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【2017上半期カルチャー振り返り】2017年1月スタートTVドラマ星付け

3ヶ月に1度、数多くのTVドラマがはじまるドラマ大国ニッポン。
ですが、その中身は玉石混交。もの凄く面白いものもあれば、残念なものも数多くあります。「何かドラマ観たい!でも、全ては観られないから誰かオススメしてくれないかな…!」なんて人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、ほぼ全てのTVドラマの初回をチェックしている私、イワサキが、2017年上半期に観たTVドラマを振り返りつつ、既にはじまっている番組を含め、2017年下半期にはじまるTVドラマの期待度を星付けします!

と言っても、全てのTVドラマを紹介するのもアレなので、印象に残ったドラマのみピックアップします。

星付けのジャンルは下記の通りです。

【作品力】→原作含む作品としての面白さ
【脚本力】→脚本の面白さ
【演出力】→演出の面白さ
【配役力】→キャスティングの面白さ
【背景力】→原作・脚本・演出・配役以外の面白さ

【総合力】→総合的な面白さ

ちなみに、昨年末、話題になった「逃げるは恥だが役に立つ」の場合はこんな感じです。

【作品力】★★★★★
【脚本力】★★★★☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★★★☆
【背景力】★★★★☆

【総合力】★★★★☆

個人的に最近、観直した中でのベストTVドラマ「それでも、生きてゆく」の場合はこんな感じ。

【作品力】★★★★★
【脚本力】★★★★★
【演出力】★★★★☆
【配役力】★★★★★
【背景力】★★★★★

【総合力】★★★★★


では早速、2017年1月スタートのTVドラマから!

■2017年1月スタートのTVドラマ

カルテット

【放送局・時間】TBS・火曜22時
【キャスト】松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平...
【脚本】坂元裕二
【演出】土井裕泰、金子文紀、坪井敏雄
【原作】なし
【音楽】fox capture plan
【主題歌】Doughnuts Hole(松たか子・満島ひかり・高橋一生・松田龍平)「おとなの掟」(作詞・作曲:椎名林檎、編曲:斎藤ネコ・椎名林檎)
【プロデューサー】土井裕泰(チーフ)、佐野亜裕美
【概要】夢が叶わなかった30代男女4人を主人公にしたヒューマン・ラブストーリー。それぞれの境遇から軽井沢に集った4人が共同生活を開始、自身の人生について見直していく。

【作品力】★★★★☆
【脚本力】★★★★★
【演出力】★★★★☆
【配役力】★★★★★
【背景力】★★★★☆

【総合力】★★★★☆

【コメント】2017年1月スタートのTVドラマで話題性としては一番の作品かもしれない。坂元裕二さんによる脚本の力が最も大きいが、配役も抜群。メインキャストだけでなく、吉岡里帆という新たな才能も発掘(それ以前に「あさが来た」「ゆとりですがなにか」などでも注目されていたものの今や主演を務めるほどに)したり、サンドイッチマン富澤、Mummy-Dなど他の脇役にも強い印象が。背景力として大きいのは音楽。特に主題歌「おとなの掟」も大きな話題に。

ホクサイと飯さえあれば

【放送局・時間】TBS・火曜25時28分
【キャスト】上白石萌音、池田エライザ、前田公輝...
【脚本】土城温美、北川亜矢子
【演出】宝来忠昭、柴田啓佑
【原作】 鈴木小波『ホクサイと飯さえあれば』
【主題歌】 HY「HAPPY」
【プロデューサー】森谷雄
【概要】同名グルメ漫画を実写化。上京一人暮らし主人公が、謎のぬいぐるみ”ホクサイ”と共にこだわりの自炊レシピを披露していく。

【作品力】★★☆☆☆
【脚本力】★☆☆☆☆
【演出力】★★☆☆☆
【配役力】★★★☆☆
【背景力】★★☆☆☆

【総合力】★★☆☆☆

【コメント】「君の名は。」で注目を集めた上白石萌音の主演作。出て来る料理は美味しそうに見えるものの、物語としての魅力はなく。上白石萌音と池田エライザのじゃれ合いを観るためだけに観ていたのに疲れ、途中で断念。

住住(すむすむ)

【放送局・時間】日本テレビ、火曜25時29分
【キャスト】二階堂ふみ、バカリズム、オードリー若林
【脚本】バカリズム、オークラ、安部裕之
【演出】住田崇、橋本和明
【原作】なし
【主題歌】Enjoy Music Club「そんな夜」
【プロデューサー】吉無田剛、大内登、岩崎広樹(Hulu)
【概要】バカリズム脚本のシチュエーションコメディ。二階堂ふみ、バカリズム、若林が本人役で出演、もしもこの3人が一緒のマンションに住む仲良し3人組だったら...という設定で話が展開される。

