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『ホラ、自分探しってあるじゃん。アレさあ、運よく探し当てたお宝は当たりクジばかりと思ってない?「ベトナム戦争の戦場特派員になるったら、なるの!」系のスカを引いちゃったらどうすんの? 返品・交換不可よ。責任取って、もう戦場童貞まっしぐら! いいかい、若いの、おじちゃん、悪いこと言わないから、みんなと一緒、普通が一番さね。ま、黙ってそうなさいって、アメちゃんあげるから、ホレ! 第1回(第18稿)』

 まあ、どっちかちゅうと、俺は極左寄りかな。ああ、もちろんお宝の隠し場所の話だけどね、トランクスのどっち側に竿を流すかちゅう。その点、ブリーフだと悩まなくていいんだけど、タマタマがムレムレになるじゃん。だから今、ノーパンだよ!

 夏だね!

 特にもうお盆の最中に言いたいこともないので、漫画化ノンフィクションの話にでも進みます、ブランブランと。

 でまあ、今回は裸のタマタマがググッときた、「山本さほ先生」(https://note.mu/sahoobb )にスポットライト!

 まずは「大人の金コミュニケーション」でファーストコンタクト!

(注:「大人の金ニケーション」とは、「まず『note』にいる漫画家さんの有料マガジンや有料ノートをショッピングし、ついでにフォローをします。続いて、仕返しの大人の金コミュニケーションでショッピング返しはなくても、フォロー返しくらいならちょっと増えるんじゃね、金の力で」のことである)

 がしかし、山本さほ先生は有料マガジンも有料ノートを現状売ってらっしゃらない…。仕方なくフォローだけさせて頂き、セカンドコンタクトの定番「スッキ二ケーション」をしようと思ったが、ふとたまには違うスッキの形もアリっちゃ、アリじゃねと。

(注:「スッキニケーション」とは、「おはようのスッキから、おやすみのスッキまで、今日もスッキスッキ大作戦!」と題して、とりあえず「好きって言っとけば問題ないっしょ」とばかりにお目当ての漫画家さんが新規ノートをアップした際などにスキボタンを押して、下心丸出しコミュニケーションを図ろうとする大人の恋愛行為のことである)

 前回の中川いさみ先生、相原コージ先生、ほりのぶゆき先生と、前々回の大谷秋人先生は「動かざるごと山の如し」作戦中で、現状4人の漫画家さんの漫画化ノンフィクションが同時多発進行しているので、山本さほ先生には「侵略すること火の如し」作戦という名の新しいスッキスッキ大作戦でいってみよう!

 というわけで、時を遡ること、先週金曜は2014年の8月8日に、いきなり放火隊が電光石火で動き出しました。

●2014年8月8日(金)16時30分、まずサホスツーカヤマ™先生(*この時代、「山本さほ」先生は、まだ「サホスツーカヤマ™」先生でした。ま、この謎は順に読んでいけば、いずれ分かるさ)に大人の金ニケーションを仕掛けようとするも、有料マガジンも有料ノートもなかったので、とりあえずフォローのみする。

 そして、スッキニケーション代わりに、同日17時にはいきなり漫画化依頼ラブレターを出すことに。

「サホスツーカヤマ™様

冠省

 突然、このようなご連絡を差し上げる無礼をお許しください。
 私、『note』ネーム、「がんばれWEBメシ!」(https://note.mu/ganbarewebmesi )こと、●●●●と申します。

 こたび、サホスツーカヤマ™先生の作品『岡崎に捧ぐ』を拝読させて頂き、あまりの面白さに思わず、是非とも私のノンフィクション原稿の漫画化をお願いさせて頂きたく、不躾ながらもご連絡させて頂いた次第でございます(『note』の「クリエーターへのお問合わせ」は制限文字500字でしたので、コチラにご連絡させて頂きました)。

 私、戦場特派員業を営んでおりまして、『ベトナム戦争従軍希望記 「カレン民族解放軍従軍希望記」編』(https://note.mu/ganbarewebmesi/n/nfc0900ba933a )と題したノンフィクションを、『note』にて全53回予定(現在、まだ17回目です)で、発表しております。

 つきましては、私のノンフィクション原稿『水曜スペシャルノンフィクションどうでしょう 第1回(初稿)』(https://note.mu/ganbarewebmesi/n/na6f6f98ba03f )の漫画化を、サホスツーカヤマ™先生にお願いさせて頂けないかと思っております。

 サホスツーカヤマ™先生のツイッターの方に、

「サホスツーカ ヤマ@sahoobb ・ 7月26日

最近フォローして下さった皆さんに少し自己紹介をします。 私は28歳で、フルタイムで働いている普通の社会人です。 作品は速筆な方だと思います。1ページ漫画なら下書きなしなので10分かかりません。岡崎に捧ぐも1ページ1時間くらいで出来ます。」

 との文言がございましたが、『ひまつぶしまんが』(コチラも読み終わるのが惜しいくらい面白かったです)のような1ページ漫画でも4コマ漫画でも1コマ漫画でもイラストでも何でも構いませんので(いざとなったら、別に原作とまったく関係ない漫画でも構いません、隅っこの方に私の原作タイトルだけ記載して頂ければ幸いです)、以下に記載する原稿料と締切などの条件を踏まえて、お好きなように漫画化して頂けないでしょうか?

【原稿料】
 些少で大変恐縮ですが、「原稿料2万円」プラス「漫画化が完成したノートを、ご自身のノートにて、最高値付けの1万円で売ってください。私が即買います! 私の購入確認後、お好きな値付けでそのまま1万円なり1000円なり100円なり無料なりとお好きな値付けに変更して頂いて構いません」という条件でお願いさせて頂けないでしょうか。尚、原稿料は漫画化承諾を頂いた直後、ご指定口座に振込みます。振込をご確認後、漫画化に着手して頂ければ幸いです。

【締切】
 漫画化承諾直後の振込確認から2~3か月後くらいを目途に、そこを何とかお願い致します。

 以上です。

 もし少しでもご興味を持って頂けましたら、ご多忙の折お手数をお掛け致しますが、お時間ある際に一度ご連絡なり頂ければ幸いです。

 もちろん「このような話はちょっと…」ということでございましたら、私がご迷惑も顧みずに一方的にお願いしたことでございますので、このまま捨て置いて頂いて構いません。

 もし後者のようでしたら、貴重なお時間をお取りさせてしまい、また非礼なお願いを申し上げたこと、改めて重ね重ね誠に申し訳ございませんでした。また機会がございましたら、是非よろしくお願い致します。陰ながら益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 それではもしご縁がございましたら、どうか前向きにご検討の上、お時間がある際にご連絡頂ければ幸いです。

