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CAPCOM Pro Tour Online 2020 アジア-東大会開催と優勝予想 日本人選手の上位入賞は?

毎年開催されている格闘ゲームの世界的大会CPT(CAPCOM Pro Tour)は、今年2020年はコロナ禍の影響で会場(オフライン)大会は開けず、CAPCOM Pro Tour Online 2020として世界予選がオンラインで開催されています。

この記事ではCAPCOM Pro Tour Online 2020の概要と来週開かれるアジア東大会での優勝選手予想等を行っています。

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CAPCOM Pro Tour Online 2020の概要

CPT2020はレギュレーションも大幅に変更されており、オンライン大会優勝者18人と前年CAPCOM CUP勝者1名、ファン投票で選ばれた1名を加えた20名でCPT本大会で優勝を争います。

CAPCOM CUP 2020出場資格の詳細
CAPCOM CUP 2020の出場枠は次の優先順位で与えられる:
CAPCOM CUP 2019の勝者(現在の勝者:iDom)
CPTOPの代表選手18名(本ルールに則り例外的に変動する場合がある)
CPT人気選手投票で選ばれた選手1名

(出展:https://capcomprotour.com/rules/?lang=ja)

また、各地域大会で優勝した場合も賞金はなく、CPT本大会優勝者1名のみに賞金があります。(本大会は2021年春頃開催)

ストVは2020年でのファイナルシーズンを名言しているため、これまで大会上位に食い込めていないプロを始め、今期の優勝を狙っている選手は多いはずです。

従来は世界各地で開かれるCPT予選に参加してポイントを上積みしていく必要がありましたが、今年はオンライン大会でのほぼ一発勝負であり、リアルでの旅費や宿泊費がかからず、移動時間も必要ないため、普段費用や仕事の関係で参加出来ないアマ強豪やネット対戦のみの隠れた強豪がトップに食い込んでくることも予想されます。

例えば、ネット対戦のみで知られ実際のプレイヤーが誰なのかは謎に包まれている超強豪アカウント「Mekibos」は有名です。
(smash.gg登録名を見たところ「Mekibos」名義での登録は見られませんでした。)
※Mekibosの正体はももち選手、ぷげら選手などの説があります。

世界予選スケジュール

今年の日程は以下のようになっており、2020年11月中旬頃まで世界予選ブロックがオンライン開催されます。

■世界予選スケジュール

画像1

(出展:https://capcomprotour.com/rules/?lang=ja)

これまでの世界予選優勝者

これまでの世界予選優勝者は以下のようになっています。

■欧州-東&中東大会1(ブロックF)2020年6月
優勝:Phenom 使用キャラ:かりん
準優勝:bigbird 使用キャラ:ラシード

■北米-東大会1(ブロックB)2020年6月
優勝:DR Mandrake 使用キャラ:ユリアン
準優勝:Metrom 使用キャラ:バルログ

■アジア-東南大会1(ブロックG)2020年6月
優勝:SKZ 使用キャラ:セス
準優勝:Chuan 使用キャラ:ガイル

■南米大会1(ブロックD)2020年7月
優勝:Pikoro 使用キャラ:ベガ
準優勝:Wellington 使用キャラ:バイソン

■欧州-西大会1(ブロックE)2020年7月
優勝:Takamura 使用キャラ:豪鬼
準優勝:Hurricane 使用キャラ:キャミィ

欧州のPhenom(ノルウェー、Capcom Cup 2019 3位)、Takamura(ベルギー、Red Bull kumite2019 4位)は順当という感じですが、bigbird(UAE、Capcom Cup 2019 17位)、Problem X(イギリス、Capcom Cup 2019 9位)、Infexious(イギリス、Capcom Cup 2019 13位、Red Bull kumite2019 2位)といった強豪プレイヤーは優勝出来ませんでした。

キャラは昨年まで見られたかりん、ラシードは減り、これまで低ティアーとされ余り見られなかったダルシム、バルログ、ファンといったキャラも大会では普通に上位に来るようになっています。

調整でダイヤグラムがマイルドになったとされ、よく上位に挙げられる豪鬼・ユリアンも優勝キャラに入っていますが、全体にかなりキャラがばらけている印象です。

直近で追加されたキャラ・セスは日本人上位選手の中でも強キャラとして認識されていますが、セスが上位に来たのはアジア東南大会のSKZ選手のみとなっています。

参考記事

日本人注目選手とアジア-東大会1 大会上位予想

来週2020/7/25-26に、日本勢が今大会初めて登場する「アジア-東大会1(ブロックH)」がオンライン対戦で行われます。
この予選地域の参加は台湾・香港・日本・韓国となっており、非常にレベルが高い大会になることは間違いありません。

