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「プロセスエコノミー」のもやもや

「プロセスエコノミー」という言葉が流行っている。

YouTubeをはじめとした情報技術によってあらゆる製品やサービスの質を高める方法があっという間に広がったいま、「アウトプット」の質ではなくそれを生む「プロセス」で顧客の支持を得ようという考え方だ。

では顧客として、どこまでプロセスにこだわるか?
アウトプットの品質はそこそこでも、プロセスが良ければよしとするのか?
アウトプットの質が高くプロセスの質が低い商品と、アウトプットの質が低くともプロセスの質が高い商品が並んだ時に選ぶのはどちらか?
アウトプットの目利きとプロセスの目利き、どちらの審美眼を鍛えるか?

生産者として、どこまでプロセスにこだわるか?
アウトプットの品質はそこそこでも、プロセスが良ければよしとするのか?
アウトプットの質を高めることと、プロセスの質を高めること、どちらに力を入れるべきか?(プロセスの質を高めることはそのままアウトプットの質を高めることにもなるかもしれない)
では、アウトプットの質を高めることと、プロセスを「伝えること」、どちらに力を入れるべきか?(プロセスを外に伝えてフィードバックを受けることでアウトプットの質が高まるという作用もあるかもしれない)

プロセスエコノミーの発展はアウトプットエコノミーの衰退を意味しているわけではない。しかし、ひとりの人間やひとつの組織が持つ時間や資金、体力や能力は限られている。プロセスエコノミーはアウトプットエコノミーとトレードオフな関係ではないだろうか。

プロセスエコノミーが盛り上がっているいまこそ、プロセスを外に見せずにアウトプットにこだわる人が魅力的に見えるかもしれない。あるいは、プロセスが見えないことは不誠実だと嫌われるかもしれない。

そもそも「プロセスエコノミー」という言葉はなぜ生まれたのか?
そう思っていたら、この言葉を広めたと言われているけんすうさんのツイートを見つけた。

「プロセスエコノミー」は手段ではなくあくまで結果としての現象という捉え方のようだ。自分としてはこの考え方の方がしっくりくる。

「プロセスエコノミー」という言葉が流行っている。

大事なのは、その言葉をどう捉えるか、自分ならどうするかと考えることなのかもしれない。

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