見出し画像

ゼロから始めるTwitterプロモーション。必要なのはバズりではなく、「誰に・どんな情報を・なぜ届けるか」の設定

今回の記事は「インディーゲームなど特定の製品、個人事業主など特定のお仕事のPR、特定のイベントPRなどの小規模なTwitterアカウント」を念頭に置いている。
大企業や会社イメージ向上アカウントとか、中の人の絶妙なツイートでなんとかするもの考えていたら、下記の記事へすぐ飛ぶといい(私にはできないことなので)。

現代ネット広報でTwitterは避けて通れない。とくに、「予算がないけど広告は必要」という状況だとTwitterが最初の選択になりがちだ。
今回の記事では、そういったときに最初に知っておくべきこと、決めることの基礎を書いたつもり。実際、3つぐらいの企業アカウントを運営したときの経験を元にしているので、そこまで間違っていない……と思う。

何も知らないと、「Twitterはバズってなんぼ、バズればだいたい解決する」ように見えてしまうことも多い。とくに、マーケティング担当がいない小さなチームではそう思いがち。
「SHARPの企業Twitterのようにうまいこといってバズってよ」
なんてオーダーを受け、私自身悩んだことがある(ああいったものは絶妙なバランス感覚があってはじめてできること)。この記事は、そういった方々が最初の一歩を踏み出すための最初の一歩として書いている。

Twitterの利点は、決まった人に情報を届けられること

Twitterの利点はバズって人に届くことではない。運営するほどにフォロワーが増えていき、いつでもフォロワーに情報を届けられる点にある。
「バズって普段知らない人に届きました」なんて効果は副次的なもので、情報を必要としてくれるフォロワーが一定量いて、彼らにいつでも有益な情報をとどけられるることが最重要な場所だ。
そして、そう言った状態について「ソーシャルゲームの公式アカウントが理想的なんですよ」と説明している。

ソシャゲの公式アカウントは理想

ソーシャルゲームの公式アカウントというと、「イベントのお知らせや、新キャラクターの情報をひたすら流しているだけ」と想像されるかもしれない。実際、大抵はその通りである。
が、それがいいのだ。
例えば、『アイドルマスターシャイニーカラーズ』のアカウントには30万ものフォロワーがいて、ゲームの新情報を知るために待っている。そして、ひとたび新情報が明かされると、簡単に数千リツイートがなされる。

数百RTだって結構大変なのに、数千RTを簡単に(※情報素材作成の手間などはこの際置いておく)、何度も再現できる。このRTはフォロワーだけでなく、ゲームを遊んでいないフォロワーの友人にも届き、大きな宣伝になる。
これが理想的なTwitterアカウントだ。

このような状況を作った上で、さらにバズりを仕掛けるのであれば意味は大きい。下のツイートは、ゲームのお知らせでなく「ゲームのキャラが公式アカウントを乗っ取るTwitter限定イベント」である。

普段はゲームの情報だけを届けていたが、それに面白い要素を加えることで約2万RT、3万お気に入りを獲得している。
情報を求めているフォロワーが十分にいれば、バズりを仕掛けたときにもその成果は大きくなる。
ソーシャルゲームの公式アカウントはゲームをプレイしていて最新情報が欲しい人をがっつり集めて、その人たちに必要な情報を提供し、いざとなれば盛り上げもできる理想的なアカウントだ。

こういったことを踏まえず「予算がないから、偶然一発バズりを狙ってよ」などと言うのは、単なる無謀な博打に過ぎない。

再現性のないバズりはフォロワーを生まない

面白いことをポロっとつぶやいて、運よくバズることはある。しかし、それが決定的に良い影響を及ぼすことはあまりない。
私は万単位でバズるツイートを何度かしているが、それで大きくフォロワーが増えたことは少ない。フォロワーが増えるときには、下記の2つを満たしていなければならないと考えている。

1.バズった内容と、つぶやいた人間のプロフィールに密接な関係がある。
2.バズった内容と同じ方向性の情報を、継続的に提供している

まあ、論より証拠ということで、実例を見せよう。私は『アイドルマスターシャイニーカラーズ』に関するTweetは先月1.7万RT以上を獲得した。

だが、このアナリティクスの分析結果を見て欲しい。
「フォロー:1」である。事実として、1.7万RTのツイートはフォロワーは1人を獲得したのみ。
ゲームキャストはゲームのサイトではあるが『アイドルマスター』はあまり扱っていないので情報の継続性がなかったのだ。

逆に、私が過去に定期的に特定ゲームの情報を発信し、半公式化していたときは、ツイートするたびにRT数が少なくてもそのゲームに関するフォロワーが増えていった。
アカウントの情報提供の継続性がなければ、フォロワーは増えづらいのである。