●最後になりますが(長くて申し訳ございません)、『ベトナム戦争従軍希望記 「カレン民族解放軍従軍希望記」編』なんて名乗ってますが、私はバリバリの「戦場特派員歴=戦場童貞歴=四半世紀」なので戦場とか鉄砲とか難しい専門的な話とかは一切出て来ません(サホスツーカヤマ™先生に漫画化をお願いする『水曜スペシャルノンフィクションどうでしょう 第1回(初稿)』(https://note.mu/ganbarewebmesi/n/na6f6f98ba03f )は主に高田馬場で野グソをする話です)。こんな戦場童貞にできることは当然、全部、精一杯ご協力させて頂きます。

●ご質問やご不明点や資料等が必要でしたら、何なりとお申しつけください。
□メルアド:「●●●@●●●.●●●」
□ケータイ:「●●●-●●●●-●●●●」

 以上でございます。文中での数々のご無礼、何卒寛大なお心で平にお許しください。

 それではご検討の程、何卒よろしくお願い致します。 不一」

 さあ、コレで放火は済んだので、後はゆっくり様子見です。

 気になる山本さほ先生の漫画化ノンフィクションの続きはココこと、今回にドンドン更新していきます。


【山本さほ先生の漫画化ノンフィクション】

 と例の漫画化依頼ラブレターを出して約5時間後、さっそく動きが!

●2014年8月8日(金)19時50分の山本さほ先生のツイッター。
「山本さほ @sahoobb・8月8日
何も考えずに付けたHN、あまりにも覚え辛いと言われるのでお仕事をさせて貰う前に変えることにしました。 これから本名の山本さほで行きます。特に執着も愛着もない、サホスツーカヤマバイバイ!!」

 アレレ~。なんか(ToT)/~~~されちゃったぽくね?

 まあ、仮にコレがサヨナラの合図だったとしても、サホスツーカヤマ™先生名義時代に仕事を頼んだ最後の男、もしかしたら最初で最後の男(伏線)になれたからいいもんという素敵な想い出とネタをありがとうございます!

 このまま、サホスツーカヤマ™先生用のツイッターネタの使い道がなくなるとアレなので、ココにコッソリ置いておきます、題して、「サホスツーカヤマ™先生の激動の半月生(2014年7月25日(金)~8月8日(金))」。

 ちなみに、この時代、山本さほ先生はnoteでは「サホスツーカヤマ™」名義、ツイッターでは「サホスツーカ ヤマ」名義を使い分けてらっしゃいました。

 以下、山本さほ先生のツイッターからの抜粋です。『岡崎に捧ぐ』を読んでからだとより楽しめるかと存じ上げます。

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月24日
たくさんの方、フォローありがとうございます。私は1ページ漫画の他にnoteの方にて漫画を連載しています。全話無料で読めますので良かったらヒマな時に読んでみてください!https://note.mu/sahoobb/m/m6d7f0f032e74 」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月24日
なんだか大変な事になってびっくりしてます。つい今月の初めまでフォロワー数が50いるかいないかだった私がまさかこんな事になるとは…恥ずかしいのであんまり見ないで…(////)」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月24日
拡散した私のツイートを見て、10年以上音信不通になっていた友達が連絡をして来てくれた!なんていい日なんだ!」

●「サホスツーカ ヤマさんがリツイート

aisonx @aisonx ・ 7月25日
こ、これ!!!!たぶん中学の同級生だよね!?てか絶対そう!わたしの憧れだったあの子!!!! RT @gazo_takuhai: ひまつぶしまんがvol.9 「分不相応」 pic.twitter.com/EFOxRPeyH5 sahoobb」

●「サホスツーカ ヤマさんがリツイート

aisonx @aisonx ・ 7月25日
@sahoobb 山本さん!中学一緒だった露木です!覚えてないかもだけど山本さんは憧れで、廊下に貼ってた漫画をもらって大喜びしたよ!岡崎さんの漫画面白かった!!!少し前に岡崎さんと遊んだとき、岡崎さん全然変わってなくて嬉しかったよ!リツイートで漫画流れて来て朝から興奮したよ!」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月25日
うおおお~!!Twitter凄いなー!!興奮するー!」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月25日
つい先週まで「一週間のアクセス数が1500に増えた~」って喜んでいた岡崎に捧ぐのアクセス数が、2日で15万アクセス越えてて僕ぁ恐ろしいよ…」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月26日
最近フォローして下さった皆さんに少し自己紹介をします。 私は28歳で、フルタイムで働いている普通の社会人です。 作品は速筆な方だと思います。1ページ漫画なら下書きなしなので10分かかりません。岡崎に捧ぐも1ページ1時間くらいで出来ます。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月26日
パピヨンの犬と、雑種のネコを飼っています。バイクが好きです。 PS3、xbox、PS4、VITA、3DS持ってるゲーム好きです。最近やってるのはラストオブアスのマルチとBF4です。 あと、食べる事が大好きです。 よろしくです!」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月26日
あと自慢出来ることと言えば私は面白い経験やお話がまだまだいっぱいあります!! みなさんに私の楽しい思い出を漫画でたくさん伝えるのが目標です。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月27日
フォロワー数増え過ぎ怖い。もう気軽にうんことか呟けなくなっちゃう」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月27日
うんこ。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月29日
岡崎さんがキングダムの最新刊貸してくれた」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月30日
昔「ちびまる子ちゃん」がまったくの無名だった時単行本で読んで、うわこの人すげえ。と思ったのと同じくらいの感動があった。「岡崎さん」https://note.mu/sahoobb/n/n316c0cbcb121 才能溢れて... https://note.mu/miso/n/n479f3f9d7cd6 」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月30日
鈴木みそ先生にこんなに褒めて貰った…めちゃくちゃ嬉しい。 ファミ通でずっと読んでました。 ありがとうございます。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月30日
嬉しすぎて地上から3センチ浮いてる」