【作品力】★★★★☆
【脚本力】★★★☆☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★★☆☆
【背景力】★★☆☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】バカリズム脚本のTVドラマは見逃すこと無く見てきたものの、今までで最も意表をつかれる設定。素のようでいて、実際はかなり計算された演技をしている。オードリー若林が出演したのは、素に近い演技が求められたからこそでは。音楽の使い方を含め独特の世界観を持つ住田崇監督とバカリズム脚本のコンビの今後に期待。

東京タラレバ娘

【放送局・時間】日本テレビ・水曜22時
【キャスト】吉高由里子、榮倉奈々、大島優子、鈴木亮平...
【脚本】松田裕子
【演出】 南雲聖一、鈴木勇馬、小室直子
【原作】東村アキコ「東京タラレバ娘」
【主題歌】 Perfume「TOKYO GIRL」
【プロデューサー】加藤正俊、鈴間広枝、鈴木香織(AXON)
【概要】30独身女子のリアルを描くラブコメディ。「〜できタラ」「〜できレバ」と言い続けは30歳を迎えた主人公の悲哀をコメディかつ辛辣に綴る。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★☆☆☆
【演出力】★★☆☆☆
【配役力】★☆☆☆☆
【背景力】★★☆☆☆

【総合力】★★☆☆☆

【コメント】原作ファンでもあったので実写化と聞いて喜んだものの、まさかのキャスティング。脚本にも驚きはなかった。タラとレバの具現化や声のキャスティングには面白さを感じたものの、途中からはながら見に。

就活家族〜きっと、うまくいく〜

【放送局・時間】テレビ朝日・木曜21時
【キャスト】三浦友和、黒木瞳、前田敦子、工藤阿須加...
【脚本】橋本裕志
【演出】 秋山純、落合正幸、常廣丈太
【原作】なし
【主題歌】林部智史「晴れた日に、空を見上げて」
【プロデューサー】船津浩一、下山潤
【概要】就活をテーマにしたホームドラマ。とあるきっかけから一家揃って就職活動することになった家族が、それぞれの立場から就活を通じて「働くとは」「生きるとは」を問うてゆく。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★★☆☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★☆☆☆
【背景力】★★☆☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】テーマ自体は興味深く、最初の方は楽しく見られていたものの、途中から登場人物の考えと行動が素っ頓狂な方に向かってしまったためについて行けず。途中で断念。

お母さん、娘をやめていいですか?

【放送局・時間】NHK総合・金曜22時
【キャスト】波留、斉藤由貴、柳楽優弥、寺脇康文...
【脚本】井上由美子
【演出】笠浦友愛、佐藤譲、大橋守
【原作】なし
【主題歌】 サラ・オレイン「Little Doll」
【プロデューサー】櫻井壮一(NHK名古屋放送局)
【概要】「母と娘」をテーマにしたサスペンス・ホームドラマ。相思相愛だった母と娘の関係をかき乱していく娘の彼氏を巡る愛想劇が繰り広げられる。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★★★☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★★☆☆
【背景力】★★★☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】斉藤由貴の狂気が光る一作。母に依存する娘という現代性を描きつつ、サスペンス要素で楽しませる。単に良い人役の柳楽優弥は久々に見た気がする。

バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~

【放送局・時間】テレビ東京・金曜24時12分
【キャスト】遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研…
【脚本】 松居大悟、ふじきみつ彦、宮本武史
【演出】 松居大悟、横浜聡子、竹村謙太郎、守下敏行
【原作】なし
【音楽】佐藤洋介
【主題歌】10-FEET「ヒトリセカイ」/竹原ピストル「Forever Young」
【プロデューサー】浅野太(チーフ:テレビ東京)、濱谷晃一(テレビ東京)、田辺勇人(テレビ東京)、浅野敦也
【概要】名脇役おじさま6人を主役にした異色のコメディドラマ。6人それぞれが本人役で出演、シェアハウスで3ヶ月の共同生活を送り、その日々をドキュメンタリーチックに描いていく。

【作品力】★★★★☆
【脚本力】★★☆☆☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★★★☆
【背景力】★★★☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】出オチみたいな作品だったものの、何も考えずに観られるので、ついつい最後まで観てしまい。一応の謎解き要素はあるものの、単なる装飾に過ぎず、基本的にはおじさま達のじゃれ合いを楽しむ作品に。松居大悟、横浜聡子といった映画畑の監督を起用したことも光る。

