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環境問題について本気で取り組めるようになるために、草花や虫を個体名で認識し、好きになること。

 「海派か、山派か。」という分断的かつ単調な質問をされてふと気がついたことを記しておきます。

 この質問に関しての私の答えは、「深海に行けるなら海、森があるなら山」ということで現実的には「山」の方が好きです。知的好奇心がくすぐられるかどうかが判断軸です。

 本題。誰にでも伝わるように、SDGsやESG投資の文脈で考えて話す人が多くなってきた昨今ですが、気候変動対策や海と陸の豊かさを守ろう、という話は個人レベルの生活ではいまいちピンと来なくて、中々悩んでいました。

 具体的にいうと、脱炭素の話になるとヨーロピアン的政治の是非から自家用ジェットで飛び回る富豪から牛肉まで色々考えはしますが、私は暑い日にはクーラーをつけるし、1日中PCはついているし、要らなくなった服をメルカリで処分するのもゴミの寿命を伸ばしているだけで、本質的に個人レベルで環境のことを中々本気で考えられていない課題感をずっと感じていました。

 ただ、冒頭の質問をされた時に「深海に行けるなら海、森があるなら山」と答えるのは、未知のものが発見できる楽しさという尺度がありつつも、森の中で大好きな虫や草花に出会えれば、環境問題にも本気で取り組めそうだとふと思い立ち、虫の名前や草花の名前を知るところから始めれば良いのではという仮説が立ちました。

 周りくどくなりましたが、結論、「この大好きな虫(や草花)には絶滅して欲しくない!」というモチベーションが個人的レベルで環境問題を意識するには一番最適解になりそうだということです。50年先のイメージをしながら、今ここで環境のことを真剣に考えるには子育てをするのが最適解だとは思いつつも、まだ子育てはできないので、今は虫を好きになろうとしています。

 改めてレヴィ=ストロースの「野生の思考」を読み返すとより実感するのですが、その辺に咲いている花の名前や、飛び回っている蝿の種類も見分けられないくらい自然に興味が無い段階で、自然に対して当事者意識を持つのは無理があったなと思うこの頃です。

 それにしても、森へ行くと人間というのはつくづく自然の輪から外れて生きていることを実感させられます。「海派か、山派か」を質問してくれた友人にも感謝しつつ、海に潜る時間と森にお邪魔する時間を増やしていこうと思います。勿論、普段の散歩道で出会う自然も固体として識別しながら。

 今のところ一番好きな虫は「ワタムシ」です。絶滅させたくない。


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