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【最終レジェンド】14弾環境におけるNDでのジャイアントについて

皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。デュエプレチームNASA所属、副リーダーのがりしあです。
今回は、私が2022年6月開催のランクマッチ「ディアボロスZカップ」NDにて使用し、最終レジェンドに到達したジャイアントの解説をしたいと思います。主立った内容として、最終到達したリストの解説と6月中のジャイアントがどのような立ち位置だったか。また、サイバゴンについて等雑多に書いて行こうと思います。尚、今回は1枚1枚の採用理由やデッキ構築論については書いていません。この記事を読んで気になった方は、ぜひ前回の記事も読んでくださると幸いです。


リスト解説

早速、本題の最終レジェンドに到達したリストの解説をしていこうと思います。リストは、以下の通りです。

ジャイアント、ありがとう

1枚1枚の詳しい解説は前回のnoteで書いたので、そちらを参考にして頂ければと思います。今回は、この環境でジャイアントを構築するに当たって考えていた①アクアバースターについて②シンラについて③結局バイケンってどうなの?④その他調整枠と確定枠。の4つを主に解説して行きたいと思います。


①アクアバースターについて

「あいつには負けてられない」のあいつって誰?

このカードはアクアサーファー、バイケンとの選択になるのですが、私はこのカードを選びました。理由は、超次元ビートの増加と速攻の減少に拠るところが大きいです。私は29日からこのリストを使っていたのですが、6月終盤はとにかくコントロールや超次元ビート(特に赤白青のラッカカラー)が多く、速攻が少ない環境でした。そして、それぞれの対面でこのカードがほかの2枚より優れていると思ったので採用に至りました。順番に解説していきます。
まずコントロール対面ですが、このカードは4コストなのでジェニーダーツの下選択を気持ちケアすることが出来ます。4コスト帯にはターンが帰ってきた時に出したいジャイアント達が控えているので、それをケア出来る可能性があるだけでもサーファーと比べて大いに優れている点です。

このカード、好きな人と嫌いな人で二極化するよね

また、トリガーした時の強さではそんなに大差ありません。と言うのも、コントロールデッキが殴ってくる時はほぼほぼ相手が勝ち確盤面を形成してからになるので、除去トリガー1枚程度で止まるケースが無いと言って良いです。その上返しのターンに殴り返しするクリーチャーもいないので、サーファーの最大の強みである「除去してから殴り返しで2面止め」というのが機能しません。であれば、コストが低いので手打ちもしやすいこのカードの方が総合的に見て優れていると言えます。
次に超次元ビート対面についてです。現在の超次元ビートはラッカカラーが主流になっていますが、このデッキは3ターン目のサプライズorエクストラホールからシンカイヤヌスを出してスタートしてきます。

ヤヌス→オーフレイムで3枚ブレイクは鉄板の動き

この3ターン目というのが重要で、先手ならブーストに失敗しても4ターン目にバースターを出して処理できますし、後手でもブーストが間に合えば同様に処理できます。更に自壊するというのも優秀で、先手でブースト出来ず、カードが墓地に落ちていない状態でも次のターンのサルトビでブースト出来ますし、その後はドルゲーザまで繋がります。ただ、先手でブーストに成功した場合は、いつも通り4コストのジャイアントを出しましょう。そもそも、相手の3コストホールより先にこっちが動けますし、除去する対象がいません。
トリガーした時の強さでも、サーファーと比べて大差ありません。理由は先程のコントロール対面と似ていますが、殴り返しするクリーチャーが居ないからです。相手視点、アンタッチャブル等は大事にしたいカードなので下手に殴ってきませんし、ジョンも同様の理由で簡単には殴ってきません。仮に殴ってきた場合も、ターン終了時の覚醒が約束されている場合がほとんどで、パワー2000ラインのクリーチャーがタップされるタイミングがほとんど無いのです。その他にも、赤緑t白超次元が出してくるカイマンやオーフレイムを処理出来ますし、そもそも4コストなのが非常に偉いです。このデッキは2コストのブーストを8枚採用しているので、マナカーブ的に繋がる4コストというだけでも価値があるのです。
ただ調整枠という前提は変わらないので、速攻が増えた場合はサーファーに変えましょう。バイケンについては後で触れたいと思います。


