レビュー 週刊少年ジャンプ(9) 2019年 2/11 号 [雑誌](アクタージュのみ)

今週アクタは答え合わせ会でしたね。

前号感想(レビュー 週刊少年ジャンプ(8) 2019年 2/4 号 [雑誌](アクタージュのみ)https://note.mu/gasourei/n/n6bf96e194f4f)と違っていた件は阿良也の方から星アリサの代役を買って出たことでしょうか。
しかしこれで巌さんが悪いわけではないよ、という描写を重ねてきたと見るべきなんでしょうか。

そしてやっぱり星アリサは巌さんを許していませんでした。
前から幸せになれる役者しか育てないと言っていましたが、星アリサは厳しい態度とは裏腹にかなり良心的で優しい人物なのですね。

合わせて新情報として阿良也がディスクレシアらしいということで、ネグレクトのような描写もこれが原因、かはわかりませんがそれに付随するトラブルが原因っぽいような描写がされていましたね。
そしてついでに酒に弱いのは昔からのようです。

今回黒山が阿良也の演技をみて巌さんの決定的な問題に気づいたようです。
次の課題が最大の難問「入り込みすぎて戻ってこられない」になるというアピールでしょうか。

おそらく次の返しが阿良也が戻ってこられるかの分岐点となるのでしょうが、巌さんは夜凪に何を伝えていたのでしょうか。
己の死について伝えているのは作中でも明に描かれていましたが、劇団天球のメンバーに伝えたいこと、戻ってこられなくなりそうな阿良也に伝えるべき言葉を、余凪に伝えてあるのでしょうか。
原作の銀河鉄道の夜でも、この問題に対する回答は無かったように思います。
原作なら、それでいい。本当の幸いとは何かと問い、それが本当の幸いかどうかは読者の心の中にあるものだから。
しかし今回アクタージュは劇中劇として、贖罪の形として描き、これは許されるのかと正面から問いました。
ならば許されるのか許されないのかを描かなくてはならない。

なんとなく、夜凪は許されないものとした気がします。

夜凪は少なくともscene44(週刊少年ジャンプ(1) 2019年 1/1 号 [雑誌])の段階では許されるのかどうか、ということを悩んでいました。
ここ最近の夜凪の心境は作中でも触れられておらず、夜凪が迷っているということは星アキラにアドリブまで使って問うたこの部分しか表現されていないと思います。
しかし原作にないことを聞いたのはこれが後の伏線も兼ねてきたからでしょう。星アキラに目が眩んで見落としていました。見事な脇役ぶりです。

しかしこの問に対する星アキラの回答は「僕にもわからない」です。

これが本当の幸い、巌さんにとっての星アリサへの贖罪がなせるかは、未だに示されていないはずです。
そして次の巻頭カラーで夜凪がどう答えるかで、それが成されるのかが決まります。

原作者のマツキタツヤ先生はかなり論理的にこの物語を組み立てています。
であるならば、次の巻頭カラーで演劇編はクライマックス。今まで散々引っ張った巌さんの贖罪がなされたかどうかが描かれるでしょう。
来週が楽しみすぎますね。




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