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那須どうぶつ王国で猫観察三昧のGWを過ごしたことについて。

GWを利用して「那須どうぶつ王国」に行ってきた。

「おっ」と思ったきっかけはスナネコのニュース番組。砂地に生息する猫がいるのかという好奇心が湧いた。動画を漁っていたら、確かに砂地と岩場ばかりの場所で有毒な蛇と戦うスナネコの様子が見つかった。犬のように舌を出して懸命に呼吸を整えながら、根気よく戦う姿が凛々しかった。

そんなスナネコが見られるのは、私が調べた時点では日本で二箇所。近い方は那須どうぶつ王国だった。

だが、最初は「行きたいな」と思いながらなかなか決断できず、日々を過ごすだけだった。

ためらった理由は一つ。調べてみると近くに鉄道の駅はない。何処ぞやからバスが一日に何往復かしているようだった。

私の旅行はほぼ鉄道がメインに座っている。妥協してバスを使うこともあるが、なるべく使いたくないという謎のこだわりがある。

昨年のちょうど同じ時期、石川県の能登島を訪れた。その時は目的地まで鉄道は無かった。バスさえも二時間ほど待たないと来ない。そんな状況にあって、私はタクシーを利用した。バスが嫌ときたらタクシーはもう屈辱ものだ。

が、利用してみたら意外に悪くない旅になった。むしろ楽しささえあった。

その時に乗ったタクシーの思い出はそれこそ一つの旅のエピソードとして紹介できるものだ。

本筋ではないのでまたの機会にする。

そして、今回の旅行。私はもう全てのこだわりを投げ打ち、一日目の旅程をレンタカーでこなすことにした。

ここまで車に乗るのを避ける動きをしているが、実は持っているのだ。運転のライセンスを(ゴールド)。何なら自家用車も持っている。昔は営業職みたいなのに就いていて車通勤もしていた。

ならば、旅行は初めから車で行けという話になるが、私の旅は写真撮影と共にある。運転しながら写真は撮れない。さらには運転中はよそ見が出来ない。旅行では何気ない景色や建築物にもストーリーを見出すものだ。きょろきょろしたいし、何よりウロウロしたい。故にこれまで車旅行を避けてきたのである。

今回はそのこだわりすら捨てた。

那須どうぶつ王国に猫を見に行く。その欲望に全てのこだわりを投げうった。

猫を全てに優先したのだ。

この那須どうぶつ王国で見られる猫は、「マヌルネコ」、そしてかの有名な砂地に生息する「スナネコ」である。

現地入りするまでにおぞましい渋滞に心をすり減らす。「猫で癒されよう……」と思ったが、さすが大人気ネコ。待機列が出来ている。他の動物ではあり得ない。

…………。


寝てる。


ヒョウもいる。こいつも広義では猫だ。でかい猫だ。

憂いを帯びた寝姿である。


ツシマヤマネコもいるようだ。

くるりと丸くなって、がっつり寝てる。

マヌルネコ……!

寝て……る?


いや、これは分かったぞ。休日に布団の中でYouTube観てる俺と同じ感じの状態なのだ。いつ二度するか分からず、いつ起き出すかも分からない。

猫の語源は「寝る」から来ているらしい。あと、こういった狩りをする動物は、いつでも餌にありつけるとは限らないので、エネルギーをセーブするためによく眠るらしい。

那須どうぶつ王国は猫だけじゃない。犬もいる。しかもレンタルできる。どういうことかと言うと、犬と一緒に園内を散歩してもらえるのだ。してもらえるのである。

しかし、私の旅は写真撮影と共にあるのでまたの機会にする。

ペンギンが好きで、いつだったかふと旅の予定が狂い、何となくモヤモヤした気分の時に近くに水族館があって、そこで一日過ごすとなった時があった。

その時に半日くらいペンギンを見ていた。そのうちにどれだけこいつらを眺めていても飽きないのに気がついた。別に派手な動きをしないし、興味深い点が幾つも見つかる訳でもないが、写真を撮っていると落ち着く。

撮られている方はたまったもんじゃないだろうけど。縦で撮っても横で撮っても綺麗に画面に収まる。あと、動かないので撮りやすい。

動かないと言えばこの鳥。

ハシビロコウ。有名だけれど実物は初めて見た。彫像のように動かない。大体、野生動物が動きを止めるのは、隠れている時か待ち伏せしている時と相場が決まっていて、ハシビロコウは後者にあたる。獲物を取るために待ちのスタイルをとっているのだ。

那須どうぶつ王国には少し離れたところにファームも備えており、そこでは鳥や羊といった動物と触れ合ったり、馬やラクダに乗れる。

高原の開けた場所でバードショーもやっている。ワシやフクロウが滑空する様を間近で見られるのは貴重な体験だった。イルカショーやアシカショーは何度も見たことがあるが、飛び回る猛禽類は滅多に目撃できないだろう。

大抵の動物園で鳥は檻に入れられている。だから、飛ぶ姿を見られたのは相当特別だ。

写真なんて撮れたものじゃない。ハヤブサも現れたが、肉眼でもしっかり観察するのは難しい。

アメリカの国鳥としても知られる、白頭ワシ。握力は80キロ。私よりも強い。

とか考えていたが、80キロと紹介された時に、全ての白頭ワシが同じ握力を持つのだろうかと考えた。違うだろう。中には虚弱な白頭ワシもいるはずだ。人間にも個体差があり、鍛えている人とそうでない人では随分違う。

ちなみに私はとあるスポーツをやっていたので、今でも握力は強い。長く続けていたからか、もう競技から離れているにもかかわらず、今でも一般よりは強い部類に入る。

でも、きっと全人類はそのスポーツをやるために進化の過程を辿っていないだろう。これからもその片鱗を見せることはないだろう。現時点でオリンピック競技にもなっていないのに。

だとしたら、もしも人間がどこかの動物園で紹介されるなら、握力はきっと私よりも低い値で紹介されて、私は特異個体として注目を集めるのだろう。

やってて良かった、剣道。

ところで、話は那須どうぶつ王国に戻るが、このファームエリアと、ネコとかペンギンのいるエリアは距離が割と離れている。そのため、移動のためのバスが行き来しているのであるが、これがやはり並ぶのである。GWの性である。並ぶのもう嫌! よろしい。それならば、散歩道を行ってもらおう。

その道を行くならば、もうそれはハイキングである。注意書きもされていた。ごくごくごくごく稀にクマも出るようだ。

クマ(野生)。動物園の管轄にない動物だ。怖い。

疲れるし、時間もかかるので、帰りはバス列に並ばせていただきました。並んでいた時間はかなり短かったので、正解はこっちか……。でも、別に正解を選ぶばかりが旅ではない。正解を知った時に得る喜びも旅であれば、何が正しかったのか永遠に抱え続けるのもまた旅だ。

それからも那須をぐるぐると車で回らせていただいたが、ぶらぶらと歩くのとは違った旅の醍醐味を味わえた。でも、やはり鉄道の旅が恋しくなる。

鉄道に乗るだけの旅。

広島や愛媛では敢行した。どちらも路面電車があったからだ。次の旅は路面電車のある街もいい。

はたまた、全旅程をレンタカーで巡るのも悪くはないだろう。暑い夏なんかは特に。それがきっと最善の選択肢。

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