俺達のNintendo Switch

さて、ゲーム業界2017年最初のビッグニュースといえば、Nintendo Switchに関する話題でしょう。予約も始まり、本格的な盛り上がりを見せてきました。今までにないコンセプトのゲーム機なだけに、まだまだ想像できない部分もたくさんあります。その辺について考えてみました。

おじさんから見たSwitch

唐突ですが、私はおじさんです。おじさんとまで言わなくとも、ファミコン発売以前の生まれなので、少なくとも「若者」というカテゴリには入らない世代です。そんな世代の我々はSwitchとどう向き合うべきでしょうか。

Switchでは8台同時ローカル通信プレイが可能です。みんなで持ち寄ったら、マリオカートやスプラトゥーン、モンハンなど盛り上がるかもしれません。

おじさん世代の我々、周りにゲーム好きの友達はいますが、「友達の家に集まって遊ぶ」ということはほとんどなくなりました。この歳になるとパートナーや子供など同居人も増え、以前のように家に友達を呼んで好き勝手に遊ぶなんてことはできない人、家族サービス優先で友達と遊ぶ時間が取れない人が増えてきます。「スプラトゥーンやるからうちに集合な」なんてことを言ってくれるパーリィピーポーはおらず、仮に自分で言ったところで「うちのアレがね~」なんてことで来てくれる人もそうそういません。

では、我々のような人がどうやって普段友達付き合いのコミュニケーションを取っているのかといえば、「飲み屋」「盛り場」といった場所になってくるわけです。何の目的もなくシラフで会ったり、逆に「ディズニーランドへ行こう!」みたいな学生旅行ノリの大それた計画を立てて集まるのは何か気恥ずかしいですが、「飲みに行く」という名目があるとなんとなく3~4人くらい集まれるのがおじさん世代なのです。

学生時代には、なんとなく溜まり場になりやすい友達の家が誰しもあったりしましたが、そんな感じで、おじさん世代には溜まり場になる飲み屋があったりします。そんな場でこそSwitchは活きるのでは、と思いました。

冷静に考えて、「1-2-Switch」を自分が誰かと遊んでいる姿が想像できません。遊ぶ相手との関係性が相当に形成できている前提でなければ、例えば初対面の全く世代も趣味も違うような人とでは、あのゲームが楽しめる気がしません。…シラフのときは。

同じ飲み屋に集まる人とは、初対面でもなんとなく話が盛り上がったりすることもあります。アルコールの力もあるでしょうし、同じ店を選んで来ている趣味の共通性による安心感もあるでしょう。そういう場であれば、Switchがコミュニケーションの潤滑油になるケースもあるかもしれません。(ちなみに、今現在で全国の飲み屋で最も重宝されているのはYoutube=ChromecastやKindle Fire TVだと思って間違いないと思います)

ひとりでSwitch

とは言え、おじさん達がゲームを遊ぶシチュエーションとして最も多いのは、自宅で一人のときだと思います。

先述したとおり、自宅に同居人がいたりすると、ひとりでじっくり据え置き機で遊びたいと思っていても、テレビが専有できない状況だったりします。かと言って、じゃあスマホや携帯機ならいいというわけでもなく、がっつりFPSとかRPGとかしたいんだよ!というハードコアゲーマーおじさん達の場合、遊ぶのはいつも夜中になってから、ということもあります。

そんな理由で、今までバリバリのゲーマーだったのが、時間が取りづらくなり、逆にぱったりゲームしなくなる、というケースはそれなりにあったりします。スマホゲームに時間をかけてる人の方が狭くてコアか、というとそうでもなく、時間をあまりかけない人が広くてライトか、というとそうでもないという。

そんな感じですので、最近のゲームコンソール機のように、久々に夜中電源つけたら毎回アップデートかかっちゃって、結局ゲームせずにその日は寝る、なんてことが続くとますますゲームから足が遠のきますが、Switchでは「ゲームを遊ぶシチュエーションがシームレスになる」というのが非常に大きなポイントだと思います。

家族がテレビを見ている時間はクレードルから外してプレイ、テレビが空いたらクレードルに戻して続きをプレイ、さらに寝る間際に寝室に持っていってまた続きをプレイ、ということで途切れる時間がありません。(本来はこの辺はWii Uで実現してほしかった部分ではあります)

人とつながりを持つためではなく、「常に一人の時間を確保するために使う」というのもSwitchで実現できる点だと思うと、おじさん的には期待が持てると思います。


ぱっと見の印象では、いわゆるリア充のパーリィピーポーな若者に向けたゲーム機のように見えますが、どれだけおじさんたちがこのゲーム機をライフスタイルの一部に組み込むことができるのか、発売されたら動向を見ていきたいと思います。

バッテリーの持続時間なんて大して重要じゃありませんよ。おじさんは電源のない出先でゲームプレイしたいと思うほどそんなにアクティブじゃありませんから。

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