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個人ではじめた日本グミ協会を続けるウェブ施策と熱量~「長く続くコミュニティ」のヒケツとは? #CMCHUB 極私的イベントレポート vol.3

3人目のトークゲストは日本グミ協会の武者慶佑さん。

お名前はいろいろなところで拝見しておりましたが、何をやってる人か知ったのはここが初。「日本グミ協会」……?

ちなみに、ここに書かれている「First Bite…」というのはグミの説明のようですね。
あのプニプニした「グミ」です。食べられる可愛いヤツです。

トークテーマは「SNSにおけるグミニティ形成と赤字経営」。

グミニティ=グミ+コミュニティですね。

会場には、ピュレグミでお馴染み「カンロ」の方もいらっしゃったようです。
エクスキューズで笑わせるあたり、プレゼン玄人ですね。

本業はアニメコンテンツマーケティング/プランナーだそうです。
アニメのプロモーションをするのがメインのお仕事。

以前は、広告制作会社やソーシャルメディアコンサルティング会社にもいらっしゃったそうで、プロモーションのプロの方。

そんな方がプライベートで運営しているコミュニティが、日本グミ協会。
コミュニティと言っても、基本的には1人で運営しているそうです。

名前を見れば何となく想像はつきますが「日本グミ協会は100円で売ってるコンビニグミのボトムアップを目的に設立・運営しております。」だそうです。

SNSのフォロワーは多く、インスタが5,800人、Twitterが6,200人!
お一人で運営されているアカウントでこの数字は凄いです。

グミ協会は会員制度を設けているそうで、会員数は55人。

TBS「マツコの知らない世界」やNHK教育「Rの法則」などのメディアにも「グミ」のテーマで出演されてきました。


人を信じない!

そんな日本グミ協会を1人で引っ張る武者さんによるコミュニティを続けるヒケツ。

その1つ目は!

「人を信じない!」

コミュニティを続けるために、人を信じない?

まさかです。

でも、その後の説明を聞いて納得。

人を信じずに、自分一人でできることだけをやると。
それは絶対にできると。
だからこそ、継続できる、と。

もの凄く説得力がある説明です。自分次第ですからね。
「日本グミ協会に入りたい!」や「支部に入れて!」などの申し出がTwitterなどを通じて来るそうですが、基本的には無視しているそう。

その他にも人を信じないからこその具体的な施策がたくさん。

まず「物で釣る」。

9月3日(グミの日)を盛り上げるためのプロモーション企画では、投稿してくれた人にグミ(=物)を渡すことで投稿数を増やしたと。


次に「お金を払う」。

「グミ写真展」(名前だけでは内容の想像がつかないですが…w)開催の時は、プロに撮影してもらった写真を展示したそうです。


熊でも釣ったそうです。

ハロウィン×グミの企画の時は、武者さんご自身が熊の着ぐるみでサンプリングを行ったとか…。

手段を選んでいない感じが凄いです。


でも人の承認欲求を満たす

いきなり「人を信じない」という意外な切り口からはじまりましたが、ヒケツの2つ目は正統派。


人の承認欲求を満たす、と。


なんと、Twitterの日本グミ協会関連ツイートには2015年2月から全レスしているそうです。
メンション、ハッシュタグ、エゴサーチ、全部。ひとりで。

「マツコの知らない世界」出演時は、恐ろしいほどのツイートがあったそうですが、全て何らかのアクションをしたと。

テレビに出てる人からレスが来るという嬉しさもあるそうです。

過去のツイートによるタグクラウドを見ると「ありがとう」が圧倒的に多いそうです。感謝の気持ちを伝えることが大事なんですね。

人がされたら嬉しいことをする→喜ばれる→また反応してくれる の良いサイクルが回るんですね。

良い話だー



それを言っちゃオシマイですw

でも、確かに、嬉しいことされたら「なんか嬉しいことでお返ししなきゃ!」って犬みたいにしっぽ振っちゃうかも。

そうすると参加数が5倍に増えたと。
「マツコの知らない世界」出演による注目度アップをそのまま維持したんですね。
凄い努力。

承認欲求を満たす方法は他にもあって、「ブランド化して承認する」もその1つ。

ロゴを入れた有名実業家ハヤカワ五味さんデザインのTシャツをつくったり、ハヤカワ五味さんと一緒にゴミ拾いするイベントを企画したり。(ハヤカワ五味さんと仲良しだそう)


ちなみに、ロゴの下に書いてある「Don't forget the April 12, 2016」の2016.4.12というのは、「マツコの知らない世界」放送日だそうですw

他にも、武者さんのお仕事のつながりで、声優さんやアーティストさんの知り合いが多いので、有名な田代智一さんやLISAさんなどがハッシュタグつけて投稿してくれたり。

勝手にグミ協会をプロフに入れる有名人が出てきたり。
ロゴを全面的に出して、スイーツファクトリーやピュレグミとのコラボなども行ってきたそうです。

さらには「GUMMIT」というプロジェクトまで。
GUMI+SUMMIT(サミット)ですね。
グミを発売する各社のマーケターさんを集めて、毎月、商品開発の会議をしているそうです。毎回、それぞれのグミ会社内で行われているとのこと。
(もう「グミ業界のドン」と言っても過言じゃないところまで…w)

オフ会イベント「グミパ」も日本全国で開催してきたそうです。
参加人数多そうですね…!
グミパの開催を通じて、多くの人をつないできたとか。
勝手に支部長を名乗る人がいて、その人が勝手にグミパを運営してくれるパターンもあるそうです。


グミライフラインチャート

これまでの流れです。

わかりやすいですね。

毎日グミを買うことは継続し、自主グミイベントを行い(会場代、グッズ代など自分持ち)、SEO対策(これも自分持ち)しつつ仲間を増やす…と。

出費が凄いです。

ただ、テレビ番組やラジオ出演、メディア執筆でギャラがもらえたり、メーカーさんとコラボしたグミの日の企画で数万円もらえたり…と、収入もそこそこに。

「赤字でグミニケーションの形成」ですよ。
もうおわかりかと思いますが、グミニケーション=グミ+コミュニケーションですね。
赤字を出しながら、様々なコミュニケーションを通じて、グミニケーションを最大化していると。

結果、ほぼ赤字だけど、趣味だからOK!素晴らしい!

「シュミニティ」良い言葉ですね~。

ということで、恐ろしいテンションの高さと面白さで武者さんのプレゼンは修了しました。


ウェブコミュニティを運営している人にとってはメモしたいこと盛り沢山の内容だったのではないでしょうか。

笑えるのに、しっかり役に立つ。
プレゼンのお手本のような素晴らしい発表でした。
(今までの人生の中で一番グミに興味をちました)

つづく