たとえば、ゲーム宣伝のTwitterで可愛い犬写真でバズっても、フォロワーは増えない。何度も同じ方向性でバズることで、フォロワーは増えるのだ。

本業に関連するツイートでバズりを再現すべし

再現性があるバズりは、フォロワーを生みやすい。だから、Twitter運用がうまくて、動物画像やネタで何度も同じようにバズれたらフォロワーは増える。だが、それも成果としては今ひとつになる可能性が高い。
というのも、本来のアカウントの目的と違う理由でフォローしてきたフォロワーは、アカウント本来の目的に貢献しづらいからだ。

先ほどの例で言えば、犬の画像で連続してバズってゲーム会社のTwitterアカウントのフォロワーが増えたとする。しかし、彼らが求めているのは犬の写真であり、ゲーム情報を出しても見られないということになる。

実際、私はゲームキャストというブログを運営していて、2018年から「面白い新作ゲーム情報をメインに伝える」ことを定め、それ以外の要素を減らしてフォロワーを獲得してきた。その結果、500人ぐらいフォロワーが増えたあたりから新作ゲームアプリのダウンロード数が顕著に増え始めた。
しかし、それより前はセール情報、ソシャゲ運営問題、映画の感想など雑多なことでフォロワーを増やしており、その時期はアプリのDLとフォロワーの増加に(セールのゲーム以外)相関はほぼなかった。
映画のファンや、ソシャゲの運営に怒っている人は新作ゲームを遊ぶ動機がないからだ。

つまり、単発で無理やりバズってもフォロワーは増えないし、偶然増えたとしても大抵はTwitterで宣伝したいものに興味のある人々ではないので成果に結びつきづらい。よって、よほど才能がない限り最初からバズりを狙うのは効率が良くないと考えている。

もちろん、バズることに意味はある。
それは偶然ではなく、アカウントが広めたい情報を、求めている人に届ける形で届け、再現性があるバズりをするのが理想と言える。

少数のコアなファンがいれば、Twitterは機能し始める

さて、ここまで語ってきた中で「情報を必要とする人を集め、その人たちに情報を投げてバズる」ことが理想的と語ってきた。次は、それを実現するための目標を語りたい。
最初にソーシャルゲームの公式アカウントが理想と語ったが、ソーシャルゲームには多くの広告予算が投入され、ファンや情報を知りたい人がどんどんフォローするものになっている。だから、自然と理想的な形になりやすい。
しかし、私たちがTwitterアカウントを作るとき、多くの場合は知名度も広告予算もないモノをゼロから紹介することになる。いきなり数千、数万のフォロワーを獲得することはありえない。

だが、安心して欲しい。再現性のあるバズりに数千ものフォロワーは必要ない。数百のコアなファンがいれば、先ほどから語っている王道のTwitter運用は可能だ。

コアなファンというのは、熱狂的という意味ではなく、あなたの発信する情報に興味を持つフォロワー、と言う程度でいい(Twitterは関連性が薄いSNSなので、それだけで十分濃い)。
コアなファンは、あなたが渾身の情報を出したときにRTしてくれる可能性が高い。そのファンの友達も同じ情報に興味があり、RTしてくれる可能性が高い。
興味を持つファンに、良い情報が届けられればRT数は伸びるのである。むしろ、数千・数万とフォロワーが増えるにつれてファンの濃度は薄くなり、RT数などが(フォロワー数のわりに)伸びなくなる傾向がある。

私はゲーム系のTwitterに関する相談をよく受けるが、このことを説明するときにロッズ(@rods_skyfish)さんという方を例に出す。彼は、一貫してゲームの面白い瞬間や、珍しい作品についてツイートしており、それに引かれた少数のファンがフォロワーについている。結果、フォロワーが数百人程度のときから数千のバズりを量産している。
そして、そこからフォロワーが増えて今は2,500人ぐらいになり、ときおり恐ろしいバズりも生み始めている。

同じ方向性で情報を欲しているフォロワーがいれば、少数でも強烈な影響力が出る可能性があるのだ。

私がTwitterをするときは、「自分のTwitterを必要とするファンを500人集める」を1つの目標にしている。経験則ではあるが、そのあたりからRT数などが変わってきはじめるので、皆さんにもそこを目指すことをおすすめしたい。
バズり始めたら、あとは自然にフォロワーが増えていくので、そこから数千・数万のフォロワーを狙いに行けばいい。

最初にあなたが何者で、なぜ、誰に向けてTwitterをするのか決めよう

さて、ここまではラッキーバズに頼らず、コアなファンを集めて基礎を固める方が良いと語ってきたが、そのために決めるべきことがある。
最初にやるべきことは、「あなたは何者」で「なぜ」「誰に向けて」情報を発信し、「何を成果とする」のか明確化することだ。

たとえば、あなたがインディーゲーム開発者なら……。
「インディーゲーム開発者」で「自分のゲームのプロモーションのため」、「自分の開発しているゲームに近いインディーゲーム好きの人」に情報を発信し、その指標は「Steamページの閲覧数」とか「すでに自分のゲームをプレイしている人をフォロワーにした数」でいい。

