4つに分けて書く! ゲームディベロッパーのプレスリリース!

これって何の記事?

この記事では、ゲーム会社や同人/インディーゲーム開発チームがどのようにプレスリリースの書けばいいのかを記事を書くゲームライター側の視点や、プレスリリースの実例を交えて書いていきます。(時々追加改善しています)

この記事を書いた人はどんな人?

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フリーランスゲームライターをしています。国内のゲームメディアでニュース記事やインタビュー記事を書いています。日々プレスリリースを受け取ってニュースを書く側の視点で今日はプレスリリースについて書いてみたいと思います。

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本文の要約

はじめて書くときは、プレスリリースを3つにわけて書いてみましょう。

・1つ目は4Wで簡潔に書く

・2つ目はゲーム内容を簡潔に書く

・3つ目はゲーム内容の詳細や実績や開発経緯なども盛り込む

・4つ目は製品情報を書く

というものです。それぞれに役割がありますので解説していきたいと思います。なお、プレスリリースには決まった形があるのか? いつ出すのか? 何について出すのか?といった”プレスリリースを書く前に考えること”はここでは省略しています。そういった内容についても記事を改めて書ければと思います。では、本文にいきましょう。

本文

1つ目は4Wで簡潔に書く

1つ目はこのプレスリリースが何を書いているのかを簡潔に説明するものです。いわゆる5W1Hのうちの4Wで書くのがよいでしょう。

Who(誰)はWhen(いつ)にWhere(どこ)でWhat(何を)する

これに当てはめるのがよいでしょう。当てはめて書くと…

X社は2020年9月9日にSteamで『あなたのゲーム』をリリースするページを公開しました

・X社は2020年9月23日から開催される東京ゲームショウで『あなたのゲーム』を展示します。

このようなものになります。ここでは、読み手(プレスリリースを送った相手)が読んですぐわかる内容にするのが目的です。もっとゲームについて詳細に書きたいのはよくわかりますが、1つ目はこの内容にとどめておきましょう。

2つ目はゲーム内容を簡潔に書く

2つ目はゲーム内容について説明を行います。書き方は次の通りです。

『あなたのゲーム』+ジャンル解説+ゲーム解説

ゲーム解説の中はWho(ゲーム中の誰)がwhy(ゲームの目的)のためWhen(いつ)にwhere(どこで)をWhat(何を)する

という流れで書いてみましょう。ここでは有名タイトルを例に文章を作っています。

『あなたのゲーム』は2D横スクロールアクションで、主人公が攫われた姫を助けるために全32ステージを冒険します。主人公はキノコを取ると巨大化したり、フラワーを取ることでファイアーボールを投げることができるようになります。

とか

『あなたのゲーム』は同シリーズ3作目となるRPG。主人公と仲間たちは魔王を倒すために、4人でパーティを組み広大な世界を冒険します。主人公と仲間たちは自由に名前と性別が決めることができ、職種も主人公の勇者以外は6種類から自由に選べて一定レベルで転職も可能で、自分だけのパーティー編成で魔王に挑むことができます。

などです。

もう少し内容に触れても良いと思いますが、解説用にやや簡潔にしています。

ここでは、このゲームがどういうジャンルなのかをまず解説し、その後にそのジャンルでも特に特徴的なことを書くという形を取っています。これは、プレスリリースを読んだ記者がゲーム記事を書くために時間のかからないようにすることを目的としています。その一方であまり簡潔になりすぎると興味を惹かれない可能性があるのでここは難しいところです。

簡潔になりすぎる例

『あなたのゲーム』は2D横スクロールアクションです。

これだけでは記者の興味も引けませんし、同時に読者の興味も引けないでしょう。

例を見てみるとそれぞれのタイトルが同時代の同ジャンルや同タイトルと比べて個性的な面を持っていたことに気付くのではないでしょうか。実際、この作業に詰まったときは他社のタイトルでこの作業をやってみると良いでしょう。この作業からあなたのゲームを簡潔に表現できるキャッチフレーズも生まれるかもしれません。