●「サホスツーカ ヤマさんがリツイート

鈴木みそ @MisoSuzuki ・ 7月30日
@sahoobb とても面白いです。これはもうファミ通で連載はじめましょう。」

●「サホスツーカ ヤマさんがリツイート

鈴木みそ @MisoSuzuki ・ 7月30日
@sahoobb あのnoteのサイトをおしえてくれたのは、けらえいこさんなんですよ。この人すごい。って褒めてましたよ。続き楽しみにしてます!」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月30日
ああ今日は人生最良の日です。 ありがとうございます。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月30日
嬉しすぎて岡崎さんに一連の事を報告した。岡崎さんはけらえいこ先生のファンみたいで凄く喜んでいた。 そして意味のわからない画像でお祝いされた。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月31日
最近お父さんが私のTwitterをチェックしているっぽい。 今朝6時に珍しく私の部屋に入って来たから、昨日の鈴木みそさんの件でお祝いとかを言ってくれるのかと思ったら開口一番「キングダムの最新刊貸して」」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月31日
娘に又貸しを要求するなんて最低だな…」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月31日
今、うちの車に乗りながらうちの駐車場を見て「あれ…車ない。お父さん出掛けてんの?」って言っちゃったから疲れてる」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 7月31日
岡崎に捧ぐの月間アクセス数、44万。皆さん本当にありがとうございました!」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 8月1日
実は今日私の誕生日です。29歳になりました。 そしてこれから岡崎さんと二人で「山本さん生誕29周年~ドキッ!成城石井で買い込む高級食材ダンシングパーティーナイト(仮)~」をおこないます。」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 8月1日
松坂牛のステーキ、寿司、ウニのパスタ、うなぎ、ハーブソーセージ、キャビア、フォアグラ、高い卵の卵かけご飯etc しめて13,000円です! 」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 8月2日
昨日のパーティーで学んだ事 「スーパーで13000円出すならレストランでフルコース頼んだ方がいい」」

●「サホスツーカ ヤマさんがリツイート

Sadaaki KATO / 加藤 貞顕 @sadaaki 8月8日
サホスツーカヤマ @sahoobb さん、noteで「岡崎に捧ぐ」というマンガを連載してくださっていて、とてもおもしろいのでご紹介しておりますよ。|加藤貞顕|note(ノート) https://note.mu/sadaaki/n/n9d5b279be38b 」

●「サホスツーカ ヤマ @sahoobb ・ 8月8日
noteのサイトを運営している加藤さんに紹介して頂きました! ありがとうございます!これからもnoteを盛り上げていけるよう励みます。」

●「山本さほ @sahoobb ・ 8月8日
何も考えずに付けたHN、あまりにも覚え辛いと言われるのでお仕事をさせて貰う前に変えることにしました。 これから本名の山本さほで行きます。特に執着も愛着もない、サホスツーカヤマバイバイ!!」

 以上、「サホスツーカヤマ™先生の激動の半月生(2014年7月25日(金)~8月8日(金))」でした。

 速報です! サホスツーカヤマ™先生改め、山本さほ先生からさっそくご返信頂きました!


●2014年8月9日(土)0時19分に、簡単にまとめると「漫画化はエヌ・オー」とのことでした…。いいの、お返事貰えただけで!

 というわけで、同日1時39分にお返事のお返事を!

「山本さほ様

前略
 ご多忙の折、ご丁寧なご連絡ありがとうございます。「がんばれWEBメシ」こと●●です。

 ご連絡の旨、誠に残念ですが、了解致しました。
 私が勝手にお願いしたことですので、どうかお気になさらず、お体にお気を付けて、お仕事がんばってください。

 もしまた何か機会がございましたら、その際は何卒よろしくお願い致します。
 それまでは陰ながら山本さほ先生の益々のご活躍の程、お祈り申し上げます。 早々」

 ふぅ~、さすが「侵略すること火の如し」作戦、7、8時間ですぐ終わっちゃった。

 しかも侵略どころか軽いボヤ騒ぎ程度で…。更に、サホスツーカヤマ™先生名義時代にお仕事を依頼した最初の男なんかじゃ全然ないというね、アレなオマケつき。でもきっとサホスツーカヤマ™先生名義時代に仕事を頼んだ最後の男くらいにはなれたかしら。

 ま、最初で最後のチャンス、この「サホスツーカヤマ™先生の激動の半月生(2014年7月25日(金)~8月8日(金))」の混乱のドタバタに乗じて、勢いでうまく行くかな作戦は大失敗でしたの巻ってことよ。

 以上をもちまして、山本さほ先生の漫画化ノンフィクションは終了です!
 山本さほ先生、またいつか機会がございましたら、コレに懲りず、何卒よろしくお願い致します(完)。


 さ、続いては昔メイン、現オマケの戦場童貞ノンフィクションのお時間ですよ。

 まあさ、相も変わらず最近は漫画化ノンフィクションのアレやコレやおまんまんで忙しいを言い訳に、前回や前々回や前々々回の3日分まとめて大放出を超える、4日分まとめて大々放出だ!!

 と、その前に、いつもの説明コピペからどうぞ!

 まずは簡単に『ベトナム戦争従軍希望記 「カレン民族解放軍従軍希望記」編』がどういうノンフィクションなのか補足説明しておきます。

「中2のとき、『あ、俺ってば、ナチュラルボーン戦場特派員だった』と天啓を受けた俺がその10年後、戦場童貞を捨てるため、ビルマの軍事政権相手に半世紀以上、民族闘争を続けているカレン民族解放軍の従軍取材と、ビルマの軍事政権に迫害を受けて、隣国タイに国外避難しているカレン族の難民キャンプ取材をしに行くも、初海外取材の約2ヶ月間ことごとく失敗に失敗を重ねるだけ…しかし最後の最後に『あ、ちょっと間違ってたや。正しくは、俺ってば、生まれつきベトナム戦争の戦場特派員だった』と再天啓を受けたよ」って感じの戦場童貞ノンフィクションです。

 いいんです、ノンフィクションの醍醐味は成功譚ではなく、大失敗譚にあり!

 というわけで、基本的に初海外取材の2ヶ月間、何も起こりません。もうね、そんな危ない戦場とか特に危なくない難民キャンプとかもうどこにも、全然余裕で超たどり着きませんからご安心ください。

 そんな失敗の連続以外は何も起こらなかった戦場童貞な青春の日々を、いかに素敵なノンフィクションに書き上げるかが俺のヤルことで、漫画家さんには是非、その自称素敵なノンフィクションを叩き台の原作にし、見違えるように素晴らしい漫画にして欲しくて欲しくて、もうたまらないんだ、な、だから、いいだろ?

 と、いきなり迫られてもアレでしょうから、じゃあ、ちょっとコレってどんな感じの戦場童貞ノンフィクションで、どう漫画化すればいいのかなあなんてイメトレ練習がてら、お試しというか社会見学してみませんか?