以下は参加登録圏トーナメント表となるsmash.ggのサイトですが、7/20時点でエントリーが締め切られており、参加者は347名となっています。

具体的にどの選手が優勝争いを演じそうか?
300名を超える選手のため優勝予想は非常に困難です。
直近に開かれた国内大会で上位入賞したナウマン選手、マゴ選手、ときど選手、ふ~ど選手等の名前が挙がります。

■EVO JAPAN 2020(2020年1月)
優勝:ナウマン 使用キャラ:さくら
準優勝:マゴ 使用キャラ:かりん、キャミィ

■TOPANGA CHAMPIONSHIP(2020年2月~3月)
優勝:ときど 使用キャラ:豪鬼
準優勝:ふ~ど 使用キャラ:ミカ、ポイズン

注目選手

CAPCOM Pro Tour Online 2020 アジア東大会にエントリーした有名選手と注目の若手選手について、ざっくりとですが説明を載せます。

■有名選手枠注目選手
ときど(ROHTO Z!)
[pool8/シード1]
https://twitter.com/tokidoki77
Capcom Cup 2019 5位。TOPANGA CHAMPIONSHIP優勝。
東大卒プロゲーマー。国内最強の豪鬼使い。海外ではマーダーフェイス(tokido with the murder face)として呼ばれる。
使用キャラは豪鬼、ユリアン。

マゴ(魚群)[pool4/シード5]
https://twitter.com/magotto3
Capcom Cup 2019 4位。EVO JAPAN 2020準優勝。
2D神と呼ばれる格ゲーの雄。長らくスポンサードを付けていなかったがプロチーム「魚群」発足と共に加わりリーダーとしてチームを引っ張る。グラブルVSでも好成績を残す。
使用キャラはかりん、キャミィ。

ウメハラ(Mildom Beast)[pool3/シード13]
https://twitter.com/daigothebeastjp
Capcom Cup 2015準優勝。
格ゲーレジェンドプレイヤー。数々の逸話と優勝実績を持つ。海外では”the beast”と呼ばれる。
これまでのシリーズ作に比べ、ストVではやや苦戦しているものの、ファイナルシーズンで復活なるか注目される。近年は配信ストリーマーとしても人気。
使用キャラはガイル。

藤村(忍ismGaming)[pool7/シード8]
https://twitter.com/fujimura333
Capcom Cup 2018 3位、Red Bull kumite 2018-2019優勝。
リーサルの鬼と呼ばれる達人。Red Bull kumite 2019で優勝するも弱体化したいぶきから他キャラへの変更を模索。SNB配信企画「説教TV」での辛口指導で人気。
使用キャラは春麗、いぶき、豪鬼。

ボンちゃん(Red Bull)[pool2/シード3]
https://twitter.com/katitagaribon
EVO 2019優勝。
最強サガット使い、ラストナッシュ等数々の異名を持つ人気プレイヤー。2020年は主大会不参加を表明していたが、CPTオンラインへの参加登録を行っている。
使用キャラはかりん、サガット、ナッシュ。

かずのこ(Burning Core)[pool5/シード27]
https://twitter.com/kazunoko0215
Capcom Cup 2015優勝。Capcom Cup 2016 3位。
全ての格闘ゲームに愛された天才と評されるマルチゲーマー。GUILTY GEAR Xrd、DBFZ、サムスピ等を主戦場としていたがストVファイナルシーズンで再び戴冠なるかが注目される。
使用キャラはいぶき。

YHC-餅(無所属)[pool6/シード119]
https://twitter.com/yhcmochi82
Red Bull kumite 2019 9位。Tokyo Online Party 3on3 第1回-第2回優勝。ABARTH × ストリートファイターV - SCORPION CHALLENGE シーズン1優勝。
島根県を本拠地とし、島根の仙人と異名される最強ダルシム使い。島根在住のためオンライン大会が主戦場となり今大会での上位進出も期待。
使用キャラはダルシム。

■若手枠注目選手
ナウマン(DetonatioN Gaming)[pool4/シード21]
https://twitter.com/naumanzoh
EVO JAPAN 2020覇者。直近のFAV gaming CUPでも優勝と勢いに乗る国内若手強豪の筆頭。
使用キャラはさくら。