上司に無茶ぶりされたコーヒーマシン営業なら……。
「自宅用コーヒーマシンの営業」で「コーヒーマシンの販売台数を増やすため」、「業務でコーヒーマシンを扱う人に」情報を発信するとか。指標は「販売ページの閲覧数」や「公式ページの閲覧数」などになるだろうか。

ゲームキャストは、「ゲーム好きのライター」で「自分が面白いと思ったゲームを一緒に遊んで欲しくて」「新しいゲーム情報を求めるコアなスマホゲーマーに向けて」情報を発信している。指標としているのは「記事ページへの遷移数」と「新作ゲーム情報のRT数」である。
だからTwitterでは明確にRTして欲しいと言うし、記事にも大抵ダウンロードしようぜ!というメッセージをいれている。

さて、ここで記事を見ている皆さんには、この「自分は何者で、誰に~」をを考えてから次の項目を読んで欲しい。

ターゲットと自分の関係は正しいか見直そう

「あなたは何者で、なぜ、誰に向けてTwitterをするのか」を決めただろうか。
そうしたら、次はその関係性が正しいのか考えよう。この部分は、Twitterで情報を発信するべき内容、発信先、作業対象、すべての作業方針となる。

発信先とは、「あなたが発信する情報を有益だと思ってくれるファン」である。プロモーション予算がないなら、コアなファンを作って戦えというのがこの記事の要旨だから、その“コア”が曖昧ではいけない。
最悪なのは「すべての女性」とか「すべての人類」とか、曖昧過ぎるターゲットである。広すぎる場所に向けられたメッセージは人をひきつけない。できるだけ絞った方が強烈なメッセージを出せて、コアなファンを獲得できるので考え直そう。

たとえば、コーヒーマシンの営業なら、ターゲットが「飲み物を飲む人」とかはあいまいだ。最低限「自宅でコーヒーマシンを持っている人・購入を検討している人」ぐらいまで絞るべきである。
高級コーヒーマシンを扱っているのであれば「自宅でお金がかかってもおいしいコーヒーを飲みたい人」まで絞ってしまっていい。
設計段階では「コーヒーが好きな人」などと、欲張ってターゲットを広くしたくなるが、するとメッセージを絞り込めず、コアなファンを獲得しづらい状態を呼ぶのでやめた方がいい。

もう1つ、自分の立場とターゲットの関連性が曖昧だと、努力しても無駄になる。
あなたがゲーム開発者で、「ゲームのプロモーションのため」「あまりゲームを遊ばない人に」情報を発信するなどは、無理な可能性がある。確かにあまりゲームを遊ばない人の人口は多いだろうが、そこをターゲットにするならゲームを遊ばない人を引き付ける強烈な要素なくしてコアなファンを作れない。
関連性が弱く、広すぎるとコアなファンを獲得できない可能性がある。それに該当したら、ターゲット決め直すべきだ。

何事にも誤りはあるから、ターゲットの設定を間違えたと思えば、初期は何度でも検討して、何度も方針を変えればいい。
だが、絶対的な権力を持つ上司が「すべての人類がターゲット」とか言い始めたら、その職場を見限ってやめた方がいい。

目標は適切か考える

次に考えるのは、指標となる数値が適切かどうか、である。
私としては「フォロワー数」に加えて、「目標となるページなどの閲覧数」などを加えた方が良いと思っている。

「3カ月でフォロワー500!」など、無理に数値目標を出すと失敗しがちなので、「この数値が成長していなければ何か問題があるのでは?」と考えるときに有効となる指標と考えている。

製品の購入数などを指標にすると、全然達成できないで病むことになるのでやめた方がいい。かのSHARPのTwitterアカウントでも「Tiwtterで製品が売れるほど甘くない」というようなことを語っていたが、実際その通りなので。

まとめ

今回は下記のようなことを書いたつもりだ。

・無理なバズりは効果が低い
・Twitterでは情報を必要としてくれる人に情報を届けるのが基本
・関心のない層に届くバズりは、必要な人を集めてからやるもの
・少数でも濃いフォロワーがいれば、バズってだんだんとフォロワーが増えるので、最初は数百の濃いフォロワーを目指せば良い
・濃いフォロワーを集めるためには、自らが発信する情報とターゲットを明確に決めておくべし

今回はすごく基礎的なことを書いたが、私のように「予算はないがTwitterならバズれば日本人全員に届く」なんて無茶ぶりされた人の役に立つと思っている(自分だけじゃない……と思いたい)。
そして、さらに先を知りたい方は、下の記事をどうぞ。こちらでは育てたアカウントで成果を出しに行く方法、短文Twitterで作れないフォロワー作りが苦手な方向けのフォロワーの増やし方などを説明している。



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

げーむきゃすと は あなた を みて、「さいごまで よんでくれて うれしい」と かたった。

げーむきゃすと の やるき が 1 あがった!
264

ゲームキャスト

ゲームキャストってブログやっています。 Twitter:@gamecast_blog http://www.gamecast-blog.com/

#マーケティング 記事まとめ

#マーケティングのタグがついた記事を中心に、マーケティングに関する理論や実践についての記事をまとめていきます。
6つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。