録画しておいた「きのう何食べた？」を妻とみています。夫婦ともに原作をずっと読んできていたし、キャストが原作どおりでとても楽しんでおります。小日向さん以外のキャストは完璧としかいいようがなく（小日向さんの配役は、きっとあえてガチムチを排除したのかなぁと思うのですが、なんででしょうねぇ）、文化的な雪かきをする日々での僅かな楽しみです。

　で、先週末に「第9話」のナポリタンの回を視聴したのです。いやはや、ナポリタンが美味しそうだった、というのは、そのとおりですが、ナポリタンを夫婦で見ていて、昔の記憶を思い出したのです。

　もう随分と前で結婚する前のことですが、色々な事情があり、妻が数ヶ月ほど海外にいたことがあります。帰国するということになり、空港に妻を迎えに行き、住む場所やあれやこれやが揃うまで、ということで私の部屋に転がり込みました。それはそれで個人的には嬉しかったわけですが、かえって来た、まさにその日の晩に、夜中に起こされました。曰く

　「時差ぼけで寝られない」
　「お腹がすいた」

　と宣うのです。こちとら実験でヘトヘトなのに、ものすごい理由で寝入りっぱなを起こされたのです。数ヶ月ぶりの再開とは言え、疲れていたし、眠いものは眠いし、自分は無視して寝てしまいました。しかし暫くして、まだ同じ理由で起こされました。肩をゆさゆさとされて。さすがにちょっとイラッときたのですが、数ヶ月ぶりの再開の日にいきなりくだらないことで喧嘩をするのもどうかと思った私は、そのまま無言で夜中にキッチンへ行き、パスタを茹でて、これでもかというぐらいのこってりしたナポリタンをたっっっぷりと作って、無言で差し出して、また寝たのです。

　で、妻曰く「あの時のナポリタンは本当に美味かった」そうです。私は食べていないけど。たぶん眠いまま勢いにまかせて作ったので、味見もしてないし、全てが目分量で適当でこってりと出来上がったようですが、それが、どうも美味しかったらしいのです。料理の神様でも降りてきたのかなぁ。もし、あの時ナポリタンを作らなかったら喧嘩になっていたかもと想像すると、私はあのナポリタンのおかげで結婚できたのかもしれないと思ったりもします。料理の神様に感謝。

　ちなみに、私が大好きなナポリタンはいわゆる「昔ながらの喫茶店のナポリタン」で、コッテリとしたやつです。イノダコーヒのナポリタンは美味いっすね。最高ですね。

　そして妻とドラマを見てもう今はなくなってしまったお店を思いだしました。何度も何度も通っていた喫茶店のナポリタンがとにかく最高に美味かったのです。ナポリタンとピラフをハーフ＆ハーフで盛ってくれるランチメニューが大好きでした。エルビス、シカゴ、ビートルズといった60〜70年ごろの洋楽が流れていて、妻とも何度も通った店です。懐かしいなぁ。リーゼントの格好いい店長、どうしてるかなぁ？

　ドラマをみて、夫婦で昔話をして、ちょっと幸せな週末でした。ちょっぴり元気になったように思います。良いドラマを作ってくれたテレ東に感謝。