カワノ(無所属)[pool6/シード26]
https://twitter.com/kawanochannn
レジェンド・ウメハラの寵愛を受ける若手超強豪。スポンサードが付いていないものの国内アマチュア最強とも評されるダークホース。
使用キャラはコーリン。

大谷(忍ismGaming)[pool1/シード31]
https://twitter.com/otani_saru
忍ism Gamingの若手選手。近年実力を付けトップティアーキャラの豪鬼で上位進出を狙う。
使用キャラは豪鬼。

ヒグチ(忍ismGaming)[pool2/シード83]
https://twitter.com/snb_higuchi0914
大谷と並ぶ忍ism Gamingの若手強豪。
使用キャラはガイル。

■アジア-東大会1 優勝選手予想
ときど選手が優勝と予想します。対抗はマゴ選手、藤村選手、Oil King選手と予想しています。
また、どの選手もそうですが、特に今大会では「セス対策」をどこまで詰められるかが鍵になりそうです。(セス同キャラ対決でもかなり難しい相手という事です。)

ときど ◎ 豪鬼、ユリアンという2トップティアーキャラを使いこなし、隙が無い仕上がりを見せる。CPT本大会優勝も視野に入れる日本人最強プレイヤー。

マゴ ○ 2019年9月から「セプテンバーマゴ」として本領を発揮し2020年現在までどの大会でも上位で安定した結果を残す。グラブルVS対応のためキャラはこれまで使い慣れたかりんとキャミィを引き続き使用。2キャラを相手に応じて使い分ける緻密な戦略からときどを脅かす最右翼の存在。

藤村 △ マゴと同じくグラブルVSセミファイナル進出。他ゲーでも格ゲー力の高さを示した。いぶきに代わるキャラとして選択した豪鬼の仕上がりは完成度が高くときど、マゴの牙城を崩すのに十分な実力。

Oil King △ 日本以外のプレイヤーでは台湾のOil Kingと香港のHotDog29の二選手が要注目だろう。Oil KingはCapcom Cup 2019で9位と好成績を残した。2020年は手持ちキャラのラシードに加えてセスを新たなカードに加えた陣容は手厚い。

CAPCOM Pro Tour Online 2020中継サイト

注目のアジア-東大会1大会は、日本時間で2020/7/25(土)PM17時30分から以下のサイトで配信されます。

アジア-東大会1大会結果(プール~トップ8)

■7/25 プール~トップ16勝ち抜け

・pool1 W:ふ~ど  L:sako
・pool2 W:板ザン L:水派
・pool3 W:ウメハラ L:コサク
・pool4 W:Shuto L:様式美
・pool5 W:Verloren L:Cosco
・pool6 W:YHC-餅 L:ももち
・pool7 W:DeadlyPoison L:りゅうせい
・pool8 W:ときど L:もけ
(W……Winners抜け L……Losers抜け)

[pool1]
BSTふ~ど選手が危なげなく勝ち進みウィナーズでトップ16へ進出。
ウィナーズでふ~どに負けたFAV sako選手はSandBag選手の豪鬼に苦戦するも勝ってトップ16へ進んだ。
[pool2]
ウィナーズは海外強豪NL選手を下したDNG板ザン選手がトップ16を決める。
RBボンちゃん選手はSNBえいた選手に1回戦敗退でルーザーズを泳ぐことに。RB選手との対戦ではダブルKOというレアケースとなり、キャラ変更が出来ず敗退の危機になるが、運営から再戦許可が下りて薄氷の勝利。しかし最後はsakaguchi選手のバルログに負けプール敗退となった。
ルーザーズでは魚群の新鋭・水派選手がトップ16へ進出。
[pool3]
BSTウメハラ選手が危なげなく勝ち進んでウィナーズトップ16へ駒を進めた。
ルーザーズはSNBハイタニ選手、海外のHotdog29選手を破ったAEコサク選手がトップ16へ。
[pool4]
若手のAXIZ shuto選手が魚群マゴ選手等を破りウィナーズトップ16へ。
ルーザーズはマゴvsまちゃぼーのチーム魚群同士の戦いになりマゴ選手が勝ち進むものの、ウメハラ選手のラウンジで研鑽を積んできた様式美選手がマゴ選手を下してルーザーズトップ16。
EVO Japan 2020優勝のDNGナウマン選手はいい所なく敗退。
[pool5]
韓国勢の活躍が目立つプールとなった。韓国のVerloren選手がウィナーズトップ16へ。ルーザーズは同じく韓国のCosco選手が勝ちトップ16。
BCかずのこ選手、Liquidジョン竹内選手、WE-R1トラボ選手等は敗退。
[pool6]
今期オンライン大会で好調のYHC-餅選手がウィナーズトップ16。
若手注目選手のカワノは餅選手のダルシムに翻弄されルーザーズへ。
ルーザーズではネット対戦の強豪セス「Mekibos」説も出たももち選手が地力を見せてカワノ選手を破り、ルーザーズトップ16進出。
[pool7]
韓国のベテランDeadlyPoison選手がSNB藤村選手、FAVりゅうせい選手等の強豪を2-0で下して危なげなくウィナーズ16進出。
ルーザーズではRBガチくん選手をプールで二度下したりゅうせい選手が勝ち上がりトップ16へ進出。
[pool8]
優勝候補のROHTO Z!ときど選手がSNBジョニィ選手、魚群もけ選手等を下してウィナーズトップ16進出。
ルーザーズはLiquidネモ選手、ジョニィ選手、もけ選手等がひしめく混戦になるが、もけ選手が辛うじて勝ち上がりルーザーズでトップ16へ進出。