②シンラについて

次にシンラについて触れていきます。

何言ってるか一切聞き取れん

前回の記事ではいつか報われて欲しいと書きましたが、今環境では割と報われている方だと思います。というのも、5月期のランクマッチ「グレートチャクラカップ」でジャイアント使いの南方さんという方がシンラを入れたリストで最終レジェンドを達成して以来、シンラを入れた型がジャイアント使いの間で広まり、それ以降その型が一般化して行ったからです(掲載許可を頂いたので、下に当時の南方さんのツイートを載せています)。私もシンラを入れた構築は試しましたし、実際強い場面はその前の環境と比べて多かったと思います。というか、最終に残ったリストに私も最初は2枚ほど入れて回していました。ですが、試行回数を重ねる内に「あれ?今通り悪いか?」となり、最終的に抜けていきました。このカードはカウンター寄りの札なのでコントロール対面ではあまり使わないですし、ラッカ超次元ビートはそもそも微有利だと考えているので、このカードに頼らずとも十分に戦えます。このカードが機能するような対面であるキリコやライゾウ、リース超次元ビート等とは月末は全く当たらなかったので自然と抜けていきました。ただこのカードは環境を見て使う、所謂メタカードの部類なので、横並べするデッキが増えてきたら採用を検討しましょう。
余談ですが、このカードが1番機能する対面はジャイアントミラーなのでは無いかと思っています。場にジャイアントを1体でも残していれば逆転の目を残せますし、ジャイアントには単体の除去札があまり無いためその1体を除去するにも案外苦労します。このカードが一般化して来たら、ジャイアントミラーに新たなプレイングが生まれるかもしれませんね。


③結局バイケンってどうなの?

続いてバイケンについてです。

最近不遇な子

このカードは前回の記事では調整枠と書きましたが、今環境においては更に採用から遠くなったと思います。理由は2つあり、1つ目は単純に枠の問題です。ジャイアントには確定枠のカードが結構あり、毎環境「枠が無ぇ」と言っているような気がします。そんな中、6月末はバースターの通りが良かったのでそちらを優先した結果採用には至らなかったのです。
2つ目は、ハンデス対策には心許ないという理由です。このカードの元になったTCG版のカード「斬隠蒼頭龍バイケン」のテキストには、「バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい」と書かれており、自身をバウンスする事で実質的なハンデス対策とする事が出来ました。

結局実装されなかったシノビ

ですがこのクリーチャーは相手のクリーチャーしか選べなくなっているので、単純に自分の手札は1枚減っています。その上、ジャイアントはこのカードがハンデスによって場に出ても次のターンに殴るといったデッキでは無いため「出た所で感」が否めません。更にコストも6と中途半端な為、前述したジェニーダーツに全く引っかかりません。1番ハンデスから守りたいカードであるドルゲーザを守れない時点で、マッドネスとしての役割を果たせていないのと同じなのです。ジェニーダーツは、ハンデスを利用するデッキならデイガナイト以外はほぼ確定で採用するカードですからね。
そんな経緯もあり、私は最初からこのカードをデッキに入れていませんでしたし、結局そのまま走りきりました。ジャイアントから「サルトビバイケン」が失われつつある事に気づかれるのも、案外遠くないのかも知れません。


④その他調整枠と確定枠

最後に、私が現時点で確定枠だと考えているカードと枚数、調整枠として採用候補にあるカードの順番で解説したいと思います。

このデッキ確定枠36枚もあるのかよ

現時点で、私は上の36枚を確定枠と考えています。特徴を挙げるなら、4コストジャイアントを多めに採用している点と、バデスについてでしょうか。2コストのブーストを8枚採用しているので、その後に繋がる序盤の動きを重く見た結果、4コストジャイアントを10枚採用するに至りました。それに、彼(ユキハナは彼女)らは後半に引いても進化元として運用出来る為、序盤中盤終盤隙がないので多めに採用しても腐りにくいのもポイントが高いです。この4コストジャイアント10枚体制は、前環境の結論デッキでも同様だったので、私の中に10枚は必要だという考えが定着しているのでしょう。

