2019 9/1 アーセナルvsトッテナム

白熱したノースロンドンダービー。実際に現地で観戦し、この試合の重要性を体感してきました。サポーター同士の汚い言葉の応酬に思わず笑ってしまいそうになることも。でも彼らは真剣です。大の大人が感情をむき出しにしてしまうほどの魅力がこの試合にはあるのです。そんな試合は一体どうなったのか。少しずつ紐解いていきます。

スターティングラインナップ

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スパーズの狙い

アーセナルは433の中盤はフラットの3センター、前線3枚には今季初のスターそろい踏みです。対するスパーズは、442でスタート。試合開始からアーセナルは枚数をかけて攻撃、守備に関しても、陣形が整うまで待つものの基本的に前プレを行い、試合開始直後からアーセナルのボール保持が多く優位に進めていました。しかしワンチャンスで得点まで繋げたのがスパーズでした。アーセナルはボール非保持の際、相手SBには両サイドのCHが対応します。スパーズは自陣深くでボールを繋ぐことで相手をおびき寄せ、2、3列目が間延びしたところをスパーズの1列目もしくは2列目のエリクセン、ラメラが利用して疑似カウンターを行うことが狙いの1つでした。1点目がまさにその形でした。自陣深くで繋ぎ、相手が前から来たところでケインが落ちてスペースを利用し、ロリスがそこに蹴り込みます。ジャカがポジションに残って対応したのですが競り負け、そこにソクラティスも釣られていたので数的同数に、その後ルイスも突っ込んでソンに交わされてしまい数的不利に。ラメラのシュートをレノが弾くも、ラメラが決め前半10分に先制します。

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今回の場面では、自分たちのミスで失点したものの、人数的には正しく対応できていました。しかし他の場面やカウンターの場面では2列目が誰も残っていないこともあり、スパーズは何度かチャンスを作り出していました。

アーセナルの狙い

失点後も、スパーズはそこまで繋がず、早い段階で前線に放り込むため、必然的にアーセナルはボール保持する時間が長くなりました。アーセナルはどのように攻めていたかというと、左サイドに人数を掛け(オーバーロード)攻撃を仕掛けます。特に前半から目立っていたのがゲンドゥージでした。3列目に下りてビルドアップのサポートから、ドリブルでライン間の運び役、前線でチャンスメイクなど、左サイドがメインながら様々なところに顔を出してチームを助けていました。またトレイラがPA内に侵入する機会が多く、その場合ウィンクスが下りてエリクセンが中にスライドするため、逆サイドが開くことが多くありました。よってゲンドゥージを起点に左サイドを押し込み、崩し切れない場合は右サイドへサイドチェンジしアイソレーションを用いて突破を図りました。

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近くの3角形、遠くの三角形と形成し、決定機を何度か作るものの得点には結び付きません。そして追加点をスパーズに与えてしまいます。スパーズはFK後に敵陣でボールを奪い、ソンがジャカに倒されPK獲得。それをケインがきっちりと決め後半39分に追加点を得ます。アーセナルはまた自分ちのミスから失点してしまいます。このまま前半が終わるのかと思いきやロスタイムにラカゼットが密集地帯を悠々とすり抜けゴール。なんとか後半に希望を繋げました。

反撃のアーセナル

前半同様ボール保持の時間が長いアーセナルがスタジアムの声援を味方に付け前半以上にゲームを支配していきます。やることは変わらず、左サイドオバロ+サイドチェンジからの右サイドアイソレーション。そこを対処しようとポチェティーノ監督は動きます。ラメラ→アリへ交代しソンをアーセナル左サイドにぶつけます。いけいけのアーセナル左サイドを逆手にとってカウンターに利用しようと考えているように感じました。しかし前半のようには上手くカウンターが決まらなくなりました。アーセナルに押し込まれる時間が長くなり、放り込み後のセカンドボールを拾えないことが増えたためです。アーセナルはトレイラ→セバージョスとチェンジ。押し込んだことにより空いたバイタルエリアを生かせるセバージョスという意図を感じました。そして待望の追加点がアーセナルに生まれます。

ゲンドゥージが1列目を交わし持ち運び、2列目の前からオーバメヤンの抜け出しにスルーパス。オーバメヤンは触るだけというゴールでした。1列目と2列目の間に押し込まれていることで空いたスペースを活用し、全盛期のセスク・ファブレガスを彷彿とさせる浮き球スルーパスを通したゲンドゥージ。若干20歳ながらとても頼もしい存在です。スパーズはソン→ロチェルソとチェンジし間延びしたゾーンの手当てをするも流れは変わらずアーセナル。現地ではこの時間帯の雰囲気がすさまじかった。とにかくスタジアム全体がおせおせムード。79分にソクラティスがゴールを決めるもオフサイド。ここがボルテージのピークに達した瞬間でした。周りにもみくちゃにされ、しらないおっちゃんと抱き合っていました。ノーゴールと分かった瞬間に我に返り恥ずかしさが芽生えていました。笑そこからはお互い間延びしたゾーンでやりあう展開に。どちらに転んでもおかしくありませんでしたが得点は生まれず試合終了。


まとめ

ノースロンドンダービーということでテンションの高い試合となりました。スパーズとしたら作戦が上手くいき前半に得た2点で逃げ切りたかったところですが、時間がたつにつれてアーセナルペースとなった試合を変えれず追いつかれてしまったのは痛かったかもしれません。それでも敵地で勝ち点1は悪くない結果のように感じます。アーセナルはリバプール戦同様自らのミスで相手の得点をアシストしてしまったのはいただけない。ただ昨シーズンに比べて攻撃陣の質が向上しているのが感じます。しかし試合の中で決まり事、狙いがあまり感じれず、個に頼るシーンが多く感じます。守備の安定よりもこちらの方が気になります。

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