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放課後ランプ【毎週SS】

「日直、ホームルーム終わったら進路希望職員室まで持ってきて」
無慈悲なおつかいを宣告された。

どの世界にも締切を守らない奴というのは必ずいるという
お約束も相まって、結局職員室に届けたのは最終下校時刻間際だった。

戻ってくると案の定教室には誰もおらず、
ただ西日差し込むその一角に1つのランプが置いてあった。

自分の机の中心に、堂々とした立ち姿の黒いランプだった。

「誰のだよ。勝手に置くなし」
ランプをどかそうと、取ってに手をかけぐいと持ち上げる。

「重っ!」
金属製とはいえ、その大半は細みの丸棒である。
その見た目からは想像もつかないほどの重さで、
机はおろか教室の床にまで張り付いているとさえ思えた。

「何やってんだ、お前」
こういうタイミングの悪い時に通りかかるのが
担任という生き物なのだろうか。

「えっと、いや、これは」
「それ理科室にあるやつだろ。ちゃんと戻してから帰れよ」
弁明する間も与えず、担任はバスケ部の待つ体育館へと消えていった。
(410文字)


久々にゆっくりできるGWかと思いきや、
溜まってたタスク消化にあっという間に時間が過ぎていく。

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