13弾ADの結論。この時はバイケンを採用していた

バデスに関しては、環境にキリコやライゾウ、速攻が居るうちは採用し得だと考えています。単純にトリガーが薄いデッキ達なので、場に一体でもクリーチャーが居ればバデスでシールドを全部割ってダイレクトアタックまで決まるので実質ボルバルザークとも言えます。このカードで不利局面を返した時の脳汁は凄まじい量出るので、1度は試してほしいカードですね。
次に調整枠についてです。

やっと鳥を船から降ろせた

調整枠として候補に上がるのは、上のカード達が多いでしょうか。後は確定枠のカード達であるサルトビの4枚目やトルネードムーンの2枚目、ユキムラの3枚目辺りが候補に上がってくると思います。この辺は人によって好みや使用感で変わってきますね。
それぞれ解説すると、ムーンナイフとホッピルッピは初動の9枚目、セレストとコルテオはスパーク系の5枚目以降、サーファーとバースターは青マナ兼確定除去トリガーとなります。バイケンとシンラについては、1度解説したので割愛します。
この中で私が採用したのはバースターとサルトビの4枚目でしたが、バースターとサーファー、バイケンは好みのカードを合計して3枚以上は採用するのを推奨します。理由は単純にデッキの青マナが足りていないので、ここから補わなければなりません。デッキに青は最低でも14~15枚は欲しいため、その最低ラインまであと2~3枚青のカードが必要なのです。後は本当に自由で、お好みのカードを入れて頂いて構いません。というか、ジャイアントは元々採用できるカードの幅が限りなく広いので、環境が変われば確定枠のカード達でさえ気づいたら抜いているという事も頻繁に起きます。時には赤を足したり黒を足したりしても問題なく機能するのが、このデッキの強みであり魅力でもありますからね。その時々のメタに合わせて、最適解を模索しましょう。
余談ですが、私はもうギガボルバを調整枠として捉えなくなっています。

こいつ、目どれ?

理由は、アスラの登場により自分の盾にスパークやその他トリガーを仕込める様になったため、スパークゲーになってもこちらに分があるからです。アスラで盾にスパークを埋めれば、実質的なスパークケアになりますからね。それにこのカードを採用する場合は黒を2~3枚入れなければならなくなり、枠がカツカツのジャイアントには厳しい話でもあります。今まではそれを加味して尚入れる価値があるカードだったのですが、他の手段で代用できる様になった以上、採用からは遠く離れてしまった様に感じます。ギガボルバを愛してやまないジャイアント使いの友人を私は知っていますが、彼もここ最近NDでは採用していないみたいです。アポカリプスデイがあるADならば、まだ採用の余地はあると思います。


6月中のジャイアントの立ち位置

ここからは、6月中のジャイアントが環境的に見てどんな立ち位置にいたのかを振り返りたいと思います。
今回はどの時期にどんなデッキが居たのか、また使用率はどの程度だったのか等を、デュエプレ環境調査グループ「#BEANS」さんの環境調査レポートをお借りして振り返りたいと思います。BEANSさんの環境調査レポートは大変参考になるので、見た事が無いという方は是非ご一読下さい。私もチームに入る前に1人で細々とランクマを回していた時から、BEANSさんのグラフにはお世話になっていました。BEANSさんのサイトには、以下のURLからアクセス出来ます。


6月上旬の環境について

6月上旬の環境を一言で表すと「このデッキは握らない方が良い」と言えるほどキツイ環境でした。その最たる理由が、バルガライゾウと超次元ビートの台頭です。新弾が発売されてから1週間が経過した、6月2日のBEANSさんのグラフが以下の通りです。

速攻と武者も正直キツイ。特に武者

バルガライゾウについては前環境から微不利〜五分と、有利が付くわけでは無いですが全然戦える対面ではありました。しかし、新弾で登場したアブドーラフレイムドラゴンを投入した構築が主流になって以来、五分と言えるかも怪しくなってきました。

マーシャルタッチ、こいつしか見なくなったなぁ

このカードは盤面除去としての性能は現環境トップクラスと言えるでしょうし、盤面を横に広げる動きを主流としたジャイアントというデッキの性質上、根本的に苦手とするカードです。エコアイニーから直接繋がり、尚且つマーシャルタッチで手札に戻す用のクリーチャーとしても運用出来るため、今のエコアイニーはバルガライゾウデッキには4枚確定と言えるカードになっているのでしょう。

