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郷酒 厨房 日記

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東京九段下/神保町にある小さな居酒屋『郷土料理と日本酒のお店 郷酒』 食べること飲むこと大好き!な料理人でもある女将が、季節の食材のストーリーと、こだわりのお酒、旬のおつまみレシ… もっと読む
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#日本酒

ぶきっちょさんの狂詩曲

ぶきっちょさんの狂詩曲

毎日厨房に立っているけど、今でも、包丁握るのは少し怖い。散々指切ったし、縫ったし、やけどもしたし。鈍臭くて、もう。

10何年やって、やっと人並みになれたかなぁと思っている…。

それでも、お刺身には苦手意識があるし、魚おろすのも、毎日真剣にやっているけど、満足のいくきっちりした卸し方が出来る日はそう多くない。

恥ずかしいけど。

機械を扱うのも嫌いじゃない。ファミレスやイタリアンにいた時は色ん

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おばあちゃんの手 〜山菜の話〜

おばあちゃんの手 〜山菜の話〜

山菜の季節なので、張り切って山菜を故郷から取り寄せてはせっせと料理している。

山菜は、買うと結構いい値段するけど、田舎ではそこら辺に生えているご馳走だ。旬の時期に小一時間も沢や山、林の中を歩くとカゴ何個分も取れたりする。

さらには、各地区に山菜採り名人がいて、いただくことも結構ある。もらってばかりでは悪いので、代わりに畑でとれた野菜や、これもいただきものなんだけどの食べもの、沢山作った郷土菓子

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顔が見えるということ。

顔が見えるということ。

誰が作ったか分かると料理はより美味しくなる気がする。安心感のおかげかな。

生産者さんあっての飲食店だから、真心込めて作った食材が届くとこっちも気が引き締まるし、どう活かして美味しく仕立てようかワクワクする。

ブランドとか、宣伝文句に躍らされて、美味しいと思い込んで食べていることもあるかもしれないけど、漁師さんや農家さんなど、生産者さんの顔が見える食材を使った料理はなんだか美味しい気がする。

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その一瞬を大切に...鮎の話

その一瞬を大切に...鮎の話

毎年、一年のうちに、何か新しいことを始めたり、成し遂げようと思っている。自分が前に進んでいるような気がするから。

料理教室やキッチンカー、レシピ開発&提供、他には踊りをやってみたり(パレードでたり)、語学や文章の勉強、一人フェス、有り難くご依頼頂くものなど、とりあえず自己満足でしかないが、毎年モチャモチャ何かしらかチャレンジしてみる。同じような一年は、飽き性の自分には退屈でつまらない。

今年も

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大地讃頌 〜酒呑みの譜〜

大地讃頌 〜酒呑みの譜〜

おらほは代々酒呑みでった。爺様もひい爺様もひいひい爺様も農家で酒呑みだ。一日汗を流して働いて、晩酌には日本酒を飲む。農作業ができない冬の間、杜氏として出稼ぎに行っていた先祖もいた。

ビールも少しは飲むけど、基本的に酒っこ呑みといったら日本酒の人達だった。米どころの爺様達はみんな日本酒を好んで飲む。

郷酒は日本酒のお店といっているように、日本酒にもこだわっている。コンセプトとしては、“日本のお酒

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