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タワマンと板マンの違いってあるの?(管理組合・理事会の意思決定編)

気づけば2カ所のマンションで管理組合・理事長を経験することになってしまった駆け出し理事会セクターの端くれのがすたまです!
どちらも大規模マンションであることには変わりはなかったのですが、片方は板状マンション(300~500戸、23区/城北、平均坪単価:250万円、表記「板マン」)、片方はタワーマンション(500戸~1,000戸、23区/湾岸、平均坪単価:300万円~、表記「タワマン」)と形状に違いがあります。

ここでは、「タワマンと板マンの管理組合・理事会の意思決定に違いってあるの?」というテーマについて書いてみたいと思います。

結論:意思決定においては大きな違いはない(たぶん)

結局のところ、
・管理組合=区分所有法基づき、区分所有者によって構成される団体
・理事会=マンション管理組合の業務執行機関
に過ぎないわけで、組織的には大きな違いはありません。
また、管理規約・細則等に則って理事会で審議されること、総会に諮る内容であれば総会に上程し承認を得ることについても変わりがないので、意思決定に関する部分も大きな差異はないものと考えています。
(もちろん、理事会が身内だけで固められてしまっているような組合だと、どうにもできないかもしれません。あくまで私が参画した2つの組合では、という前提でご確認下さいね)

マンションによっては専門部会・専門委員会があるかも

理事会の規模が大きければ、理事会の下部組織に専門部会・専門委員会(例:設備部会、大規模修繕委員会、ペットクラブ等)を設けて理事会前に事前審議を行うような取り組みが設けられているケースがあります。
そうすると、もう1階層会議体があることになりますので、少し組織の大きさを感じることはあるかもしれません。

メリットは事前審議を行うことで、理事会の審議時間短縮に繋げられる点です。
大規模マンションだと、恐らく1回の理事会で決議しなければならないことは10件は超えるでしょうから、それらを論点整理や価格の精査まで理事会の席で行ってたら時間がとてもとても足りません。
現居の過去の理事会では1回の理事会に5時間以上をかけていた時代があったとも聞いており、仕事に育児に忙しい現役世代がそんなものに付き合うのは到底現実的ではありません。
(だからこそ、2件目のマンションの理事役員出席率は私が理事長になる前は概ね70%未満ととても低かった…半数が出席してくれないと何も決議できないのに…)

そのため、事前に論点整理や価格の精査などの事前審議を行うことで、理事会の審議時間短縮に繋げることが期待できます。

デメリットは、「①めんどくさい人物認定されるリスク」、「②理事長過労死コースの可能性」です。

①めんどくさい人物認定されるリスク
2件目のマンションの理事役員1年目では、興味がない部会を担当することになりました。
逆に言えば、興味がある議案は全て別の部会から提出されていたため、提示された議案に意見を出しまくっていたら、他の理事役員から「めんどくさい人物認定」されておりました(後から知った)。

(参考)弁護士・マンション管理士 桃尾俊明のブログより「ゴジラに学ぶ管理組合における戦い方」

マンション管理組合で顧問業務をされている桃尾先生のブログでも、「しばらくは我慢強く隠密行動に徹して少しでも仲間を増やしておくべき」と記載があったのに、なんてこったい/(^o^)\

なお、この時の理事長が「がすたんさんが理事長やった方がマンション全体が良くなるんじゃないかな」とプッシュしてくれたので、野党化することなく理事長の道が開けてしまったのですが…これが良かったのかどうなのかは未だに分かりません…。

②理事長過労死コースの可能性
この問題は、「専門部会・委員会で議論に参画する理事が少ない」→「理事長が事前の議案整理等の準備を行い、当日も出席してしまう」という流れにより生じる「理事長のマネジメント能力不足」が引き起こす内容かと感じています。

2件目のマンションでは、私が理事役員になった期には5つの専門部会・委員会がありました。
しかし、多くの部会で(管理会社が持ってくる案件をそのまま素通りするという意味で)機能不全に陥っており、事前審議がなされることなくそのまま理事会に議案として上程されていました。

