作ったら試写の時点で号泣です。https://www.youtube.com/watch?v=1sGoOBGg9r8

と書いてありました。
歌え、10代…。

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このときまで完全に忘れていたのですが、広告業界にいた時からずっと、この「歌え、10代。」のようなプロモーションをしたいと思っていたのです。

何かあるたびに「歌え、10代。」がしたいよねー、と。これ、10代の子どもたちが声を出して歌ってるわけなのですが、もう青春200%で。

最近の表現で言うとそれはもうエモいわけなのですが、

これを久々に観てみたところ、

これ「遠野の里の物語」だなーと思ったんですね。
完全に一緒ではないけれど、若者、歌。

「歌え、10代。」の映像はこちら↓


自分が広告業界のとき、もっというと10年前からいつかやってみたいと思っていたことが、形を変えて、遠野でできていたんだなぁと。
これには驚きました。



大きなイベントの裏側には様々なドラマが存在していると思いますが、まさか終わった後に、かつて広告業界の中でくすぶっていた過去の自分がそっと成仏するなんて思ってもいませんでしたが、それだけ器の広いプロジェクトだったのだなぁと思います。


なんだか最後が自分の話で恐縮ですが、本当に貴重な体験をさせていただきましたし、なんだか自分としても、to knowとしても、次のフェーズに入ったような、そんな気がした取り組みでありました。





さて、季節はもう冬に入ろうとしていますが、遠野小の子どもたちはもう来年に向けて動き出しているそうなので(早!)、子どもたちに負けないよう、また一速からギアを入れ直して地道に歩んでいこうと思います。


ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
また来年の遠野の里の物語でお会いしましょう。

※本番の写真や映像は後日このページでアップいたします



<制作スタッフ>
デザイン:山崎喜一郎さん
イラスト:ヤマグチカヨさん
映像:三浦浩太さん
舞台美術:杉原信幸さん、中村綾花さん
舞台美術制作:一日市おかみさんの会、スペシャル着物縫いサポーターズの皆さま
当日撮影:中村隆一さん
演技指導:ルシア・バスケス・マドリードさん
コーディネート:レナータ・ピアッツァさん
運営サポート:及川敏恵さん、多田栄治さん
企画・プロデュース:富川岳
アシスタント:阿部満穂子

※ここに書ききれないたくさんの方々、ありがとうございました!

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