■7/25 Winners Quarter-Final
[2]ときど vs DeadlyPoison[0]
ときど選手(豪鬼)がDeadlyPoison(ポイズン)に何もさせず完勝。ときど選手がトップ8進出。
DeadlyPoison選手はルーザーズヘ回る。

[2]ウメハラ vs Shuto[1]
フルセットフルラウンドまでもつれたが、ウメハラ選手(ガイル)が最後に攻めの択を通して勝利。ウメハラ選手はトップ8進出。
Shuto選手(ユリアン)はルーザーズヘ回る。

[2]ふ~ど vs YHC-餅[0]
ふ~ど選手(ミカ)が餅選手(ダルシム)に完勝しトップ8進出。ツイッターで「餅さんの逃げ方を研究して逃げさせないようにしたのが勝因」と分析した。
ふ~ど選手は前日まで別のFPS大会(Apex)参加という日程の中でのベスト8。
餅選手はルーザーズヘ回る。

[0]板ザン vs Verloren[2]
パワーの板ザン選手(アビゲイル)と技のVerloren選手(キャミィ)という戦い。Verloren選手が飛びと空中軌道変化技を駆使して板ザンアビゲイルを崩し勝利してトップ8進出。
板ザン選手はルーザーズヘ回る。

■7/25 Losers Round1
[0]もけ vs りゅうせい[2]
一歩も譲らない若手同士の戦いはりゅうせい選手(ユリアン)がエイジスリフレクターの凌ぎでもけ選手(ラシード)をねじ伏せ、ラウンド2進出。
もけ選手はベスト16で大会敗退。

[1]コサク vs 様式美[2]
国内の強者同士だが普段はCPTを回らない両者という組み合わせ。
フルセットへもつれ込むが、様式美選手(キャミィ)が冷静なゲージ運用で勝負を制す。勝利した様式美選手はラウンド2進出。
コサク選手(ネカリ)はベスト16で大会敗退。

[1]sako vs ももち[2]
互いにVトリガー2のセスを使う「丹田マニューバ研究所」同士の戦い。
真のセスを決める戦いはももち選手に軍配が上がる。ももち選手はラウンド2進出。
同じチーム内にセス使い(えいた選手)がいるももち選手は、同キャラ対策をしやすい分有利だったか。
sako選手はベスト16で大会敗退。

[1]水派 vs Cosco[2]
日本人選手では使い手が少ないブランカを使うCosco選手が、際どい読み合いを制して水派選手(コーリン)を下した。Cosco選手はラウンド2進出。
水派選手はベスト16で大会敗退。

■7/25 Losers Round2
[0]板ザン vs りゅうせい[2]
りゅうせい選手(ユリアン)がドットの体力を死守して勝利しトップ8進出。やはりユリアンのエイジスリフレクターは要所で強い。
板ザン選手(ザンギエフ)はベスト12で大会敗退。

[0]YHC-餅 vs 様式美[2]
最後までブレずに攻め切った様式美選手(キャミィ)が勝利しトップ8進出。
餅選手(ダルシム)はベスト12で大会敗退。

[0]Shuto vs ももち[2]
ももち選手(セス)はShuto選手の繰り出すユリアンのバイオレンスニーをマッドクレイドルで封殺し勝利。ももち選手はトップ8進出。
Shuto選手はベスト12で大会敗退。

