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ポケモン剣盾のサントラを聴く

2024年2月27日、「ポケットモンスター ソード・シールド」、「Pokémon LEGENDS アルセウス」、「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のBGMをそれぞれ収録したサウンドトラック3種が同時発売されました。特に剣盾についてはゲームが発売されたのが2019年の11月ですから、4年3か月経ってようやくの発売になります。5億年待った…

当時プレイした時に感じたことを思い返しながら、サウンドトラックを聞いて改めて私が思ったことや気づいたこと整理しました。一応注意点として、剣盾本編のネタバレを含むので、未プレイで気にされる人は注意してください(未プレイでこの記事を読む人はあまりいないとは思いますが)。

作曲者の顔ぶれ

プレイしている当時から一之瀬さんの作曲っぽいのが多いな…とは感じていましたが、いざ作曲陣を見てみると、本編の音楽はほぼすべて一之瀬剛さんと足立美奈子さんの2人によって作曲されています。2人というのが結構すごくて、さかのぼると金銀の2人体制(増田順一・一之瀬剛)を最後に、基本的には3人か4人で制作されています(例外としてBW2の新規曲はほぼ一之瀬剛・佐藤仁美の2名によるものですが)。また、UNDERTALEで有名なToby Foxさんが1曲だけ参加されています。ゲスト参加のような位置づけだと思います。DLCの音楽からは作曲陣に佐藤仁美さんと増田順一さんが加わります。

観客を巻き込んだ演出

まず述べるべきはジムリーダー戦をはじめとする声の演出が入った曲ですね。最後の1匹になると曲が変わる演出はBWのジムリーダー戦でもありましたが、BWのものが完全に別の曲に切り替わるのに対し、剣盾ではジムリーダーの口上とダイマックスに合わせてシームレスにドラムロール→応援コールと続いており、最初にこの曲を聴いたときは観客と一体となった演出に感動しました。

ガラル地方ではポケモン対戦が競技スポーツ化しており、スタジアムでサッカーを観戦するかのようにポケモン対戦を観戦する文化があるという設定をうまく生かしているように感じます。観客の声はかなりの曲に使われていて、スタジアムでの戦闘曲には大抵声が含まれています。一番歓声がデカいのはやはりチャンピオンダンデ戦で、イントロのメロディーに食い気味にヤァァァァァァ!という歓声が入っていて笑いました。

ザシアンとザマゼンタ

ガラルの伝説ポケモンを象徴するフレーズは2つあり、どちらも序盤に訪れる「まどろみの森」で提示されます。1つ目は前半に登場するタタタラタッという短く印象的なストリングスのフレーズで、2つ目は後半のメロディラインで使われる狼の遠吠えのようにも聞こえるサウンドです。これらのフレーズはガラルの伝説が絡む場面にちりばめられています。個人的にはムゲンダイナ戦(決戦!ムゲンダイナ)の開始15秒くらいのところが特に好きで、メロディのバックに狼の遠吠えサウンドが使われています。仮にゲーム画面を見ていなかったとしても「あ!ザシアン・ザマゼンタが来てくれたんだ!」というのがわかってしまうようなアクセントですね。

DLCの音楽

前述したように、DLCでは佐藤仁美さんと増田順一さんが加わるため、本編とはまた異なる色の曲が出てきます。特にキャラクターのテーマを担当している佐藤さんが顕著で、佐藤さんらしいポップでキャッチーなメロディが楽しめます。

増田さんは主にバドレックス関連の曲を担当しています。サントラのブックレットにて、作曲者コメントとして増田さんによる戦闘曲の解説が書かれているのですが、音楽用語を交えつつかなり細かく解説されています。こういった作曲者コメントが見られることがサントラの良いところですよね。個人的にはこれらの戦闘曲でルビサファ〜ダイパあたりで頻繁見られた「めちゃくちゃ激しいティンパニ」が出てくるのが嬉しかったです。

個人的に取り上げたい曲

霧の中で

序盤にまどろみの森でザシアン・ザマゼンタと戦うときに流れる曲です。基本的にはまどろみの森後半部分のアレンジととらえることができますが、ゴリゴリの一之瀬アレンジがかかっています。メロディがのびやかなフレーズなので荒れ狂うベースが余計に目立つ、いい意味でバカみたいなアレンジがクセになります。

キルクスタウン

雪の町らしい鍵盤とアコースティックギターの伴奏にマンドリン?の美しいメロディが組み合わさった曲になっています。アコースティックな弦特有のキュッという音もそのまま含まれていて味わい深い…。

10番道路

かなり勝手な解釈ですが、ダイパの216番道路をガラルに持ってきたらこうなるんだろうなと思ってます。後半部分の驚きがたまらないです。サントラだと10番道路→シュートシティの流れで連続で聴けるのがいいですね。

戦闘!バトルタワー

Toby Foxさんによる作曲です。全体を通してもこの曲だけ異質というか、同じサントラに入っていないと同じゲームの曲だとは思えないような曲で、雰囲気にしても音源にしても全く異なるように聴こえます。ただ、ポケモンの音楽ではないかというとそういうわけでもなくて、ルビサファっぽい音源がちょくちょく使われていたりと、なんとなく古き良きポケモンらしさも含まれているような気がします。今思えばこの時のToby Foxさんのゲスト参加は次回作の音楽への伏線だったんですね…。

みずの塔

私はウーラオスを連撃の型に進化させたのでゲーム上ではこちらを聴きました。みずの塔内で流れる曲でもあり、塔内の戦闘曲でもあります。フィールドと戦闘曲が変わらないというのが特徴的です。シンプルにかっこいい。


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