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中学校の公教育の場で動物実験根絶を目指す団体が講演をする意義とは?

 知り合いから、下記のページが「どう思う?」というコメントと共に送られてきた。

 タイトルからすれば、穏やかなものだが、この講演を行った団体は、その名をJAVAという。この団体は動物実験の「廃止」そのものを求めている。

 私が恐ろしいと感じたのは、次の部分だ。

「講演内容は、「意外と身近な動物実験」というテーマで、まずは動物実験が私たちの日常生活にとても密接に関わっているという説明から始めました。実験に使用される動物の種類や頭数、動物実験の内容やその残酷さ、科学的根拠に基づいた動物実験の問題点を述べ、動物実験に代わる代替法の紹介や、動物実験をなくしていくためにはどうしたらいいかなどの対策を話しました。」(上記HPより)

 上記の講演に対する私見を述べる前に、私の動物実験に対する立ち位置を明らかにしておきたい。私は科学者である。科学者として<現在においては>必要な動物実験は行われるべき、というよりも必要であればせざるを得ないのではないか?という立場であるが、その使用は最小限度にすべきだと考えているし、動物実験で得た成果は論文として社会に還元されるべきであろうと思う。また、将来的に必要でなくなれば、科学的に代替出来る何かが担保されたのであれば、動物実験をしなくても良いと考えているし、そのような時代がいつか来るであろうとも感じているが、少なくても今ではないだろう(まだ、やや時間がかかるであろう)と思っている。

 さて、上記のJAVAが行った講演の内容は、果たして「中立的であるべき公教育」に当てはまるだろうか?「廃止ありき」という団体の意見には動物実験の「必要性」そのものを論じる資格はない。そのような団体の意見は動物実験の科学性や必要性に対して中立的とはいえない。科学的根拠を訴えていたとしても、必要性に対する科学的根拠は全て見てみぬふりをする。廃止ありきなので、自分たちに都合の良いものばかりをとりあげる。そのような偏った目的を持った団体が中学生を対象に講演をするのはいかがなものだろうか?もはや洗脳行為としか言えないのではないだろうか?しかも、上記のJAVAは政治活動を積極的に行っている。政治家に働きかけをして、動物実験を根絶させようとしている。

 この講演が行われたのは、都立高である。東京都の教育委員会は、この内容を是としているのだろうか?実際に講義を受けた中学生の大部分が下記のアンケートが示すように「動物実験反対」に傾いているようである。

「感想を集計した結果、最終的に「動物実験に賛成」が2名、「動物実験に反対」が53名、「動物実験の賛否に中立」が6名でした。また21名が「講演を聞いて気持ちが変わった」と答え、13名が「この事実を周知したい」と意思表示をしてくださいました。」

 私は上記のような状況の仲で「賛成」を表明した2名はすごい、と思うが、このアンケート結果が示すのは中学生という段階において、動物実験の反対をすり込むという業の深さだ。動物実験が果たしてきた科学的な成果や現代医療への貢献を説明せずに、一方的に動物実験の負の面だけを見せるというのは、本当にこの国の未来のためになるのだろうか?この国の未来を背負うであろう若者達に、このような一方的な視点の講演を聴かせることに、果たして意味があるのだろうか?

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がのたるっぱ

大学教員/理系/男性/ 夢も愚痴も語れる場所を失ってしまったので、もうネットの中にしか本音を語れる場所がないんだと思う。いろいろな所に作っては消してを繰り返し、たどり着いたnote。アンニュイな日常。文化的雪かき。

コメント2件

いつも興味深い投稿をありがとうございます。
この学生たちが大学へ進学し、どの研究が信頼できるのかを自分で判断できるようになることを切に願います。
コメント、ありがとうございます。科学的な素養のない方にとっては「動物実験反対」は「動物虐待反対」と同義になってみえてしまうんだろうと思います。このあたり「二つの文化」の再燃であり、「科学リテラシー」教育の重要さなんだと思います。しかし、2名はしっかりと自分の意見を持っている方がいるんだなと感心しました。
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