[0]DeadlyPoison vs Cosco[2]
韓国勢同士の対戦。DeadlyPoison選手はポイズン、Cosco選手はブランカという余り見ない組み合わせ。
展開の速い勝負を制したCosco選手が勝利しトップ8進出。
DeadlyPoison選手はベスト12で大会敗退。

画像2

(出展:https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-online-2020-east-asia-1/event/street-fighter-v-champion-edition/brackets/842232/1345053)

トップ8勝ち残り選手総括

■ウィナーズトップ8勝ち残り選手総括

勝ち残りメンバーは
・ウィナーズ……ときど/ウメハラ/ふ~ど/Verloren
・ルーザーズ……りゅうせい/様式美/ももち/Cosco
となった。

ときど選手、ウメハラ選手、ふ~ど選手
この3人については、大会常連のベテランでオンライン大会とはいえ上がってきても不思議はない。メイン以外のキャラを模索し、結局これまでと同じキャラ一本での戦いを選択したことも共通している。
ふ~ど選手はツイッターで餅選手の動きを研究したことがツイートされており、人対策も含めて周到な準備で大会に臨んでいた事が伺える。

Verloren選手
海外勢のベテランであるものの、一時期プロ休業をしていた事もあり、トップ8に勝ち残りを予想出来た人は少ないだろう。筆者も海外勢が上がるならHotDog29やOil Kingといった顔ぶれを予想していた。

■ルーザーズトップ8勝ち残り選手総括

ルーザーズの勝ち残りはりゅうせい、様式美、ももち、Coscoの4名。

りゅうせい選手
トップ8で唯一の若手プロ。配信で視聴数を得るための人気ゲームをプレイすることもせず、ストV道を邁進。次世代を担う若手の一角だがナウマンやカワノといった選手の活躍が目立っていた中で、優勝してCC本大会参加を決めることが出来るか。
優勝となれば国内ではEVO Japan 2020のナウマン選手に続く若手優勝の快挙となる。

様式美選手
スパ4から活躍する格ゲープレイヤー。ストVではウメハララウンジの常連メンバー。ウメハラの助言を受けながら戦うことで飛躍的に実力を向上させた結果がトップ8につながったのではと思う。

ももち選手
プロチーム忍ism Gamingを運営する選手兼オーナーという異色の選手。他キャラ使いとしても有名。
今大会話題のセスでトップ8に残ったのは、ももちセスだけだった。EVO2015覇者のももちがセスをどのように使うのかに注目が集まっている。

Cosco選手
韓国勢ということ以外で分かっている情報が少ない。
プロチーム所属はなくブランカ、ダルシム、ファンといったキャラを使う模様。ブランカはCPT2020ではSouth America 1大会でブラジルのThe Griffon Mask選手が使っていたくらいだろうか。
もしCosco選手が優勝した場合はブランカの評価に大きく変動があるかもしれない。

■トップ8のキャラクター
トップ8に残ったキャラクターは、豪鬼、ガイル、ミカ、キャミィ、ユリアン、セス、ブランカであった。ブランカ以外はトップティアー(セス、豪鬼、ユリアン、ガイル)か、大会でよく見る(キャミィ)顔ぶれだ。
ミカは対空手段の弱体化等ナーフされているが、ふ~どミカといえば代表的なミカ使いであり、使い手も考えると決して弱いキャラではない。

アジア-東大会1大会結果(トップ8~GF)

■Winners Semi Final
[1]ときど vs ウメハラ[3]
[1]ふ~ど vs Verloren[3]

Losers Round1
[0]Cosco vs ももち[3]
[2]様式美 vs りゅうせい[3]

■Winners Final

ウメハラ[3] vs Verloren[0]

Losers Quater Final
[3]ふ~ど vs ももち[2]
[3]ときど vs りゅうせい[1]

Losers Semi Final
[3]ふ~ど vs ときど[1]

Losers  Final
[1]Verloren vs ふ~ど[3]

■Grand
  Final
[3]ふ~ど vs ウメハラ[2](リセット)

■Grand
  Final Reset
[2]ふ~ど vs ウメハラ[3]

アジア-東大会1大会優勝はウメハラ選手となり、ウメハラ選手はCPT2020本大会の出場権を獲得した。

画像3

(出展:https://smash.gg/tournament/capcom-pro-tour-online-2020-east-asia-1/event/street-fighter-v-champion-edition/brackets/842240/1345069)

ウメハラの練成、ふ~どの深謀、ときどの再燃(大会所感)