ライフ→エコアイニーは絶望的な回り

この記事を書いているのは7月前半ですが、相性的な面は今現在も印象が変わっていません。体感不利〜微不利と言った所でしょうか。アカギガルムスは相変わらずキツイカードですしね。

戦いの先に答えはある

次に超次元ビートについてです。この時期の超次元ビートは赤緑白の通称「リースカラー」が主流でしたが、ジャイアント視点で見るとラッカよりもリースの方が厳しいマッチアップになります。理由は主に2つあり、1つ目はジョンの存在です。

こいつはあまり関係ない
プレイヤーを攻撃できない。でよかったじゃん…

この頃のリース超次元は、2ターン目ブースト→3ターン目パワードorキルホールからジョン→4ターン目5コストホールからアンタッチャブル2体でターン終了時3体覚醒という動きが王道で、この動きをされると基本返せませんでした。ジョンジョジョンが立っているとアスラやユキムラに進化しての殴り返しが出来ないので盤面に触れませんし、進化クリーチャーが止まるとなれば打点形成からの逆リーサルも不可能です。このデッキの進化クリーチャーは最大でも8コストなので、全ての進化クリーチャーが攻撃出来無いことになります。バデスまで止まるとなれば返す札が基本的にシンラだけになるので、環境序盤にシンラが流行ったのはこのデッキの影響がそれ程までに大きかったという事ですね。
更に付け加えると、アンタッチャブルパワードも相当にキツいカードでした。

「とりあえず出しとくか」日本代表
超次元環境を象徴するカードだと思う

選ばれずブロックされないパワー5000のクリーチャーというのは想像より遥かに強く、厄介でした。サルトビもこのカードの前には無力と化しますし、サーファーやバースターも同様です。というか、この対面のサルトビはとにかく噛み合いが悪く、トリガーしても意味を成さない場合の方が多かったです。パワードホールを打たれるとブロックが出来ませんし、キルホールの射程範囲内なのでブロッカーとして前のターンに立てておく事にも裏目が発生します。更にフィニッシャーであるゲンジでも処理されるので、とにかく活躍する場面が少なかったです。

パワカ。ライゾウにも入る

ここまででも充分キツイですが、まだキツイ要素があり、それこそが2つ目の要因でもあります。それは、相手にも2コストブーストがあり、5コストホール呪文が1ターン早く飛んでくるという事です。ここがラッカ超次元との最大の違いであり、この1ターンがあるかないかの大きさは計り知れません。何故なら、ジャイアントはボルシャックホールが吐くほどキツイカードだからです。

悪魔のカード

小型のジャイアントはパワー3000で統一されており、もれなく全員このカードの射程範囲にいます。後攻を引いただけでライフ→キリノという回りを阻止されますし、先攻でもブーストに失敗すれば同様に処理されます。かといって、このカードを警戒し過ぎても自分の動きが鈍るだけと、このカード1枚で発生する損害があまりにも多いのです。ジャイアントはよく「手札の4コストジャイアントがキリノしか居ない」という状況になりますが、その時に出すか出さないかの選択で迷いが生じます。ボルシャックホール自体は「サイキック出すのが本筋の効果で、火力除去はオマケだよ」というカードなのですが、そのオマケ効果でこちらのキーカードを失うと最早勝負の土俵に立てないと感じる程でした。手札に4コストジャイアントがキリノしか居なく、相手が次のターン5マナになる状況でも、大抵の場合このカードは切ってプレイせざるを得ませんからね。仮に無かった場合でも、こちらのプレイに迷いを生じさせている時点で一定の役割は果たせているので、相手のデッキに入っているだけでもキツイカードです。
以上の2点も含め、このデッキは不利〜良くて微不利といった相性だと考えています。前述したライゾウとこのデッキが、BEANSさん調べのグラフで50%近くいる環境でジャイアントを使うのはあまりにもキツく、辛いものがありました。環境初期という事もあり、対面の構築が人によって様々な上自身のプレイングも定まっていませんでしたからね。そもそも、ランクマッチで勝つということを前提に置いた時、使用率圧倒的2大トップ両方に不利を付けるデッキを使うのは有り得ません。有利対面であるコントロール系のデッキがシェアを大幅に落とした事も相まって、ジャイアントは冬の時代を迎える事になるのかと、ジャイアント使いの誰もが思ったでしょう。私もこの時期は様々な構築を試みましたが、結果一旦ジャイアントを諦める事になります。