 えっ~とまず、漫画化の練習台になるような日を初海外取材の53日間からセレクトしてみました。

 適宜、文中の()内で、(こんな感じで、漫画化して欲しいなあ)とつぶやいたりダンマリ決め込んだりします。気にしたり、気にしなかったりで前向きに漫画化の方を善処して頂ければ幸いです。

 それではお時間ある際に、お気が向いたら、どうぞよろしくお願いします。

 今回は海外取材の2日目~5日目までの4日間をセレクト!(通常は「1回1日」主義です。今回は特別に「1回4日」主義となっております。だって、前回と前々回と前々々回は特別に「1回3日」主義で、「漫画化するときは、3日分を4コマ漫画で漫画化するのが大変そうです、だって、ほら、1コマ余っちゃうから」というのが3回連続で続いたので、今回は4日間なので、1コマ余すことなく、4コマ漫画が簡単にデキちゃうはずです! 後ね、この『ベトナム戦争従軍希望記 「カレン民族解放軍従軍希望記」編』は全53回に、初海外取材の53日間(1999年12月15日~2000年2月5日)と1989年~2000年2月末までの戦場特派員エピソード(中・高・大・社会人・初海外取材の準備期間・初海外取材の事後処理期間)をギュウギュウに詰め込むから、こういう「1回4日」だ、「1回3日」だのまとめ回が必要なわけよ、中学時代で3回分(『第1回(第5稿)』、『第1回(第6稿)』、『第1回(第7稿)』)も使ったりするからさ)


*以下の4日間はすべて男一匹でいる風を装っていますが、当時のナオンが卒業旅行名目で一緒について来ています。まあ、そういう事実をふりかけつつ読めば、セックス風日記のハイ、一丁できあがり!

【1999年12月16日(木)】

●戦場特派員時間割
9:00 起床。
9:30 朝飯。
10:30 『The Residence Hotel(15年前はこんなじゃなかった気が)』チェックアウト。
12:00 『CHINA TOWN HOTEL(写真やHPが上手なのもある)』チェックイン。
13:00~ 昼飯、買い物、銀行。
15:00~ ホテルに戻り、昼寝。
21:00 晩飯。
5:00 就寝。

●戦場特派員家計簿(タイ通貨1Bが約3円)
100B―トゥクトゥク
650B-ホテル
10B-チップ
10B―屋台のやきとり
10B-パイナップル
20B-ケーキ
65B―昼飯
23B―水、ジュース
280B-晩飯
30B-ランプータン
 

●戦場特派員日記
 9時起床。9時30分、ホテルの食堂で朝飯バイキング。部屋に戻り、クソをして、パッキング。

 10時30分、チェックアウト。朝イチでホテルをお引っ越しなわけは、最初から一晩だけのお付き合いのつもりだったのさ。でもよう、前払いで大枚の1200Bも出してんだ、文句は言わせねえぜ。
 
 それに仕事柄、やたらと顔を覚えられるわけにはいかない。いくら身分を隠して、変装してるからと言っても、そんな素人じゃあるまい無防備に連泊を重ねるなんてありえないのさ。
 
 既にこのホテルの従業員はもちろん、昨晩のツゥクツゥクのドライバーや隣のレストランのおばちゃんにも顔を覚えられたはずだ。
 
 ホテルの部屋の電話は盗聴の恐れがあるので、ホテルの外にある国内用の青の公衆電話から電話を掛ける(あ、どうも、2014年の俺です。なんか15年前の1999年の俺がひとりでスパイゴッコを楽しんでて、すいません。しかも、ひとりじゃなくて、隣に女をはべらせてるんですけど、そういうこと普通わざわざ書かないじゃん、スパイって。まあ、スパイじゃないんで、書いたった。ちなみに、どこに電話したかは書いてないが、たぶん次のホテルを電話予約したんでしょう)。
 
 12時、バンコクの中華街、チャイナタウンにある『CHINA TOWN HOTEL』へトゥクトゥク (100B)に揺られて乗りつける。
 ちなみに、ツゥクツゥクの新たなドライバーに新しいヤサを覚えられたのはご愛嬌。
 
 ちなみに、一泊650Bだから日本円で2000円弱。だって、いきなり安宿は無理じゃん(2014の俺です、そりゃ、セックスするからね、ある程度のムードはアレでしょ。てか、この副音声いるか?)。そもそも「いやいや、初日からいきなり安宿とかありえないっしょ」って理由で取った初日のホテル(1200B)よりはかなりお安くなっております。
 
 ま、段々安くしてくもんだぜ、プロは。いきなりだと体、壊しちゃうから。体調管理も大事な仕事の内さ。自称プロ戦場特派員の仕事は多岐に渡るのだ。
 
 まあ、きっと最後の方は路上泊はもちろん、カレン族の難民キャンプに居候泊したり、カレン民族同盟解放軍に従軍したら当然ジャングル泊もあるわけで。
 
 でも、相部屋のドミトリーとかは絶対イヤー。ビンボー気取りの旅行者同士のいかに安上がりな節約をしているかなんて、しょうもないビンボー自慢合戦に巻き込まれたくないからね。
 というわけで、昨日のホテルと比べて、550Bの大節約(2014年の俺。まあ、名目上はナオンとホテル代を割り勘にしてたけど、最終的に帰国の際に巻き上げたから、この辺は実質タダ泊りだね)。
 
 逆に浮いた銭を使えるって寸法よ、イカンイカン。汗水たらして稼いだ金は1円たりとも、あ、1Bたりとも、無駄にできやしない。
 
 とにかく、早いとこタイ慣れしなくちゃな。だから今日は絶対チップなんて払うものか、俺はこの国にチップを払いに来たんじゃねえ、舐めるとやけどするぜと言う顔で、フロントから部屋まで荷物を運んだだけのボーイになぜかチップを(10B)…。
 
 13時、荷物を解く間もなく、ホテルの外へ。
 カメラ2台、レンズが3本、ビデオカメラが1台、バッテリー3つ、マイク、ライト、大量のフィルム、同じく大量のミニDVテープなどが詰まったカメラバックと三脚を背負う。

 これはホテル置きっぱにして盗難されるのを防ぐためと、炎天下に延々と重い荷物を背負って歩いてもへこたれない、トレーニングを兼ねている。こういうコツコツと積み重ねる地道な努力が後からジワジワ効いてくるもんさ(2014年の俺です。最終的にはシオ吹いちゃってました、カメラバックが、汗で)。

 バンコクはチャイナタウンの道すがらに買い食い。屋台のやきとり(15B)、肉だけでなく野菜や果物も取らなきゃ、串に刺さったパイナップル(10B)、フルーツ締めのデザートにケーキ(20B)(2014年の俺。この辺はまさに女が食いそうなアレですね、その通り!)。
 
 まるで南国にスイーツを楽しみにきたバカOLみたいだが、格の違いを見せつけてやるとばかり、別腹別腹というわけで、改めてまた肉と野菜炒めと目玉焼きを乗せたごはんとトムヤムクンスープでランチを(65B)。せっかく計40Bで昼飯を済ませたと思ったのにね、獲らぬ狸の皮算用。

