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世の中に生じる理不尽の正体はこれ

世の中には理不尽というものがある。自分ではどうする事も出来ず、何事もなかったかのように無慈悲に行われるアレ。

そういった理不尽の正体はこれだよと書いてる本が『「無理」の構造 ―この世の理不尽さを可視化する』だ。

結論からいうと理不尽というのは、人間が互いに、自分の考えで動いているから生じるものだという事。

立場や性別、年代の違う他人が考えた事と、自分の考えにズレが生じ、物事が進んでしまい感じる不快感。それが理不尽なのだ。

どれだけ話ても分かってくれない、自分の嫌な事が降りかかる。そういった感覚は、他人がその人の考えで動いているという事実を省いた上で、考えをめぐさせているから理不尽と感じてしまうのだ。

例えば、会社における給料の公平さにおいても、年功序列で給料が上がっていくのを公平と捉える人もいれば、優秀な人から順番に給料が上がるのを公平と捉える人もいる。ここで生じる捉え方のズレが徐々に大きくなり、人間関係や事業において、納得のいかない「理不尽」と感じる瞬間が出てくるのだ。

他にも1:9の法則というのも書かれている。

挑戦する人と挑戦しない人がいたとする。世の中的には挑戦する人を大々的に取り上げる傾向があるが、実際世の中でいう挑戦してる人の割合は10割の内の1割だという事だ。

現状を変えたい、新しい事にチャレンジしたい。と言いつつも、世の中は9割の挑戦しない人達のおかけで保たれている。これは国という規模でも、会社という規模でも言える事で、チャレンジを促す声が大きくなるのも、そういった声を上げる人が少ないから、1人の声が大きくなるし、新しい事を受け入れてくれない現状も、9割の挑戦しない人達が周りにいるからだという事だ。そしてこの法則が逆転してしまえば、規律はなくなり、社会を維持するのは難しくなってくる。

新しい事を始めようとしても「そんなのうまくいくわけない」とか「やめておいた方がいい」といった声が周囲から聞こえるのもこの法則からだ。この法則に気付かない状態でいると、世の中は理不尽だと考えてしまうのだ。

こうして見てみると、じゃあ世の中無理ゲーだし、何やっても無駄だよね。と感じるかもしれない。

しかし、こういった目に見えない法則があるからこそ、勉強するし、努力するし、他人と繋がりより大きな力を得ようとするのだ。

そういった日々の鍛錬を無駄だと吐き捨てるのではなく、世の中にはこういう仕組みがあり、それを認識した上で生活しようねというのが、本書の言いたい事なのだと思う。

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