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モデリングについて

ちょっとMBSEのモデリングについて考えてみていることを整理してみることにしました。

可視化

しばらく前までモデリングの目的はシステムの可視化だというように聞くことが多かったと思う。この表現は、「開発者の頭の中の暗黙知を形式知にするために可視化が必要でそのための手段としてモデリングが有効である」という文脈を前提しているんだと感じている。システムに関する情報を可視化して共有しやすくするというのはその通りですよね。その際に静的な構造だけでなく動的な振る舞いや制約も含めてモデリングすることでシステム全体が可視化できる。言語での説明では表現が難しいがために暗黙知になっていた部分もモデルとして図示すること(可視化)が形式知にしていくことができると考えられるため、可視化の手段としてモデリングは有効であると思えます。

モデルは情報の構造体

最近、こんな表現を目にすることが何度かありました。このとらえ方にはすごく共感出来ました。モデルというのはリアルに対して着目している観点で簡素化して表現したものであるととらえているため、着目している観点で情報を抽出して構造化しているというのはその通りだと感じました。ただ、情報の構造体ってモデル以外にも世の中のありとあらゆるものを情報の構造体としてとらえることができるのかもなぁって思うと、この言葉だけではちょっと不十分なのかもしれないとも感じています。

オントロジー

・オントロジーとは、古くは「セマンティックWeb」、現在では「自然言語処理」の研究分野で情報の意味を定義するための概念・仕組みです。技術書では「語彙」とも表記しているものもあります。オントロジーことはじめ(概念入門) #自然言語処理 - Qiita
・オントロジー(ontology)とは、元々は哲学の世界で言う「存在論(存在とは何かを研究する学問)」を示す単語ですが、ITの世界では知識の共有化や再利用の方法として研究開発が進み「対象世界をどの様に捉えた(概念化した)かを記述するもの」という意味で使われています。オントロジー(用語解説) :: NTTデータ バリュー・エンジニア-Webサイト (nttdata-value.co.jp)
・この記事では、情報学(information science)ないし情報科学(information science)におけるオントロジーについて述べる。知識をある議論領域(ドメイン)内の「概念」並びに「概念間の関係」のなす順序組とみなしたときの形式的表現であり、そのドメイン内のエンティティ(実体)を理由付けしたり、ドメインを記述するのに使われる。オントロジー (情報科学) - Wikipedia

微妙に共通理解に至るのは難しいのかもしれませんが、「概念を定義するための仕組み」ってところでしょうか。
対象世界の概念をオントロジーを使って定義して注目すべき観点の情報を抽出してモデル化して可視化することで暗黙知を形式知に変換するのかな。

形式知化の先

モデリングすることで暗黙知になっていた部分を形式知化できると、その先はどうなのでしょうか。暗黙知であったことそのものが課題(認識の共有)であったことは解決するけど、形式知化することで認識できる課題が見つかるかもしれない。ということはつまり、対象世界の課題を含めた認識の共有ができた状態になるのだろう。
そして、そこまでできたらシステムズエンジニアリングが実践できるようになるのかな。


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