 昼飯後、銀行で1万円両替、「1万円で3623バーツ」。「1万円で3609バーツ」だった空港の両替屋よりはレートよし。
 14バーツ、42円得した計算だ(やっててよかった公文式by2014年の俺)。
 
 銀行後、セブンイレブンにて、23バーツで水とジュースを買う。一番安い水ポラリスだっけは2Bか3Bだが、ちょっと贅沢して5Bの水を2本と、ジュースはセブンアップ(13B)。
 
 15時にホテルに戻って、昼寝。何か問題でも? 郷に入れば郷に従え、熱帯じゃ、みんな昼寝するもんさ。その代わりみんな朝早いんだけど、何もかもいきなり順応はできないから、朝寝坊さんはするけど、がんばって昼寝はするんだ(まあ、昼セックスもしたんじゃない、昼寝仕事をはかどらせるためにby2014年の俺)。

 素人目には遠回りしてるように見えるかもしれないが、急がば回れ作戦で英気を養うのも自称プロ戦場ジャーナリストの大事な仕事だ。だっていきなり無理して、身体を壊したら、元も子もないじゃん。そんな三泊四日の駆け足パックツアーじゃあるまい。まだまだ先は長い。もしかしたらこのままタイに住み込んじゃうかもよ。

 ま、アレだ、登山家が高山慣れするみたいなもんだから。まずはバンコクに慣れなきゃ。最低でも2ヶ月の長丁場なんだから焦っても仕方ない。チョモランマ登山だって高地トレーニングで体が慣れるまで約3週間。チョモランマより高い頂きを目指す、物見遊山だぜ、俺のは。
 
 21時、昼寝から起床。いっけね~え、やってもうた! 急いでディナー食べなきゃ。
 昨晩より11Bケチって、280Bでディナー(2014年のオレオレ。チャイナタウンだから、食ったのは中華じゃないかしら)。
 
 帰り道、デザートも忘れず、ランプータン(30B)を買い込んで、ホテルに戻って、さっそく夜寝(さっそく夜セックスby2014年の俺)。でも全然目が冴えて眠れない(もう終わったの?by2014年の俺)。なぜだろう、なぜかしら(早漏だからby2014年の遅漏の俺)。
 
 眠れないからって夜の街に繰り出して、夜遊びなんてしない。夜はマジメ派なのだ。昼は不真面目さん派だがな。デスコとかゴーゴーバーとかは不良が行くとこ。酒も女もギャンブルもやらない、ええ、今のところはね(まだ女がいたからねby2014年の俺)。
 
 5時頃、就寝(郷に入れば郷に従え作戦で一見うまくいったかに見えた、お昼寝作戦が完全に逆にアレだったね。タイ人がそろそろ起き出す頃合に寝やがって。でも、最初からうまくいくお昼寝なんてないから大丈夫。それにしてもタイに来て2日目にして、早くも昼夜逆転パターンか。バッカじゃなかろうか)。
 
○本日の出費、計算するの面倒臭いB。


【1999年12月17日(金)】

●戦場特派員時間割
10:00 起床。
10:15~ 朝飯。荷物整理。
13:30~ 昼飯、銀行、買い物、ネットカフェ。
18:30 一旦ホテルに戻り休憩。
20:00 晩飯、薬局。
2:00 就寝。
 
●戦場特派員家計簿(タイ通貨1Bが約3円)
650B-ホテル
8B-バス
32B-昼飯
330B-ネットカフェ
240B-フィルム
55B-マック
420B-半袖
20B-マムアン
52B-メータータクシー
175B-晩飯
104B-カミソリ
42B-イソジン
60B-のど飴
16B-ポケットティッシュ
80B-コンドーム(ビックマグナムサイズ)
2B-水
 
●戦場特派員日記
 10時起床。みんなが早起きしてる国で、猿マネッコして早起きするなんて愚の骨頂だ。みんなが疲れ果てた頃に起っきして、誰もいないところを元気に走り回る作戦いくぜ。今朝はそんな気分の5時間睡眠。

 10時15分、ホテルの2階でバイキング形式の朝飯。その後、延々と荷物整理。だって、せっかく650Bの部屋に連泊するんだから、バカ面してボッ~とただ泊まってたんじゃ損だ、大損だ、何度も何度も荷物整理くらいして少しでも元を取らないと(あの~、常に命を狙われている戦場特派員が連泊なんて自殺行為できるかネタは?by2014年の俺)。
 
 それに連泊すると荷物持ちボーイにチップを物欲しげな顔でねだられることもなくていい。今度こそ、今日を期にチップは払わない宣言(なるへそby2014年の俺)。

 13時30分、バス(8B)に乗って、肉と野菜炒めと目玉焼き乗せごはんの昼飯(32B)を食いに行く。

 のんびり食後すぐに3時のオヤツの時間になったのでマック(55B)へ(タイはバンコクにあるマックはどこもクーラーがよく効いていて、しかも自動ケチャップ器があって、無料でケチャップつけ放題だったのでいつもポテトは真っ赤かだった。たぶんこの頃からケチャマンも大丈夫になったんじゃないかしらby2014年の俺)。

 ネットカフェへ行き、インターネットでメールチェック(330B。初海外取材前にホットメールで初アドレスを作ったが、特に誰かと頻繁にメールのやりとりをするわけでもなかったはずなのに、なんのためにネットカフェに出入りしてたかまったく記憶にないby2014年の俺)。
 
 その後、ウィンドーショッピングを楽しむつもりが必要ない半袖(420B)買ってみたり、フィルム(240B)を購入してみたり(副音声の15年後の2014年の俺ですが、フィルムは大量に持って行って、肌身離さずカメラバックを常時持っていたはずだが、なぜフィルムを買ったかは今となっては迷宮入り。たぶん女のカメラ用に買ったのか? それとも『写ルンです』でも買ったのに、カッコつけて『フィルム代』と書いただけか)、屋台を冷やかすだけのつもりが果物のマムアン(20B)をつまんだり、最後の締めはやっぱ銀行強盗!
 
