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不妊治療中の方の感染症対策について インフルエンザ、コロナ、RSウィルス

インフルエンザについて

コロナ禍が過ぎたものの、現在も様々な感染症が流行の兆しを見せています。
従来から、この時期の感染症の代表例であったインフルエンザがその筆頭です。

本来は冬シーズンのみで終わるはずのインフルエンザが、ほぼ年中流行しているような状況で、9月には、東京都含む数県で例年よりも早い「注意報」が発表されるなど、異例の事態になっていました。

これは様々な説がありますが、
1) 社会的にかなり高い水準で行われてきた感染症対策が一斉に緩んだ
2)感染症対策の結果としてインフルエンザに対する免疫が失われたこと
3)検査によって補足される数が増えたこと

が考えられます。
特に3)については、インフルエンザはもちろん、RSウィルスなども、これまで季節によっては、検査を行わずに単なる風邪と診断されていたものが、検査を行うようになったことで補足されているので、流行しているというよりは可視化されただけ、という要素もあるということです。

実際に、日本よりも早く感染症対策をやめた米国でも、昨年の感染者数は過去10年で最も多かったとする報告されています。

RSウィルス

また、今年はRSウィルスも感染拡大が報道されていました。
お子さんがいらっしゃる方はご存知かもしれませんが、RSウィルスは主に1歳〜2歳の乳幼児がかかる、呼吸器系の感染症として認知されていました。

ただ、高齢者の罹患者数も思いの外多く、肺炎などの呼吸器系の症状もこのウィルスによって引き起こされている例も少なくないことが、近年わかってきています。

そのためワクチン接種が勧奨されています。
最近では妊婦向けのRSウィルスに関する製造販売が許可された旨のニュースがありました。

使用が了承されたのは、アメリカの製薬会社ファイザーが開発したRSウイルス感染症のワクチン「アブリスボ」です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231128/k10014270581000.html

妊婦の方が接種することで、生まれてきたお子様がRSウィルスに感染するリスクが低下する効果が期待されます。

ワクチン接種やマスク着用などの基本的な感染症対策は、車で言うシートベルトのような役割です。
事故が起こるかどうかはわかりませんが、実施しておくことで救える命があるのも事実です。

不妊治療をされている方にとって、妊娠・出産を安全に迎えることができるかはとても大事なことです。

誰かに強要されるようなことではありませんが、ご家庭の方針と医療機関のコメントをすり合わせながら、安全な治療を心がけたいものです。

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