山田孝之のカンヌ映画祭

【放送局・時間】テレビ東京・金曜24時52分
【キャスト】山田孝之、山下敦弘、芦田愛菜、ムロツヨシ...
【脚本】 竹村武司(構成)
【演出】山下敦弘、松江哲明
【原作】なし
【主題歌】フジファブリック「カンヌの休日 feat. 山田孝之」/スカート「ランプトン」
【プロデューサー】大和健太郎(CP)、藤野慎也、山本晃久
【概要】山田孝之が本人役として出演するドキュメンタリードラマ。カンヌ受賞のため映画制作を始めた山田孝之と山下敦弘(映画監督)による奮闘劇を描く。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★★☆☆
【演出力】★★★★☆
【配役力】★★★★☆
【背景力】★★★☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】脚本も演出も何もあったもんじゃないように見えるが、ドキュメンタリー風に見えてしっかり作り込んでいるし、しっかり演技している。「山田孝之の東京都北区赤羽」同様に商業映画の山下敦弘監督とドキュメンタリー映画の松江哲明監督という絶妙なコンビが、山田孝之の狂気をエンタテイメントに。

空想大河ドラマ 小田信夫

【放送局・時間】NHK総合・土曜23時35分
【キャスト】ネプチューン
【脚本】前田司郎
【演出】大原拓
【原作】なし
【音楽】上野耕路
【主題歌】なし
【プロデューサー】中村高志
【概要】ネプチューンの3人が主演する歴史ドラマ。戦国時代、時の有名人、織田信長と似た名前を持ってしまった小大名・小田信夫を主人公にしたコメディ劇。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★★☆☆
【演出力】★★☆☆☆
【配役力】★★☆☆☆
【背景力】★★☆☆☆

【総合力】★★☆☆☆

【コメント】五反田団の前田司郎脚本ということで期待して見始めたものの、あまりのふざけっぷりについて行けず。LIFEなどのコント番組の延長という印象。

銀と金

【放送局・時間】テレビ東京・土曜24時20分
【キャスト】池松壮亮、リリー・フランキー、村上淳、マキタスポーツ..
【脚本】山岡潤平、根本ノンジ
【演出】古厩智之、中前勇児
【原作】 福本伸行
【音楽】諸橋邦行
【主題歌】amazarashi「ヒーロー」
【プロデューサー】松本拓、倉地雄大、北川俊樹
【概要】「カイジ」や「アカギ」で知られる漫画家・福本伸行原作を実写化。ギャンブル性の主人公が裏社会のマネーゲームに参加、悪vs悪の心理戦に挑む。

【作品力】★★★★☆
【脚本力】★★☆☆☆
【演出力】★★☆☆☆
【配役力】★★★☆☆
【背景力】★☆☆☆☆

【総合力】★★☆☆☆

【コメント】原作とキャスティングに期待値が高かったものの、脚本の杜撰さと演出のしっくり来ない具合から、観るたびに気持ちが冷めていき。こんなに演技が不自然な池松壮亮とリリー・フランキーは初めて。もったいない。主題歌も苦手。

A LIFE〜愛しき人〜

【放送局・時間】TBS・日曜21時
【キャスト】木村拓哉、竹内結子、浅野忠信、松山ケンイチ...
【脚本】橋部敦子
【演出】平川雄一朗、加藤新、木村ひさし
【原作】なし
【音楽】佐藤直紀
【主題歌】B'z「Still Alive」(VERMILLION RECORDS)
【プロデューサー】瀬戸口克陽、東仲恵吾、植田春菜(協力P)
【概要】キムタク主演の医療×ラブストーリー。過去トラブルから日本を離れ、米国で外科医として腕を磨いていた主人公・沖田。10年ぶりに日本に帰郷し、かつて勤務していた病院で10年越しとなる愛想劇に巻き込まれていく。

【作品力】★★★☆☆
【脚本力】★★★☆☆
【演出力】★★★☆☆
【配役力】★★★☆☆
【背景力】★★★☆☆

【総合力】★★★☆☆

【コメント】キムタク×医者というキムタク主演ドラマの空いたピースを埋めるような作品で、期待以上でも以下でもなく、想像したままのキムタクドラマ。脇役も豪華で、面白くならない訳もなく、そこそこ面白いのだけれど、そこまで印象に残らない作品。

以上。

次回は、2017年4月スタートのTVドラマについて星付けします。


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