【レポート】アメリカドクトカゲ――人間にとっては薬になる毒トカゲ

いきもの名:アメリカドクトカゲ
学名:Heloderma suspectum

【登場するゲーム】

Planet Zoo
Zoo Tycoon

 有尾目ドクトカゲ科のドクトカゲ。毒のあるトカゲというのは本種とメキシコドクトカゲの二種だけらしい。見た目は黒と赤でけっこう派手であり、いかにも毒がありそうな色合いだ。
 ゲーム世界では動物園で見ることができる。観察する分には安心だ。ちなみに、毒はヘビのように歯や牙で注入するというわけではなく、咀嚼する中で出る唾に毒を混ぜ、傷口に刷り込むという方法で入れるらしい。書き上げると怖いいきものだが、動きはゆっくりなので刺激せずそっと離れれば問題がないようだ。

オレンジ色と黒色をしたこのトカゲはがっしりとした頭部に頑丈な胴体、たいらな尻尾を持っています。この種は50センチメートルほどまで成長します。米国南西部とメキシコに特有の種であるアメリカドクトカゲは毒を持っており、咬まれると非常に痛みますが健康な成人であれば致命傷にはなりません。
世界生息数:生息地域の一部では若干普遍的ですが、成獣の生息頭数はおよそ数千頭と言われています。
豆知識:アメリカドクトカゲは一生の95%以上を岩の裂け目や穴場、木の上で過ごします。アメリカドクトカゲが何かに咬みつくと、歯についた溝が毒を獲物の胎内に流れ込む手助けをします。また噛み付いたまま数秒その体勢を維持し、ときには更に深く噛みます。そうすると毒が獲物の体内のより奥深くへ侵入します。アメリカドクトカゲは木や岩登りが得意で、鳥の巣の中にある卵を狙ってジャンピングチョーヤを登ることもできます。肉食性のアメリカドクトカゲは先端が枝分かれした舌をで空中にただよう獲物の匂い粒子を感じ取ることで獲物を追いかけます。一回の捕食で自分の体重の3割ほどの量を食べることができます。アメリカドクトカゲの唾液に含まれるタンパク質は2型糖尿病の管理治療薬に使われています。

『ZooTycoon』

 いきものの毒というのは、薬などの可能性を秘めている。最近話題のアニメでも毒と薬の話が出ているので、知っている人も多いだろう。『Zoo Tycoon』では2型糖尿病に使われているという話が紹介されているが、『Planet Zoo』ではさらに毒をアルツハイマー型認知症の治療に使うための研究が進められているそうだ。2023年には第III相臨床試験に成功したそうだ。研究には時間がかかるだろうが、上手くいってほしい。

※このレポートは現在研究員がプレイ・収録した情報を元に書かれている。そのため、新たな情報が更新される可能性がある。

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