街で立ち往生している人がいれば、妻は迷わず声をかける。原動力は「自分が同じ立場になったら、助けが欲しいと思うから」。
時々、盲目の人が壁を前に行きつ戻りつをしている光景に遭遇するが、本人は「誰か!」「何とかして!!」と不安ともどかしさで叫び出したい気持ちだろう。素直に声に出せればいいが、今の社会では相当な勇気が伴う。
正常と異常を分けているのは社会であり、人々の意識だ。最大公約数的に作られた今の社会の形にたまたま収まったものの、誰もが紙一重を感じながら生きている。それを皆が自覚し、共有することで、目の前に困っている人がいれば手を差し伸べ、自分が困れば躊躇いもなく助けを求めることができる。社会に必要なのは線を引くことではなく、本当は線を消すことなのだと思う。


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