過失と誠意のあわいで

 私はしがない一学徒であるから兎に角貧乏である。貧乏であるから、様々な副業に身を窶している。尤も、近頃は身を窶し過ぎており、肝腎要の学問に精を出すことが出来ていないのが何よりの悩みの種である(このnoteもまた、私の副業の一つである。読者諸賢におかれては、まだお読みになられてない私の他の記事の内で御興味の惹かれるものを御購読頂き、御読み頂ければ幸甚である)。ここでお話しするのはそんな副業先の一つで最近起こった出来事についてである。

 私は、所謂発達障害、ADHDの傾向が非常に強い人間でもある。遅刻する、落ち着きがない、兎に角ケアレスミスが多い、物や書類などを忘れたり紛失したりする、気分が乗らなければ思考に靄がかかったようになって何も手に付かない。数えればきりが無いが、こうしたことが仕事をする際に重大な影響を及ぼすことは疑いないことである。要するに、普通の人(所謂定型発達の人)が難なく出来るようなことを、「完璧に」するのが私には至難なのである。このことが、又一つ問題の引き金を引いてしまったのである。

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