3つ目はゲーム内容を詳細や実績や開発経緯なども盛り込む

3つ目は、2つ目をさらに詳細に書きます。開発スタッフや推したいことがあればとにかく書くところです。一番熱も入るかと思います。たとえばこのようになると思います。

また、『あなたのゲーム』は2D横スクロールアクションを採用し、キャラクターが敵や落とし穴をジャンプして回避しながらゴールのフラッグまでたどり着くというもので、フラッグのポールの高いところにタッチできれば高得点を得られます。ブロックを下からたたけばパワーアップできるキノコやコイン、無敵になるスターが出てきます。隠し要素も数多くあり、何もないはずのところにブロックがあって残機が増えるキノコがでてくることも。その他隠し要素がいっぱいありますのでお楽しみに!プレイヤーは2人で交代してプレイができ、1人ごとにそれぞれのコントローラーで、それぞれのペースで冒険ができます。『あなたのゲーム』は2020年XX月XX日に5,800円でPlayStation5/XBOX Series X/ニンテンドースイッチ/Stadia/PC(Steam/Epic Gameストア)で発売予定です。

また、『あなたのゲーム』のストーリーは亡き父の遺志を継ぐ主人公が仲間たちと魔王を倒すために旅に出るもので、はじめて昼と夜という時間の概念を導入。町や城の様子も昼と夜で大きく変わります。また、移動手段は船以外に空を飛ぶことも。そのほか、前作までは「じゅもん」だった中断システムをセーブシステムに一新。じゅもんがちがいます。ということはもうありません。開発スタッフとして、あの人が参加し、音楽はこの人が担当し、冒険を盛り上げるようになっています。雑誌ABCのレビューでは高得点を獲得し、ゲームイベントXYZではXXX賞を受賞。『あなたのゲーム』は2021年にPlayStation5/XBOX Series X/ニンテンドースイッチ/Stadia/PC(Steam/Epic Gameストア)で発売予定です。なお、価格は未定です。

というように、ゲーム以外のことや、システム面で新しいことなども盛り込むことで、ゲームメディアの記事にこれらの情報が描かれていくことになり、読み手に情報が伝わっていきます。

そのため、ネタバレは慎んだ方がよいでしょう。プレスを通じてネタバレが発信されてしまいます。発売日についてですが、すでに決定している場合もありますし、発売予定の場合もあるでしょうから、その時点で判明している情報を掲載すれば良いと思います。また、発売するプラットフォームも判明している情報を記載すればよいと思います。キャンペーンを行う場合はその告知だけを分けて行ってもOKです。

4つ目は製品情報を書く

最後に製品の情報や素材を掲載しましょう。製品の価格や発売日などを箇条書きにしてまとめておきます。そのほか、ゲームの様子やわかる画像や動画も用意しましょう。例えば次のような内容です。


・ゲーム名、メーカー名、価格、公式サイト、開発メンバーの情報
・ステージ数、最大プレイ人数、特徴的なメカニクスなど
・プレスキット(ゲームのスクリーンショット、タイトルロゴ、キャラクターなどゲームの特徴を伝える画像)
・PVをYoutubeにアップし、URLを掲載しておく

これらがあることで、メディアに発売日や価格、対応プラットフォームが読者に伝わり、またメディアに画像や動画が掲載されるようになります。ゲームメディアも画像や動画が必須になっており、それらを用意してからプレスリリースを送ることでメディア掲載の確率が高まります。

実際にメディアの記事を見てみる

それでは実際の記事を見てみましょう。

いくつかのメディアを挙げましたが、似たような構図になっているのではないでしょうか。これは、この3つに分けて書く方法がユーザーにもわかりやすく伝わりやすい形なのだと思います。おそらくですが、長い間いろんな媒体で試行錯誤して今はこの形に落ち着いているのだということだと思います。

今回はここまでとしたいと思いますが、日経新聞のプレスリリースで小売業やメーカーのプレスリリースには上手なものが数多くみられるので参考にしてみてください。

ありがとうございました。他にもプレスリリースをテーマに記事を書いてみようと思いますので、今後もよろしくお願いします。

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