「US100ドルが3712B」。空港の両替屋よりレートよし、たぶん。何バーツか、つまり数十円分得した計算になるはずだ(しょせん公文式止まりby2014年の俺)。

 銀行帰りで気が大きくなり、メータータクシー(52B。初乗りは35B)に乗って、18時30分一旦ホテルに戻る。
 
 20時、ホテルの近くのタイメシ屋で、肉と野菜炒めを乗せたごはんとトムヤムクンスープと奮発して焼き魚で夕飯(175B)。

 食後、ゴホンゴホン。いきなり選手生命の危機が訪れる。なんと滞在3日目にして(実質まだ48時間しか経ってないが)、急速な成長ぶりのツケなのか大気汚染が凄まじいバンコクの空気のせいで完全に喉をやられたのだ。

 薬局でイソジン(42B)。ついでにのど飴(60B)。思い切って、ポケットティッシュも(16B。一応、大量のトレぺは持ってきてるけどね。トレペとオシャレに略したが、要はトイレットペーパーを大量に持ってきているが街中でそんなもん取り出して、いちいちクルクル出せるかい、ダンディな自称プロ戦場特派員の高級イメージが壊れる、イメージ戦略は大事だぜ)。

 まあ、薬局で無駄使い三昧に見えるが、確かに素人さんには予想外の手痛い出費に見えるだろうがココで下手にケチって、長期入院する羽目になったり、道端に倒れて強制送還を余儀なくされる最悪の事態を考えれば、捨て金ではない、明るい未来への先行投資だ。
 
 あの~、かっこつけ中及び、余計な出費がかさむところ、すいませんが忘れ物しちゃったので、カミソリ(104B)も一緒にいいっすか。男の子だって身だしなみに注意しなくちゃね(パイパンプレイに使ったかもby2014年の俺)。
 
 後、男子が注意することと言えば、やっぱコレだね、コンド~ム(80B。いやいや、使うとか使わないとかゴーゴーバーで女買うとかそんなこととは一切関係ないから。ま、お守りみたいなもんだ。伸びたり縮んだりする、ゴム臭いご利益ポケットつき、タプンタプン)(←サイテー!by2014年の俺は関係ない)。

 他には、いざと言う時にいつでもどこでもチンコをサッと洗い流すために携帯しておくエチケットってわけではないが、水(2B)。
 
 大事なことを言い忘れたが、さっきのポケットティッシュはあくまで鼻噛みようだからね。ちょっとナニ想像してたの、「天国イケたかい? もう俺抜きじゃいられない体になっちゃったな、おめでとう」って言いながらザー汁拭くとでも? もうエッチなんだから、このド助平!(なかなか戦場始まらないねby2014年の俺)

 21時30分、ホテルに戻る。ふぅ~、疲れた、今日も一日よく働いた。
ふと気付くと極限の疲労のあまりか、あまりにも無警戒に部屋の扉の前にボケッと鍵を持ったまま突っ立ってしまっていた、言葉を変えれば、なんかおったっちゃってたよ。
 
 とにかく油断大敵だ。気を引き締め、すぐさま戦闘態勢を整える(ま、好きにやらせてあげよ、他にヤルことはセックスくらいしかないからby2014年の俺)。
 
 扉の向こうの様子を第六感で探りつつ、鍵穴に入れた鍵をソッと回す。一呼吸置いて、ドアノブを軽く握り、ゆっくり扉を開ける。最低限の隙間から部屋に入りこみ、素早く電気をつける。

 部屋の隅々まで目を走らせる。外から狙撃されない死角の位置から窓の外をのぞき、すぐさま移動し、扉越しに廊下の気配を伺う。

 よし、異常なし。四六時中こんなに気を張り詰めていたら、長丁場はもたないと分かっているがやめられない。体が勝手に動いてしまうのだ。フッ、完全に不治の職業病だな。 

 気分転換も仕事、仕事と自分に無理矢理言い聞かせる。さっと辺りをうかがい、カバンの奥底から日本から密輸した白い粉の入ったビニール袋を素早く取り出す。

 さ、今宵もかる~く一発決めますか。気持ちよく、キレ~イに、かつ豪快にジャブジャブとお洗濯しなきゃ、ああ、忙し忙し。
 
 あ~、きっくぅ~。低くて狭い洗面台でゴシゴシ洗濯物を洗ったり、ゆすいだり、絞ったりと変な格好でかがみすぎてたから、腰が超痛い。
 
 これも職業病の一つだから仕方あるまいと腰痛をなだめながら、部屋干しトップ戦場特派員。
 明日の朝には乾いているといいな。

 バンコク入りして早3日目、まだ自称プロ戦場特派員っぽい活動は傍目には洗濯以外していないが、逆にこの落ち着きある洗濯活動こそがなんかベテラン戦場特派員っぽくね? ホントはバリバリ新人さんなのに。
 
 まあ、タイ慣れ、バンコク慣れもこの三日間で順調にきたはず。予定通りゴホンゴホンになったし。さあ、これくらいの体調不良はへっちゃら、明日から本格的にお仕事、取材スタートだ。
 
 2時、寝る前にイソジンして、ちょっと風俗行ったみたいでなんか得した気分に浸りながら、ひとり寝(ふたり寝なby2014年の俺)。
 
○本日の出費、計算するの面倒臭いB。

 

【1999年12月18日(土)】

●戦場特派員時間割
8:00 起床(ヨッ、早起き名人!)。
8:30~ 朝飯。荷物整理。
11:30 チェックアウト。
12:00~ フォアランポーン駅のツーリストガイドでホテル探し。
13:30 『The Best Bangkok Hotel』チェックイン。
15:30~ 昼飯。伊勢丹の紀伊国屋で買い物。昼マック。
18:30 晩飯。
19:00 就寝(ヨッ、早寝名人!)
 
●戦場特派員家計簿(タイ通貨1Bが約3円)
250B-ホテル
60B-メータータクシー
40B-昼飯
632B-『指差しタイ語』
35B―昼マック
67B―晩飯
18B-コンビニ(ファミマ)
 
●戦場特派員日記
 8時起床と早起きは三文の徳コース。更に起きるなり、イソジン効果か「さあ、今日からマジメに仕事するぞ~」と全身にヤル気がビンビン漲る。
 
 あ、もちろんソッチの仕事って言うか、朝勃ちの話じゃないけど、ソッチもいい仕事しまっせ~(ソッチの仕事ばっかねby2014年の俺)。

 ほ~ら、喉の調子も回復気味だ。いくらでもインタビューしまくれるヨ・カ・ン!
 
