サムネ

【せかくま#7】 「くみぐま」流行でなく定番に

前回のせかくま
【せかくま#6】 「くみぐま」誕生

くみぐまの描く未来はどういうものなのだろうか。

「くみぐまはあくまでも仲介するツールであって、プラットフォーム。人によって、役割も使い方も異なってくる。オリジナルパーツを作ってくれる企業の人だったら、自社をPRするメディアにも、実際に売ったら商品にもなりうる。百貨店とか地方の道の駅、駅ナカのような場を運営する人だったら、その場を賑やかにするもの、お客さんを喜ばせるもの。子どもたちからすると、ただ集めて遊ぶ、ただ組み立てて遊ぶもの。そんな世界を実現できたら、くみぐまは産業になれるし、そこまで行って初めて完成だと思っている」

横山はくみぐまを通して、「流行ではなく、定番をつくりたい」とも言う。

「例えば、場をつくるときの選択肢の一つとして、くみぐまやろうよとなればいいと思う。バカ売れしたいとかいう気持ちはなくて、定番になってくれれば。今はクマのぬいぐるみだけど、時代に合わせて違う形に進化していってもいい」

我楽田工房での「くみぐま展」以降、デザインフェスタや東京おもちゃショーに出展。来場者からも上々の反応を得た。そうした活動の甲斐もあって、くみぐまを活用したい地域・企業が現れて始めているという。

「くみぐまを場づくりに活用するところまでは、我楽田工房やITの世界でやってきたことの延長戦上で、ああすれば、こうなるよねというが見えていた。今後の課題は、これをここから事業化していくところ。いよいよ予想の難しいところに突入していく。そんな中、『やりたい』と言ってきてくれている人がいるというのはすごく嬉しい」

横山には最近、感極まるシーンがあった。それはくみぐまをきっかけに実現した西武池袋本店とのコラボの話だ。

「くみぐまに参加している墨田区の3つの企業の商品を、くみぐまと一緒に展示販売する企画が8月に西武池袋本店さんで決まりました。その西武さんと、墨田区の企業3社と僕たちで打ち合わせをした。これってすごいことで、くみぐまを中心に、作り手と売り手がつながり、新しい市場が生み出されようとしている瞬間なんです。間違いなく、くみぐまが生んだ場づくりですよね」

動き出したくみぐま。西武池袋本店での「すみだ x くみぐま展」は大盛況に終わった。

《くみぐま》https://kumiguma.com/
《我楽田工房》http://garakuta.tokyo/

世界に愛されているクマで、人と地域をつないでいく話
#1 企業、作り手が集う「くみぐま」誕生の背景
#2 なぜIT企業がぬいぐるみを作ったのか
#3 「場づくり」から着想したぬいぐるみ
#4 プラットフォームとして「誰もが参加できる仕組み」を
#5 事業化のきっかけとなった長野遠征
#6 「くみぐま」誕生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?