試みた物の残骸。言いたいことは分かる

6月中旬の環境について

新弾が出てから3週間程が経ち、環境も固まり出す頃ですが、相変わらずジャイアントにとっては厳しい環境が続いていました。その最たる理由が、前述した2デッキに加え、エンペラーキリコが環境に復権しシェア率を大きく伸ばしていたからです。6月の中旬ど真ん中、16日のBEANSさんの統計グラフが以下の通りです。

有利対面どこ???
一時期はヘイトトップだった歌姫

このデッキは前環境から不利〜微不利といった相性でしたが、今環境でもそれは相変わらずで、むしろ前環境よりキツくなった印象でした。理由はバルガライゾウに似ていますが、アブドーラフレイムドラゴンの存在が関わっています。この時期のキリコは主に2パターン居て、オリジナルサインを採用しているかしていないかが大きな違いでした。

大体アマテラス出てくるよね

オリジナルサインを採用していない型にはアブドーラを2枚程入れるのが流行しており、ジャイアント視点ではそちらの方が厳しいマッチアップです。そもそも、ジャイアントは一撃で全てを決めるようなワンショット系のデッキに対して妨害する手段がほぼ無く(スパーク手打ちのタップキルぐらい。それもライゾウには無力)、現環境に居るワンショットのライゾウにはアカギガルムス、キリコには爆進エナジースパイラルとそれぞれ妨害手段があるので一方的に妨害されます。

こちらが4マナ時に打たれるのがキツイ

一方的に妨害されるワンショットデッキを苦手としない訳もない上に、キリコはバルガライゾウと比べて安定してフィニッシャーをプレイして来るので、体感このデッキの方がバルガライゾウよりも不利だと考えています。
そんなこのデッキの復権に加え、バルガライゾウと超次元ビートは未だに健在だったので本当に環境に合っていませんでした。この頃から徐々にラッカカラーが流行り始めていたのですが、主流はまだまだリースカラーであり、ラッカ超次元に対してもバースターの存在に気づけていなかったので、この時点では不利と考えていました。この時期は他のデッキを主軸にランクマッチを回していて、ジャイアントは息抜き程度にしか使っていなかったのですが、その時ですら「ジャイアントやっぱ勝てねぇな」と思うようになっており、完全に諦めムードで自信も無くしていました。皆さんも、自分の今のエースデッキが全く勝て無くなったら落ち込むでしょうし、自信も無くすと思います(偏見かもしれない)。私にとってはそのエースデッキこそジャイアントであり、自分が使えるデッキの中で1番上手く回せると手前味噌ながら思っていたので、当時は本当に頭を抱えました。
余談ですが、この時は速攻の通りが良かったので赤白速攻をメインに使っており、最大連勝記録を大幅に更新出来ました。自分用の記録として残しておきます。

名前がふざけすぎてる
ショーはガチ

6月下旬の環境について

ディアボロスZカップ最終盤は、ライゾウと超次元ビートを中心に様々なデッキが入り乱れる波乱の環境となりました。その中で特筆すべきは、コントロールデッキの復権でしょう。私がジャイアントに帰ってきた、6月29日と30日のBEANSさんのグラフが以下の通りです。

Bロマも地味に復権してる
こんなにライゾウ多かったんだ…

この時の環境にはリーフコンとドロマー超次元、ナイトという3種類のコントロールデッキがおり、3つを合計すると最大シェアのライゾウに迫る勢いで、上回る日もありました。それに加え、ラッカ超次元の台頭とリース超次元の大幅な減少、5分対面であるBロマの復権もあり、ジャイアントには追い風が吹いている状況でした。また、ここではリース超次元と定義していますが、カイマンホールを入れてトリガーをスパーク、コルテオの2種類にしたt白の構築もあり、そちらのデッキにもバースターのアスラの存在がある事で有利が付いていました。これらのデッキの中でナイトだけは不利寄りですが、それでもプレイ次第で捲れる対面ですし、コントロールデッキには総じてドルゲーザをプレイ出来れば大抵勝つことが出来るのが、このデッキが「コントロール殺し」と言われる所以でもあります。