 8時30分、ホテルの2階でバイキング形式の朝飯。
 
 11時30分、チェックアウト前にウンコをして最後の元を取りながら、「あ、今日はサタデーじゃん」と気付く。

 このそこそこリッチホテルから、まずはバンコクの国連難民高等弁務官事務所(UNCHR)に電話取材し、最新のカレン族の難民キャンプの生情報を仕入れようと思っていたが、つまり土日じゃお仕事できない。

 
 やっぱ格安航空券だから、毎週水曜と金曜しか便がなかったのだから仕方ない。クソ、せっかく水曜の便で来たのに、のんびりバンコク慣れなんてしなければ…。
 
 でも、バンコク慣れしなきゃよかったって案には反対だ。何度でも言う。バンコク慣れも仕事の内だ。登山家が高山慣れするようなもんだから。登山家は仕事じゃねえけど、ま、コッチだって厳密にはまだ仕事じゃねえけどな(コッチも~by2014年の俺)。
 
 そこまでバンコク慣れにこだわるなら、そもそも最初から金曜の便で来て、土日にバンコク慣れをしとけば、週明けの月曜からバリバリ伝説だったかしら。でもそういう都合の悪い過去は一切振りかえらないぜ(やだ、カッコいいかもby2014年の俺…)。
 
 とりあえずビジネスマンにも休息は必要ってことで処理しつつ、この有り余る元気を土日でもできる仕事に有効活用しようじゃないか。そう、土日にも唯一できるビジネスと言えば、気分転換を兼ねたホテルチェンジのみ。もう働き蜂さんなんだから(昭和の男ねby2014年の俺)。
 
 12時、節約と節約とチャイナタウンからほど近い、バンコク中央駅こと、フォアランポーン駅まで歩く。いや、マジでクソ暑い。汗はダラッダラで滝のようにジャージャー。ホントこの国の気候はバカなんじゃないだろうか。仕事じゃなきゃ、こんな炎天下歩くもんか!
 
 ゴ、ゴホンゴホンゴホン。どうやら汗で流れたのかイソジン効果が切れてきたみたいだ。こんな思いまでしてこの駅まで来たのは、ツーリストガイドがお目当てだ。
 
 ココで自称プロ戦場特派員の豆知識を大披露!
 ツーリストガイドでホテルを予約すると、同じホテルでも一番安く泊まれる。ま、仕組みはよく知らんがな。
 
 その証拠に、『地球の歩き方』に750Bと書いてあったホテルが、ツーリストガイド経由で予約したら、自慢するわけじゃないがなんと250Bに!
 つまり500Bの大儲け! 額に汗して、足で稼いだおかげです。

 更に昨日のホテルより400Bも安いわけだから、合計900Bもゲット気分!
 タイ滞在4日目にして、順調に日々落ちぶれている感があるのは気のせいだろうか。
 
 気のせい気のせい、この調子で順調に行けば、明日は更に500B安いホテルに泊まるはずだから、-250Bのホテルっていうか、これじゃあ、ホームレスホテルじゃん。

 蛇足ながら、本日のホテルは今までと違って朝食抜きの値段。でもいいの、だって明日の朝食はいらないからね。
  なぜならば、土日だからっていつまでもこのまま、何もしないままじゃいけない。

 というわけで、浮いたお金、例の大儲け分900Bを先行投資し、さっきのツーリストガイドにてついでに水上マーケットツアー(500B)を申し込んできたばかりホカホカさんだ!
 
 なぜかコチラは『地球の歩き方』に書いてあったのの倍くらいのお値段。安くなるのはホテルだけなのかしら。
 だから、う~ん、引き分けだな。
 
 ちなみに伏線だが、駅の中のツーリストガイドに向かう途中、駅構内にて名札をつけた案内人みたいのに案内されるがまま、駅の外に出て、駅裏手のゴチャゴチャしたところにヒッソリとある民間の旅行代理店みたいなツーリストガイドで諸々の手続きをしたよ。

 こういうことは覚えておいて損はしないよ。得も一切しないけどね(それもそのはず、一応耳より最新現地情報風だけど、あくまで15年前の最新情報だから。2014年の俺がお送りしました)。
 
 13時30分、駅からメータータクシーに乗り(60B、メーターを戻して貰わないと、前の客が払った数字からスタートするマジックを披露される、されたね、また2014年の俺でした)、駅とすぐ目と鼻の先にある『The Best Bangkok Hotel』にわらじを預ける(は~い、またまた、15年後、2014年の俺だよ。15年前、1999年の俺はわらじを預けるなんて書いてるけど、これには深いわけがある。初海外取材にプライベート用の本をそう何冊も持って行くわけにはいけない。遊びじゃねえんだからな。日本だとなかなか読み終わらない本を持っていこうと、『東海道中膝栗毛 上・下巻』を持っていったのだ。その影響に違いない。じゃあ、また後でね)。

 ココで成功体験のお知らせです。
 ついに「荷物持ちボーイにチップを払わず」達成! 何も知らないバカな日本人のフリが功を奏したようだ。ゴホンゴホン。
 
 15時30分(30分単位できっちり行動しているようだが、時間はだいたいだ)、きっちり荷物を解いて、バンコクのオシャレ街にある伊勢丹に買い物に出掛ける。
 
 バンコク慣れと交通費節約のため、かなりの距離をまたもフラフラと炎天下の中を歩き続ける。
 これが後に…ゴホンゴホンゴホン。
 
 ようやく1時間以上歩いて、サタデーヌーンフィーバーと言えば、やっぱデパートでウィンドーショッピングじゃん。大都会バンコクには伊勢丹もそごうもあるのだ(1999年時点ではね。今、2014年はどうなってるか知らねえなあ、俺はタイ人じゃねえし)
 
 屋台で肉と野菜炒め乗せごはんを頼んで昼飯(40B)。伊勢丹に入っている本屋、紀伊国屋書店で『旅の指さし会話帳 タイ語』(632B)を買う。日本で買うより6、700円くらい高い気が…。
 
 この本は先達のジャーナリストにいいと紹介されたが、教えて貰った書名が実際とは微妙に違っていて日本では買えなかったのだが、タイにきたら、きっとコレだとピンときたわけ。
 
 また昼マックでオヤツ(35B)。店内のキンキンに冷え切ったクーラーを浴びながら思う。
 嗚呼、喉だけじゃなくて、体がダル重ッ~、節々が痛い、ダウン寸前。
 こりゃ、絶対にバカみたいに炎天下をブラブラ歩いて日射病か熱中症か単なる風邪に。
 しかも朝、回復気味だった喉も完全に再悪化。ホント体調を崩したのが仕事のない休日の土日でよかった、まさに不幸中の幸い、週休2日制万歳!
 
