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身体の中で廃棄する考え

先日、凍結物の廃棄等の件について書いてみました。

人によっては、どのように凍結物を捉えているかは千差万別です。
それによって取る行動も違います。

生殖医療に関わる医療者は、少なくともドライなばかりではなくて、
受精卵や精子や卵子はとかく倫理的な面も感情的な面も持ちながら扱っています。

今回紹介したいのは、その中での特殊な廃棄の仕方があることをしったので、その内容です。

この論文を見ていて学んだのですが、米国では、
胚の破棄、胚の提供、または継続的な凍結保存のオプションが望ましくないと考える患者にとって、Compassionate Transfer(思いやりのある移植)は、別の利用可能な処分方法です。

思いやりのある移植は、ASRM によって、妊娠の可能性が非常に低い場所または時期に、妊娠が意図された結果ではない場合に、潜在的に生存可能な胚を体内に移植することと定義されています。

つまり、妊娠しない時期に、妊娠しない意図をもって、胚移植しますので、当然妊娠はしないということになり、身体の中で受精卵を止めてあげるということですね。

日本人の感性にあうかどうかは別として、このような方法があるということは知っておいても良いのかなと思います。

凍結物が増えることで、悲しいけれど、凍結物をめぐるトラブルも増えていくことが予想されます。

医療者も患者さんも「契約」をしっかりと確認し、書類をサインする時には十分に内容を確認するようにしてほしいと思います。


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