その結果として、数万円の工事すら「ちゃんと精査したのか。相場観がわからんが高い気がする」とかと言って、貴重な理事会の時間を浪費した挙句に次回の理事会に再上程されるという時間の浪費が行われておりました…/(^o^)\ナンテコッタイ

そのため、各部会・委員会にトップを設け、そのトップに裁量を持たせて一次判断を行い、事前審議を行うよう提案したことがありましたが、

(当時の理事役員)「俺たちにそんな必要性を感じない」

という反発されうやむやになり見送り。
結果として、実務面を考慮して全ての部会・委員会に自分が出席しなければならない憂き目にあい…

(参考)顔を合わせる度に「部会はクソ」という持論を展開される理事会セクター

はい、こう突っ込まれるわけですね(この方も過労死コースだと思うのですが…)。

第三者管理は別モノかも

最近の三井不動産レジデンシャルが手掛ける新築物件にて流行りつつある「第三者管理」。
端的に言えば、「快適なマンションライフなのに、理事会って大変ですよね。管理組合は皆さんで結成してもらう点は変わりませんが、その業務は管理会社にお任せください!」という内容です。

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(引用元)パークホームズ蛯名ブルームプレミア「ブランド」のページより

(参考)第三者管理方式(第三者管理)に関するインタビュー

恐らくモデルルームに行けばしっかりとPRしていただけることでしょう。

こちらは理事会役員や理事長が区分所有者から選出されないため、相当勝手が異なるとは思います。
その是非については住んでみないことには表面的なことしか書けませんから本記事では言及しません。
いつか住んでみたらnoteにまとめてみますね!

理事会役員に関してはマンション属性の違いを感じず

端的に言えば、どちらもマンションでも立候補は少なく抽選or輪番でなっちゃった方が多いので、基本的には参加する理事役員の多くは受け身です。
なにせ、「理事になっちゃった方」にとっての最大のインセンティブは「早く理事会が終わること」ですから。

ですから、「うちの理事会ってあまり活動してないのよね」とか言われても「そりゃそうでしょうよ」としか思いません。
むしろ理事長の立場としては理事会に出席し議決権を行使してくれれば「ありがてぇ」ですし、そこに意見が出れば「ありがてぇありがてぇ」となるわけです。
※意見がお気持ち表明になるとこれまた面倒なのはあらゆる会議と同じ。
※ なお、これが非役員の区分所有者だと明確に差を感じていますので、これは別の記事に書きますね。

お金に関する問題は、お金で解決させる問題なので理事会運営とは別モノ

タワマンはお金がかかる仕様・設備がてんこ盛りです。例えば、
・24時間有人管理の防災センターがあってそこには有資格者の警備員が詰めているでしょう
・ゴンドラ等を使用する大規模修繕に伴うコスト高は想像がつきますよね
・駐車施設の附置義務を満たすためにタワーパーキングがあるかもしれません
・消火設備だってスプリンクラーがあって、こいつの維持だってお金がかかります

ただ、これらのものは結局のところ戸数が多ければ按分されて負担感は減りますし、タワーパーキングだってよほど安い金額で駐車場代が設定されていなければ維持費以上には使用料が得られているでしょうから、ベラボーに1戸あたりの負担が大きいわけではないでしょう。
また、これらは雑な言い方をすれば全てお金で解決が可能な話ですので、管理組合・理事会の意思決定における違いには該当しないものと考えます。

とはいえ、支出の合意形成は面倒ですし、さらに金がない管理組合の理事会ほど悲しい意思決定を行ったり管理会社から提案を受けてしまったりするわけで…この話題はまた別の記事にて…

まとめ:マンションの形状に捕われず理事会に入ろうよ

というわけで、正直なところ私はタワマンでも板マンでも管理組合・理事会の意思決定においては違いを感じませんでした。
また、分からないことがあれば管理会社の担当者に聞けば教えてくれますので、興味をお持ちでお住いのマンションに「立候補制度」があれば、タワマンでも板マンでも気にせずに理事役員になられても良いんじゃないでしょうか!

大切なのはマンションの形状じゃなくて住まいを良くする気持ちだと思うがすたまがお届けしました!

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