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【那須岳】リベンジのご褒美

 「中枢部の茶臼、朝日、三本槍を、所謂那須岳と見なしていいだろう」。深田久弥は『日本百名山』でそう記した。那須岳の主峰・茶臼岳は「名の通り臼型のコニーデ」とも書いている。コニーデとは円錐型の火山である。火山だけあって湯本温泉など温泉も点在している。そんな那須岳に来るのは2度目。昨年2月にも挑戦したが正面から受ける風の強さに耐えられず撤退した。その時のリベンジである。

 午前9時に大丸園地(大丸温泉)に車を停めて登山スタート。最初は雪に覆われた階段をのぼる。途中で傾斜の激しい坂道を前にアイゼンを装着する。登山仲間はチェーンスパイクだ。

 ロープウェイの山麓駅で水分補給。雪に半分以上埋もれている鳥居をくぐって本格的な登り道になる。やがて開けた登山道に出ると、やはり風は強い。撤退を余儀なくされた記憶がよみがえる。峰ノ茶屋跡の避難小屋がある鞍部をめざしてしばらく進む。昨年引き返したポイントまで来ると、猛烈な風を受ける。だが何とか踏ん張って前進し、避難小屋までたどり着く。

避難小屋の内部

 小屋で休憩した後、外に出ると吹きすさぶ風雪に心をくじけそうになる。だが、リベンジへの思いが勝る。目の前に見える茶臼岳に向かって雪道を踏みしめる。右ほおが痛みを感じるほどの強風に耐えながら前進。途中、コースから外れたので、登山用アプリも手がかりに軌道修正する。

 午後0時すぎ、茶臼岳の山頂に到着する。石の祠は白いひげをたくわえたように表面に雪をまとわりつかせている。一瞬だけ雲の切れ間から青空が見えたのはリベンジ達成のご褒美か。

茶臼岳の山頂

 帰りは登ってきた道を引き返す。午後2時20分ごろ登山終了。昨年は湯本温泉の「鹿の湯」を訪れたのだが、ひしゃくのかけ湯200回というルールとあまりの熱さにゆったりとはできなかったため、今回は別の温泉へ。菓子店「お菓子の城 那須ハートランド」の奥にある比較的新しそうな「源泉 那須山 令和の湯」を利用する。

 温泉の後は前から気になっていた「戦争博物館」を見学。お腹が空いてきたところで夕食は「ステーキハウス寿楽本店」を訪れる。工事中のようだったが、人気店のようで開店直後なのにすでに数組が待っていた。15分ほどで入店。奮発して「とちぎ和牛A5サーロインステーキ」を注文。高級肉に舌鼓を打ち、「那須高原ビール 愛」でリベンジの祝杯をあげた。(2024年2月11日)

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