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ゴジラについての断片的かつ鮮明な記憶。

最初の記憶はおそらくVHSの「キングコング対ゴジラ」。親父が映画館で観た最初のゴジラ映画ということもあり、レンタルビデオ屋さんから借りてきてくれたのだろう。
ジャングルを背景に浮かび上がる真っ赤なタイトルと、伊福部昭氏の音楽には未だに血沸き肉踊る。高度経済成長期真っ只中の明るく楽しい作品ではあるけれど、ゴジラとキングコングがいよいよ対決するという場面では異様な緊張感がみなぎっており、手に汗握ったのを覚えている。その後大人になり、「ゴジラvsコング」を親父と劇場に観に行った。なんだか夢が1つ叶ったような気持ちになった。

ムービーモンスターシリーズを使用したデジラマ

最初に映画館で観たのは「ゴジラvsキングギドラ」だった。とは言っても本当の映画館ではなく、近所の市民会館だった。小学生だった姉が校門前で配られていた割引券をもらってきて、当時まだ保育園に通っていた僕を連れて一緒に観に行った。嬉しくて堪らなかったのか、途中の道で食べたバニラとチョコの2種類の味が楽しめる「おとぼけくん」というアイスや、市民会館の売店で「スピン」という車輪のような形のスナック菓子を買ってもらった記憶など、鮮明に覚えている。
冒頭の、海底に沈んだキングギドラの死体からのド派手なタイトルバック、さらにそこからUFO飛来という超絶かっこいい冒頭から引き込まれ、タイムスリップ、恐竜、戦争、ターミネーター、怪獣対決、さらにロボットまで、こんな僕らの大好きなものをてんこ盛りにされて満足しないわけがない。未だにゴジラBEST3に入れてしまう。

ムービーモンスターシリーズを使用したデジラマ
ビオランテも好き。

そこから平成vsシリーズが終わってしまうまで、毎年ゴジラを観に行った。今の小学生がどんな感じかわからないけど、当時僕のクラスのほとんどの男子はゴジラのことが大好きだったし、女子のほとんどがモスラの歌を唄えていた気がする。小学館のてれびくんやコロコロコミックに新たな敵怪獣の写真が載れば、みんなで考察しあったし、「オール怪獣大進撃」(僕も鍵っ子だったので、未だにゴジラ史上最も共感した作品)に憧れて学校の帰り道にある、廃墟に忍び込んだりしていた。

ムービーモンスターシリーズを使用したデジラマ
バトラ最高

平成vsシリーズで特に好きだったのが、「人間ドラマ」ならぬ「怪獣ドラマ」が展開されたこと。「ゴジラvsモスラ」あたりから、モスラとバトラの間に絆のような表現があった。そして決定的だったのが「ゴジラvsメカゴジラ」に登場したベビーゴジラ。彼の登場によって、懸命に戦うゴジラとラドンの姿に親心を見て、一気に感情移入できた。この2体に同時に感情移入できたのは「地球最大の決戦」以来だろう。その怪獣ドラマは「ゴジラvsデストロイア」のあまりにも美しいゴジラの最期によって頂点をむかえた。

デアゴスティーニ 東宝怪獣コレクション
デストロイアの完成度に驚愕

その後のミレニアムシリーズももちろん全て観ているし今でも大好きだけど、途中で中学生に上がってしまい、ゴジラは一旦卒業して北野武やタランティーノ、キューブリックや小津などと出会って、怪獣少年から映画少年に変わってしまった。

その後まさか自分が大人になって、また怪獣ソフビを買いはじめ、写真を撮りまくり、YouTubeチャンネルまで開設してしまうとは夢にも思わなかった。そしてありがたいことに、ハリウッドの「GODZILLA」や「シン・ゴジラ」によってゴジラは完全復活を遂げ、最新作「ゴジラ-1.0」はアメリカのアカデミー賞でノミネートまでされるなど、嬉しいニュースがずっと続いている。この状況をかつて怪獣少年だった自分に伝えてあげたい。

ムービーモンスターシリーズを使用したデジラマ
日本アカデミー賞最多8冠!おめでとうございます!!

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