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心で聴く音楽会の中で、戦時中の音楽や文化を考える。

 お気に入りのプレイリストでは、Slipknot のDuality の後に太田裕美さんの木綿のハンカチーフが流れたりします。音楽はエモ&スクリーモが大好きです。唯それはどれも戦後の音楽で、戦前の音楽や、中世以降のクラシック音楽には共感性が低いからか、何故かまだ惹かれません。

そんな中、縁があって『耳で聴かない音楽会』に御招待していただきました。 嬉しい。“「聞こえない」を「聴こえない」にしない---”

▽聴覚にハンデがあっても楽しめる音楽会。
年一の開催で今年で3回目です。「聴く」という行為を因数分解し、その多様性や多義性を問いかけるオーケストラ。

▽映像や振動、光や音、器具や身体を使った表現、また観客と演奏者の境を曖昧にする事で、当たり前に「聞いている」という行為を、如何様にも「聴く」行為に変えられる多様な表現が印象的でした。

▽ジョンケージの4分33秒。
無音のようで無音という空間は存在しない、エアバンドならぬエアオケから音楽会が始まった時の、会場の動揺と緊張感は得難い興奮です。

▽#soundhug #antenna #solidsound などのテクノロジーによって「聴こえない」世界が音を立てて崩れていく感動は、人生をかける意義があるなと思いました。

▽聾学校の小学生が#antenna を着けて、人生で初めて音を感じた時の、心からの笑顔は、目に焼き付いて、離れません。

▽ダイバーシティ、真の多様性とは、例えば男女比を5:5にする事では無く、6:4にも2:8にも自由に選択が出来る事だと思います。
「聴く」という行為を自由に選択出来る音楽会は、世界初の試みで、これからの当たり前で、真のダイバーシティ&インクルージョンです。

▽普段、コーヒー生産者の為に1日8時間を使っているけれど、残りの時間は障害を多様性に変えていくテクノロジーとゲノムに費やしていこうと、改めて心に決めた瞬間の連続でした。また来年も楽しみにしています。

▽今年は色々なことがあって、人生というもので生死を考えるような挫折をするのは、記憶にある限り3回目です。でも、「天よ我に百難を与えよ」と思い続けて生きているので、まだ97回を残しています。身体性を維持し続けられる限りは、残りの97回も乗り越えて、100回分の人生を人に優しくできるような人であり続けようと思います。

▽生死を考える時、いつもこの夏に思い出すのは原爆ドームを訪れた日のことです。祖母に連れられて行った原爆ドームで、今思えばパラダイムシフトと呼べるようなことが起きた小学4年生の自分に、「まだ生きなければ駄目だよ」と言われている気がして、8月はいつもより少し、この1年も必死に生きている自分を好きになれます。

▽色々なことがある中で、「耳で聴かない音楽会」が「心で聴く音楽会」として楽しむ機会になったことで、音楽というものに救われた気がします。戦時中には考えもし得なかった環境で、身体性に依らず同じ時間を共有している感覚は、かけがえのないものでした。

#耳で聴かない音楽会 #オーケストラ

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