トップで叩きつけるのが至高

そんな環境的追い風もあり、最終日前の2日~3日間はジャイアントの通りが今までと比べると明らかに良かったです。私は29日まで赤緑t白超次元を使ってレート1630付近にいましたが、最終日を目前にしてレート1550付近まで落ちていました。それからジャイアントを使い2日間でレートを130近く盛り最終レジェンドに滑り込めたので、本当に環境とマッチング運に助けられました。構築について相談していたチームメンバーと、日々様々な構築を模索、共有して下さるジャイアント勉強会の皆さんに感謝ですね。それが無ければバースターの存在にも気づけないまま最終日を迎え、1番当たった(体感)ラッカ超次元に勝ちきれずレートを盛りきれなかったと思います。これはチームや研究会、勉強会に入っている最大のメリットだと思っているので、この記事を読んで、チームやジャイアントに興味を持った方は是非ご一報下さい。


6月を振り返って

6月を今(2022年7月13日現在)になって振り返って見ると、常に迷っていたような気がします。構築やプレイングという面もそうですが、「ジャイアントを使うか諦めるか」の方が比重としては圧倒的に多かったと思います。というのも、私は6月上旬に1回ジャイアントを諦めましたが、仲良くさせて頂いているジャイアント使いの方たちは色んな構築を試していましたし、それを見るのも罪悪感がありました。その罪悪感に耐えかねて、前述の「息抜き程度」にはジャイアントを使っていましたが、結果は芳しくなく更に印象が悪くなる悪循環に入ってしまいました。そもそもジャイアント自体そんなに簡単に勝てるデッキでも無いですからね。少し離れると、一気に腕が錆びる感覚があります。
そんな訳で私は長い事ジャイアントを離れていましたが、他のジャイアント使いは頑張っているのに「俺は何をやってるんだ」という気持ちをずっと抱えたままランクマを回していました。その気持ちは日を追う事に大きくなって行き、月末の29日にNDを回していた時、偶然ジャイアント勉強会の主宰者で私の尊敬するジャイアント使いであるゴリラガラスさんとマッチした時に、それは最高潮を迎えました。ゴリラガラスさんはジャイアントを使っていて私は使っていなかったのもより一層その気持ちを後押しし、自分もジャイアントで最終を目指そうという気持ちを持ち直す事が出来ました。結果、前述の通り周りの人間と環境に助けられ最終レジェンドを取れました。これで、スタン落ちしていくサイバゴン君を笑顔で送り出すことが出来ます。「終わりよければすべてよし」私の好きな言葉です。


サイバゴンについて

最後に、サイバゴンについて触れたいと思います。理由は少し書きましたが、次の弾であるDMPP-15がリリースされた時、このカードはスタン落ちしNDでは使えなくなってしまうからです。

デュエプレオリジナルカード

今回は、今まで彼がジャイアントでどんな活躍をしてきたのか、またスタン落ちした後に考えられる影響の2点に絞って書いていきます。


①今までの活躍

彼が登場した9弾の時点で私はジャイアントを使っていなかったのですが、それでもこのカードの登場がジャイアントにとって非常に大きかったであろう事は容易に想像出来ます。当時の4コスジャイアントはキリノ以外クセのあるカードが多く、4枚採用するようなカードは無かったのでは無いでしょうか?

うーん…
いやぁ…

サイバゴン以前の4コスジャイアントは上の2枚だけで、色が合わなかったり効果が微妙だったりと、今の視点で考えると採用は有り得ないカード達です。そんな中効果が優秀で色も合い、尚且つ4コストという未来から来たようなスペックを持つサイバゴンは、ジャイアントに革命を起こした事でしょう。私がジャイアントを使い初めた11弾の時には、既にテンプレリストに4枚確定でしたし、それはユキハナが登場する13弾まで変わらず続きました。というか、登場以降はずっと4枚確定だったのでは無いでしょうか?私が当時ジャイアントを使っていたら、まず間違いなく4枚入れると思います。
このカードの強みはリソースを失わずに盤面展開出来る点で、サイバゴン→サルトビorドルゲーザを探索(持ってない方)→サルトビ召喚でブースト→ドルゲーザという動きはキリノを引けていない場合の王道な動きでした。速攻やビート対面では少々弱い動きですが、コントロール対面ではこの動きを出来ればほぼ勝てます。何も妨害が来なかった場合5ドロー出来ますし、途中でサルトビを除去されても3ドローになります。そもそも、ジャイアントはドルゲーザのシンパシーに加えユキムラのG0条件の為にとにかく盤面展開をするデッキなので、サーチをしてもお役御免にならず場と手札両方で圧をかけられるこのカードはどんな場面でも腐りにくいのです。
少々弱いと言った速攻やビート対面においても、アスラを探索して来れればライフやサルトビトリガーでブースト→サイバゴンに進化→盾追加&殴り返しという鬼ムーブが出来たりと後続を抱えやすく安定するので、とにかく器用で心強いカードです。このカードを失ったジャイアントは様々な場面で物足りなさを感じることでしょう。


