人の過去ってマジで興味ないんだが。

高円寺を早朝に歩いていると、まだ火のついたタバコの燃え殻がジュウジュウ言いながら道で燃えていました。このタバコの寿命、その儚さを見つめながら、眠いな、とか思っていたのです。寝ました。

昨年あたりから、新卒で過ごした出版社では何をしていたの?という質問を受ける機会が増えました。理由としては「どんな人か知りたいから」だそうです。その度に、「大変陳腐な人だな」と思いながら、口を動かすのも億劫なので「はあ、まあ」と言いました。次に会った時は、高3の模擬試験の偏差値をこちらから聞いてみようと思います。どんな人か知りたいので。

過去の栄光にすがる人は、人間として一番嫌いですが、昔何をしたかを聞きたがる人も嫌いです。あなたに話したところで、人事評価はあがりますか?あがりませんね。得はありますか?いえ、まずわたしには人徳がありません。ポートフォリオを見せろと言われれば見せますが、それは仕事の相手に限りたいものです。

私は、社会に出た後の、人の過去に興味はありません。別にどこで何をしていたってどうでもいいです。自分から話すのを聞くのは別として、わざわざ聞こうとは思いません。もちろん、過去と現在は地続きで繋がっていますが、話をしているのは「目の前にいる現在のあなた」で、その眼前にいる人が「今何に興味があるのか」に大変興味があります。地続きと言いますが、この刻々と進む時間の中に生きる現在の思想や興味、作っているもの、作り損ねたもの、自分だけがおもしろいと信じている企画、そういう「今」を切り取って聞いてみたいのです。わたしたちは過去を持ち出すことで、作為的に現在の姿と繋げるような思考になってはいませんか。別に大手でも中小でも外資でも黒服でも何でもいいじゃないですか。どこで何をやってきたかだなんて。何を作ってきたかなんて。

新卒から雑誌をずっと編み、自分で取材して記事を書き、たまには書籍もやったらと言われて見よう見まねでタレント本、レシピ本、健康本、人文っぽい本を年間5冊くらい作っていました。最後に作ったのは500ページのレシピ本で、三週間くらいさまざまな料理人とカメラマンさんと現場にこもってひたすらお腹を空かせていました。その次の版元で、しっかり力を入れて作った書籍は減ったものの、毎年何かしらかを作っていました。で、今は新聞社でデジデジしています。まだ時期は決めかねていますが、紙の版元に移籍して今後はずっと紙の書籍を作り続けます。もう「デジタルエディター」はやらないでしょう。だから今、デジタルを楽しみながらやっている。ずっとやる仕事ではないと割り切っていることが、デジタルの楽しさを倍増させてくれます。っていうライフプランを大学の終わりくらいから考えてこの業界に入ったので、まあまあ、プラン通りに進めているような気もします。

とにもかくにも、現在、そして未来に思いを馳せたい身としては、「昔何を作っていたの?」という質問は、おじいちゃんになってからしてくださいと思うものです。

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ありとうだにょ!!!
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岡本尚之

1989年生まれ。編集。誰の役にも立たない雑な文を書きます。

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