 夕飯用にタイ飯のオカズ乗せごはんをテイクアウト(67B)。てか、ココまではいちいちタイ飯のホニャララ乗せと書いてきたが、これからはテイクアウトしようがしまいが、どの店に入ろうが入らまいが、基本的に食べるのは皿に盛られたタイ米の上に肉と野菜炒めと目玉焼きを乗せた代物と、気分によってそれプラストムヤムクンを食べたり食べなかったりするだけだから、もうさコレは食い物ブログじゃないんだから、イチイチ書かないから、タイ飯で昼食って書いてあったら、「ははん、また肉野菜炒めと目玉焼き乗せごはんとトムヤムクンだな」とピ~ンと来てね。
 ちょうど病人でヘロヘロで余計なことできないわけだし。
 
 コンビニのファミリーマートで水やジュースを大人買い(18B)。ちなみにホテル替えの最中に、命の次に大事なイソジンを失くしたか忘れたか何か取材のソースかと疑われて盗まれたかしたので、薬局で新しいイソジンとシップ(92.5Bも! 田園調布に家が建つ!)。
 
 そんなことよりシップ? シップの怪、シップの謎解き。コレだけは言おうか言おまいか散々迷ったが、炎天下を延々と歩き、暑さと風邪で頭が朦朧としていて道の段差でこけて、足を軽く挫いたのだ。俗に言う、ザ・公傷だ。労災おりるかなあ。

  嗚呼、既にタイに来て早4日目にして満身創痍である。ま、コレも職業病だから仕方ない。激務の疲れが溜まっていたところに、休日出勤で必要書類をわざわざ購入しにきたわけだから。
 
 正直、これほどの激務とは思わなかっただろ、自称プロ戦場特派員のお仕事って。のんびり悠々自適なノマドなスローライフと勘違いすんな!
 
 18時30分にはホテルに戻る。門限厳守の箱入り娘みたいな理由は明日は朝イチから例の水上マーケットに行くからだ。
 
 ああ、喉痛いし、体ダルダルだからたぶん熱中症に風邪トッピングで、挫いた足も痛いし。ああ、もう超面倒臭い。
 
 しかし、取材のヒントはどこに眠っているか分からないし、意外なところに手がかりがあるやも知れない、例えば水上マーケットツアーとかね。
 仕事のことを考えたら、すぐに眠くなって、19時には就寝。(おつかれさん、疲れ果てているんだから、ムリしない。明日は朝から水上マーケットツアーだしな。いい夢見ろよ、アバヨby2014の俺)。
 
○本日の出費、計算するの面倒臭いB。


【1999年12月19日(日)】
●戦場特派員時間割
 今日はヒ・ミ・ツ!(単なる3日坊主ですby2014年の俺)

●戦場特派員家計簿(タイ通貨1Bが約3円)
 だからヒ・ミ・ツって言ってんだろ!(だから単なる3日坊主ですby2014年の俺)

●戦場特派員日記
 朝6時、悪夢で目を覚ますと俺は不良になっていた。さあ、どっからでもかかってこいの体調不良番長だ!
 
 喉、体の節々とどこもかしこも最低最悪、昨日公傷扱いになった挫いた足も熱を持った感じに絶賛悪化だ。

 オシッコだけして、もう気絶という名の二度寝。その後、かすかな記憶で「後1分だけ~」の連続を繰り返した気がしつつの6時間後、12時過ぎに何度寝目からようやく起床。

 煙草を吸いながら、「そういや、今日は水上マーケットツアーだった」と思い出すも、完全に水上マーケットには大遅刻の時間だ。
 
 ミズった! 水上マーケットだけにね。
 あのね、水上マーケットの水とミスをかけて、ミズったってダジャレを言ったんだよ、今。
 ハイ、ダジャレ説明は以上!

 後は「覆水盆に返らず」でしょ、「水の泡に消える」に、「水に流してつかわさい」で。
 
 でも、大遅刻じゃなくても、とても水上マーケットに行けるような体調じゃないな、こりゃ。
 ツアー会社に欠席電話しても今更、金は戻ってこないだろうし、時間も返ってこないし、もう間に合わないから、水上マーケットをサボって、一日中寝ることにする。
 
 せっかく水上マーケットのツアー代に大枚500Bも払ったのに…。でも捨て金じゃない、将来の布石、未来の投資だと思えば安いものだ。明るい未来明るい未来明るい未来、よしっ!
 
 しかし、この水上マーケットの屈辱は決して忘れまい。末代まで呪ってやる。かならずや仇を討ってみせる。と盛り上がったところでまたおねむさん。今日の作戦は、果報は寝て待て作戦だ。

 そんでもって目を覚ましたら、もう夕方じゃ~ん。ああ、腹減った。一日が台無し、いや、完全休養日ってことで。

 その仕上げにホテルから飛び出し、タイ飯で17時の朝飯(27B)を食って精をつけることにする。すぐさま、今度は昼飯に取り掛かる。ああ、忙し忙し。屋台の焼き鳥(20B)をつまみに、グレープフルーツっぽいソムオー(10B)、青臭くって超まじぃココナッツジュース(10B)を浴びるように飲む。

 吐きそうになったので、別腹でお馴染みのココナッツケーキ(20B)とペプシ(25B)でお口直しの3時のオヤツ。
 
 ちなみにココ、バンコクは押し売り天国。大金持ってカモになりにきたようなもんだ。これもなんかの試練だと思うことに。
 最初は10倍くらい吹っかけてきて、3回くらい首を横に振り続けると十分の一の値段になるが、それでもボラれている感がありあり。
 
 街角で見かけた、水上マーケットのポストカード(50B)を買ってしまう。
 このいじましくて女々しくも男らしい男心に惚れるなよ。
 
 さあ、お次はそろそろディナー食べなきゃ。腹がいっぱいで苦しいので、メータータクシー(54B)に乗りこみ、ちょいと足を延ばしてタイ飯で夕飯(45B)を食べにいく。
 
 何かが大きく間違っている気がするが、確かなのはキチンと三食食べたのに喉、風邪、足が明らかに悪化中なことだけ(もう現われないかと思った? どうも隠れん坊好きの2014年の俺です。なんかプレスカードをラミネート加工(40B)と記載してあるが、一切記憶がない。そんなプレスカードは15年後の今にはもちろん残ってないし)。
 
 夕食後、セブンイレブンで夜食を買い込む(7B)。
 まあ、それくらいの出費なら太っ腹な俺は気にしないが、もはやイソジンだけでは飽き足らず、薬局で風邪薬(92B)と追加ののど飴(60B)ともなるとかなり痛い出血大サービスだ。
 
 こんなにも取材に関係ないものを日々買い込むと早晩、破産の恐れあり。まだ5日目なのに(内2日は土日で動けず)、なぜ~♪
 
 ま、体が資本なんだから仕方ないさ。そう言うとなんか体目当てみたい、自分の。
 
 24時に夜食も食べたら、特にもう食べるものもないので就寝。
 
○本日の出費、計算するの面倒臭いB。

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