②スタン落ちした後の影響

まず懸念されるのは、コントロール対面に置ける安定感が失われる事です。このカードを欠いたジャイアントはリソース札がドルゲーザとアスラだけになるので、明確にリソースが薄くなります。特にアスラに関しては進化元を必要とするので、1枚で完結するサイバゴンの優秀さが再確認出来る事でしょう。有利対面とされるコントロール系のデッキに対する安定感を失うと、このデッキ自体を握る意味が薄れてしまいます。次の弾でサイバゴンに変わる優秀な4コストジャイアントが実装されれば話は別ですが、デッキに不足しがちな青マナを確保しつつ後続を探索できるこのカードの代わりとなると、最早完全上位互換となるカードを出す他ないのかもしれません。パワーが4000になっているとか、超探索になっているとか。もしくは種族を「ゲル・フィッシュ/ジャイアント」とかにしてほぼジャイアント専用にするとかですね。どちらにせよ批判は多く来るでしょう。
次に心配されるのが、デッキそのものの安定感についてです。構築の段階で、私は4コストジャイアントは10枚採用が安定すると書きましたが、それは優秀な4コストジャイアントが3種類以上居る前提での話です。このカードが落ちるとユキハナを4投する事になると思いますが、それでも初動の心元なさは否めないでしょう。

このカードとアスラは4投かなぁ

更にリーサルを取りに行くターンでも、サイバゴンが居なくなることで動きづらさが目立ってくると思います。リーサルターンはサイバゴン初動からドルゲーザ→ユキムラを引いてきて更にトルネードやアスラを回収や、サイバゴンから直でユキムラサーチ→トルネードやアスラ回収で進化速攻という動きをよくやります。ドルゲーザを持っていれば問題ありませんが、持ってない場合はこのカードかアスラ頼りで、アスラも後続を確定で持ってこれる訳ではありません(ライフ3枚とかもたまにある)。確実に後続を持ってこれるサイバゴンの存在は、ここでも響いてくるのです。
ざっくりまとめると、このカードのスタン落ちによって起こる被害は、デッキパワーとトップ解決力の低下に、安定感と器用さの大幅な損失です。付け加えると、デッキの青マナを補完する役割も兼ね備えているので、多少入れたいカードを削ってでもバースターやサーファーを入れなければならないかも知れません。新弾が出てからの環境次第と今は言う他ありませんが、いずれにせよ一抹の不安を残した状態での新環境となりそうです。


終わりに

今回の記事は以上で終わりになります。今回は短く抑えようと思ったのですが、書きたいことが次から次に出てきて最終的に12000字を超える長文になってしまいました。読みづらい部分も多かったと思いますが、ここまで読んで頂けて幸いです。何か分かりづらかった点や疑問、質問等があれば、お気軽にDMやリプライで聞いて頂いて構いません。読んだ感想等も聞かせて貰えると、あるかもしれない次回以降の励みにもなります。
サイバゴンがスタン落ちした後の15弾ND環境でも引き続きジャイアントについて考えて行こうと今は考えていますが、無理だったらADに引き篭ろうと思います。それも、バトルアリーナが終わった後になるのでしょうが。
最後に、構築やプレイングの相談に乗ってくれたチームメンバーの皆とジャイアント勉強会の方々。環境グラフと環境調査レポートの使用許可を下さったBEANSさんと、ここまで読んでくださった読者の方に特別な感謝を込めて終わりにしたいと思います。

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