ウメハラの練成

大会はウメハラ優勝、ふ~ど準優勝で幕を閉じた。
最強のウメハラが帰ってきた、或いはファイナルシーズンでようやく間に合ったという感じだろうか。

トップ8のときど戦に始まり、Grand Finalリセットのふ~ど戦まではほぼ磐石の試合。テクニック的な事は上の動画で解説者のなないさんなどが解説しているのでそちらを見て欲しいが、以前よりは全くガイルのスタイルが違い、相手を画面端に追い込みダメージを取る超攻撃的なスタイルに変貌。

サマーソルト・リフトアッパー・空投げ・大足と場面に応じて使い分ける正確な対空、大足等の差し返しが目立った。差し返しはウメハラ選手が配信で公開していたずっと練習で取り組んできたメニュー。これが大会で形になり実戦投入された。

大会から一夜明けての個人配信 差し返しについて語る その他今大会での意外な発見なども公開

ヒットボックス(レバーレスタイプのコントローラ)も導入して1年以上になり、完全にフィットしウメハラガイルの武器の一つになった。
国内外を震撼させたウメハラガイル。
ストVはファイナルシーズンだが、これ以降ウメハラを中心にCPTが動いていくのは間違いない。

ふ~どの深謀

2位はふ~ど選手。トップ8からは温存していたポイズンを投入しウメハラに一度はリセットをさせる活躍。ウメハラを誰が倒すかという状況でリセットを付けた意義は非常に大きい。

ふ~ど選手は前日までFPSのAPEX大会に参加しており、ストVにはそれほど練習を費やしていないと思われていた。しかし、その実はオンライン大会上位が続くYHC-餅選手の動きを分析して研究しており、またセカンドキャラのポイズンをトップ8に用意するという磐石の態勢で大会に臨んでいた。

単にアクションゲームの天才というだけでは大会2位という結果は得られない。ふ~ど選手のあらゆる手段を用意していた深謀が光った。

ときど再燃

ときどの豪鬼はウメハラに粉砕された。
今年行われたTOPANGA CHAMPIONSHIPではウメハラガイルに7連勝と圧倒的な土を付けたが、その後期間を経て、ウメハラときどの野試合が行われてここではウメハラが10連勝。
これは野試合故の調整ではないかと誰もが思っていたが、実際はこれが実力だったのかもしれない。
ときどは初戦の負けが響いたのか、りゅうせいには勝利するもののLosers Semi Finalでふ~どに負け大会を終える。

大会後、ときどは直ぐに配信を開始し、ふ~どと大会の感想戦を行った。そこでは悔しさを隠さず、同時に嬉しそうなときどの姿があった。

ときどは豪鬼を幾らプレーしても飽きることはないと公言する。とはいえ5年も続く同じゲームに心が燃えなくなっても不思議ではない。
一度は完膚なきまでに負かしたウメハラが、遂に復活してタイトルを取りにきている。
ときどの心に再び火が付いた事を感じた。

CAPCOM Pro Tour Online 2020 アジア-東大会2

2020/10/24追記
2020/7/25-26に行われた「アジア-東大会1(ブロックH)」では上記の通りウメハラ選手が優勝で幕を閉じた。
アジア-東大会は全2枠出場枠があり、残り1枠は10/24-25のオンライン大会で決定される。
JeSUライセンス保有のプロや強豪アマを初め国内外400人を超える選手がエントリーしており、僅か1枠の優勝をめぐる熾烈な戦いが二日間に渡って行われる。
ここでは簡単に事前予想と結果、中継サイトを掲載します。

■アジア-東大会2(ブロックH)優勝予想
ガチくん(Red Bull)SFLリーグで全勝と非常に調子がいいため優勝と予想

■アジア-東大会2(ブロックH)結果
初日終了時点(トップ8)
[Winners]・ガチくん vs ももち ・ときど vs いつき
[Losers]・大谷 vs ベロレン ・カワノ vs ふ~ど

トップ8~優勝結果
優勝:ガチくん(ラシード)
準優勝:ももち(セス)
3位:ときど(ユリアン・豪鬼)
4位:いつき(ダルシム)
5位:大谷(豪鬼)、ふ~ど(ポイズン・ミカ)
7位:ベロレン(キャミィ)、カワノ(コーリン)

優勝予想が当たり、ガチくん選手が見事優勝を飾りました。
アジア-東大会1で優勝したウメハラ選手と今大会優勝のガチくん選手の2名は2021年に行われるCPT本大会に出場資格を得ました。

CAPCOM Pro Tour Online 2020 アジア-東大会2中継サイト

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