加藤渓のバンドエッセイ『バンドだって立派な社会』20回

第20回を迎えました。今回はセンチメンタル岡田とがんばれ根本くんバンドのアイウエオ作文は「く」!

「栗貴族を見に行って思ったこと」
我々が出演するライブは、ライブハウスがブッキングしてくれた4~5バンドが1バンド30分くらいずつの持ち時間を使って演奏なりをするということが多い。来てくれるお客さんは出演者の友人だったりすることが多いので目当て以外のバンドに対してあんまり興味がない。目当てのバンドが出てくるまで心の中で「他のバンドさっさと終われ!ライブ終わったら私はメンバーと話したりしたいんじゃ!」と思っているはずだ。
なので我々のライブ中にスマホをいじっていたり、仏頂面で見てるお客さんがいたりして演奏しているこっちも辛い。向こうも辛い。
この前、ライブ中に客席のギャルっぽい二人がステージの方にスマホを向けて写真撮っていたのでこういう人も面白がってくれるんだ。意外だな。と思ってよく見たら自撮りだった。
恐るべきギャル。

そんなわけで初見のお客さんの興味をどうのように引くか。

曲だけでは厳しいと思う。

バンドをやっていて思うのだが、売れているミュージシャンと変わらないくらい楽器が上手だったり、良い曲を演奏しているミュージシャンはたくさんいる。本当にたくさんいる。そういったバンドの多くも埋もれている。

あと ライブハウスで4~5バンド見てると自分もライブハウスで何バンドも見ていると疲れてきて、どれも似たような曲に聞こえてきてしまうことがある。

6月末に渋谷o-nestにクリットリック・リス、岡崎体育、あっこゴリラのライブを見に行った。
今話題の岡崎体育さんを一目見ようと来ている人も多かったのか、会場はいっぱいであった。

あっこゴリラさんが一番手。次の日に自身の誕生日ライブも控えていたらしく、ステージ近くに行くお客さんが一番少なかったが堂々としていて、いつも通りバナナを投げたり、お客さんに肩車をさせ会場後ろまで行ったりしていた。

岡崎体育さんは初見だったということあり今回一番印象的だった。
曲が全部ネタだったのだ。
岡崎体育さんも大阪出身だそうだが、今までライブハウスで見た大阪のバンドって寸劇や小ネタをしっかり仕込んでいて、根本バンドも親近感が沸く。
しかし、岡崎体育さんはライブを通して芸人のようなクオリティいの高い曲=ネタがライブを通して続くのには驚いた。間のMCでも外さない。ネタに関しては一緒に行った友人は「陣内智則のようだ」と言っていた。

クリトリック・リスさんは「ブラックナイト」が新しく録音したゴージャスなトラックになっていた。ロック好きな親父の話なのに音がチープっていうところも含めて好きだったので少し残念であったが、大好きな「コッコちゃん」が聞けて大満足であった。前の方で大騒ぎしているお客さんに「お前らのせいで岡崎体育のファンが後ろにいってしまう!前と後ろ変われ!」と笑いを取っていた。

3者とも音楽性は違うが、お客さんとコミュニケーション(話しかける、ハンドクラップさせる、会場まで降りていくなど)を取るのがすごく上手いと思った。ここは工夫する価値がありそうだ。
ちなみにたぶんこのイベントで一番アウェーだったのはあっこゴリラさんだと思うが、ライブ後半は半信半疑で見ていお客さんも体を揺らしたり、コール&レンスポンスが大きくなっていき、最後は会場もあっこゴリラさんをペースになった。それを見て「すごいなあ」と純粋に思った。ライブ後の物販では一番長い列ができていた。

というわけで、ライブではコミュニケーションを取れるように工夫してみようと思う。
何があるかな?クイズかな。
あとライブ後は話しかけられやすいように酒を飲んで陽気に振る舞おうと思う。

【7月のライブ情報】
是非遊びにきてね!夏がはじまりましたヨ!
●2016年7月18日(月・祝)
CLUB EDGE presents LIVE
六本木edge
OPEN18:00 START18:30
2000円(+1Drink)
センチメンタル岡田と頑張れ根本くんバンド
Prime'
綱渕謙吾
and more!
http://www.club-edge.net/top.html
●2016年7月26日(火)
高円寺U-hA
OPEN18:30 START19:00
2000円+ドリンク(500円)
センチメンタル岡田と頑張れ根本くんバンド
鱸明日香
あーた
トモクロウ
http://coffeeuha.web.fc2.com/event.html

去年の夏企画ライブやった時のポスター。

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