士師記 9章

「木々が、だれかに油を注いで 自分たちの王にしようとして まずオリーブの木に頼んだ。


『王になってください。』


オリーブの木は言った。


『神と人に誉れを与える わたしの油を捨てて 木々に向かって手を振りに 行ったりするものですか。』」‭‭


士師記‬ ‭9:8-9‬




「更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。


そして悪魔は言った。


「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。


それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。


だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」


エスはお答えになった。


「『あなたの神である主を拝み、 ただ主に仕えよ』 と書いてある。」
‭‭ルカによる福音書‬ ‭4:5-8‬






士師であるギデオンの息子、アビメレクがイスラエルの王となろうとするエピソード。




前章の士師 8:22-23でイスラエルの民は王として即位するようにギデオンへ要請するが、士師ギデオンは「主があなたたちを治められる。」と拒否し、王としてではなく士師、つまりは一代限りの権力者としてイスラエルを導く。




ギデオンの息子アビメレクは自分の兄弟たちを殺しイスラエルにおける初めての王として即位するが、王として彼を迎えた都市シケムの長老たちと結局は熾烈な権力闘争、内戦に突入し共に死に呑まれる。




神に由来する権力と人に由来する権力。


権力をただの借り物、預かっているものと捉えるか、そうではないか。


この権力は政治的なそれに限らないのではないか。

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