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ゲームの思い出:バーチャロンシリーズ その6 電脳戦機バーチャロンマーズ part1

就職をしてしばらくした頃、部長から1本の電話があった。

「バーチャロンの新作が出るみたいだ」

バーチャロンの新作!!遂に出るのか!!

僕はアーケードで新たなるバーチャロンが出る事を期待していた。しかし、現実はPS2で出るのだという。

PS2?なんで?
正直な話、世間一般の評価と違い、当時僕達の中でPS2はそれほど評価の高いハードでは無かった。
大作RPGとアーマードコア2、スーパーロボット大戦IMPACT等はプレイしたかったが、未だ現役のPSとセガサターン、ドリームキャストが優秀すぎた。PS2での新作をプレイするよりそのお金で何本もの中古ソフトを買ってプレイする事を好んでいた。
それに明らかにXBOXの方が性能が良かったので、もし出るとしてもXBOXだろ!?と言っていた。
……後にこの時言っていた戯言が現実になるのだが。

僕は当時、就職した会社の研修の為、自宅から自転車で5分のところにある工場で仕事を学んでいた。本社は家から1時間以上かかったため、正直このままここで働いていたかったくらいだった。

この職場、何がいいかと言うと近くにゲームセンターと模型店があった事だ。

どちらも昼休みに歩いて行ける距離にあって、しかもゲームセンターには電脳戦機バーチャロンフォースがあった。

毎日のように昼休みにフォースをプレイしに行った。昼食は自販機で買ったアイスかカップヌードル。

平日の昼休みは僕しかプレイをしている人がいなかった為、練習し放題だった。
この頃になるともう全ての初期機体のライセンスカードを持っていて、僕は景清という鎧武者の様な機体が欲しくてスペシネフシリーズをよく使用していた。もっていない機体が出れば新たにライセンスカードを作成し、それで景清が出るのを粘る。
バーチャロンフォースの機体支給。最初期こそバグで一度戦う度に支給チャンスがあったが、バージョンアップを重ねたこのバージョンでは正規の支給条件となっていた。これが本気で欲しいものが出なく、昨今のソシャゲのガチャなんかより余程ほしいものが手に入らない状態だった。

ソシャゲで言うと数度課金してゲームをプレイしなければガチャが引けない上そのガチャも一回のみでピックアップも無し。そんな感じだろうか。

幸い機体によって出る系統は決まっているので欲しい機体が出る機体のライセンスを使い続ければいつかは出る。……出るはず。

さらにフォースのライセンスカードには使用期限があった。ライセンスカードは30回しか使用することが出来ない。
これは書き込み式の磁気カードだったので仕方のないことだと思っていたが、同時期出た同じ会社のバーチャファイター4はカードの使用回数が500回位だったはずなのでもう少し何とかなったのではないかと今でも思う。


そんな時バーチャロンの新作の話である。

情報が公開されるにつれ、フォースを元にして1人プレイをメインにしたゲーム、という事が分かった。

バーチャロンシリーズはストーリー背景などを小説など外部媒体に頼っているものばかりだったので、これは少し嬉しかった。

フォースを元にして、となっていたため、僕たちは当然期待していた。全てのバリエーション機体を出すのは無理でも基本機体、景清の一体位は使えるんじゃないかと。

現実は非情だった。

電脳戦機バーチャロンマーズ。

発売日にPlayStation2と一緒に購入する。

休暇をとって家に帰ってプレイ。

やった時の最初の印象はすげえ!マジでPS2でフォースのテムジンが動いてる!!だった。

次の印象はなんでこうロードが長いのかな、だ。

事ある後にロードが挟まれる仕様に僕はSEGAはまだPS2を使いこなせていないのだな、と勝手に思っていた。

さて、マーズ本編はどうだったかと言うと、ストーリーに多少の無理はあれども魅力的なキャラは見ていてなかなか楽しかった。

似たようなミッションが多くはあったが、バーチャロンのシステムで1対多をすればまあこうなるよな、と言う概ね予想通りのゲームだった。

ひとまずクリアしてVSモードでCPU相手にプレイしてみる事にする。

少しやってわかった。テムジンシリーズ、とりわけストーリーで後半支給されるテムジン747Jが強すぎた。

対戦ツールとしてはバランスが悪い。

しかし、ロボットゲームにはよくある事だと割り切って1人プレイをメインに楽しむことにした。

プレイを重ねるにつれてどんどん機体が支給されていく。どうもテムジンとアファームド、VOXシリーズが多めのようだった。そしてほかの系統は極端に少ない。

やっているうちにふつふつと欲しくなってきた物があった。

ツインスティックである。

コントローラーはコントローラーで楽しんでプレイできる僕ではあったが、やはりツインスティックでも遊んでみたい。

マーズは、バーチャロンシリーズで初めてツインスティックが発売されなかったゲームだった。

そのためかコントローラーでプレイする時の操作性としてはマーズは歴代最高クラス。これはPSのコントローラー形状にも助けられている気がする。

まあ僕の場合、今となってはXBOX360のコントローラーでやるのが1番しっくりくるのだけど。


ツインスティックが欲しいな、そう思って僕は部屋の片隅に置いてあったセガサターン用のツインスティックを見る。

ドリームキャストが発売され、そしてSEGAがハード事業を撤退したこの頃、セガサターンのツインスティックは完全に投げ売り状態で、1000円もせずに購入することができた。安いのになると500円を切る事もあった。

安かったこともあり、僕はセガサターンのツインスティックを3つ所持していた。

それを見ながら思った。

ああ、そうか。ないなら作ればいいんだ。

部屋には大量にPSのコントローラーがある。

DUELSHOCKをバラして、サターンのツインスティックに組み込んでみたらどうだろうか。

特に深く考えず、僕はその作業を開始した。

続く


電脳戦機バーチャロンマーズ

ハード:PlayStation2

2003年5月29日発売。

販売:SEGA

※見出し画像は公式の物をお借りしています。問題があれば連絡をくださればすぐに消去します。 






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