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笹かまと茜色の夕日。

時々、美味しいものを食べる旅に出る。酒蔵見学や食材探しの意味もあるけど、郷土料理の店、とうたうからには、色んな土地の味を知りたい。知らないものを、ネットで得た知識のみで、

なんちゃって◯◯

で出すのではなく、実際食べてから再現したいのだ。

2回目の女川。

前回は、岩手の実家から南下したが、今回は単純に女川を目指して北上してきた。(余談だが北上(ほくじょう)を岩手の人はきたかみと読みたくなる。)

小学校の修学旅行以来の松島で遊覧船にのり、海鮮丼や笹かまぼこやずんだシェイクをいただいた。

久しぶりの石巻では、美味しいコーヒーと見事な田舎の夕暮れに出会えた。『茜色の夕日』を思い出して、過ぎ行く短い夏を想った。


前回の女川では、ほや酢しか知らなかった私に、ほや料理のバリエーションという発見、出会いがあった。だから、ほやの時期のうちにまた来たかったのだ。

↑東北人もあまり知らないほやたまご。ほやでゆで卵を包み煮込んである。

普段、料理を作ってお出ししたり、宣伝したり、お客さんに対応したり、何かとアウトプットが多い。

何気なく始めたnote もだんだん使い方に慣れてきてワクワクして、試したくなってしまう。

店を出すまでは、自分は“ものづくり”で職人気質で創作したい人だと思っていたけど、毎日毎日色んな料理を考え作ってお出ししているうちに(もちろんやりたいことが溢れる日もあるのだけど)、しぼられてカサカサの出涸らしのような気になる。

出涸らしにも工夫すればちゃんとつぎの活用法はあるけど。旨味を蓄えることも大事。

という言い訳をしながら、たまに刺激を求めて外に出る。吸収して、また美味しいものを作れるように。

知らないことが〜〜おいでおいでしてる〜〜出かけよう〜〜

って昔教育テレビでチョーさんが言ってたけど、外に出るといつも出会いや新しい発見があるから、目を見開いて、鼻で嗅いで、舌で味わって、肌で空気を感じて、と意外と五感は敏感になる。

↑かまぼこ美味い!仙台名物ひょうたん揚げ。アメリカンドックのソーセージがかまぼこになったやつ。チーズハットクみたいにチーズ入れても合うかも!?


何もしないをしに来たのに、かえって感性が目まぐるしく反応してしまう。あとは、飲んで、移動中はうたた寝。ローカル線の心地よさよ。

産地で思うのは、色んな食材の、東京などで紹介されている食べ方なんてごくごく一部ということ。美味しい食べ方、地元での味は意外と知られていない。料理する側もセオリーに則っているか、奇をてらう創作に走るかが多く、その食材の美味しさを活かしきれていないのかもしれないと改めて気づかされる。

そして、吸収したら、出し惜しまずお披露目しなきゃないと、食メモを取り、写メを撮る。帰ったらまた美味しい食べ方を紹介できるように。


〜〜おまけレシピ〜〜

ほや炒めたのは女川や石巻などの飲食店で食べられる。ほや特有の香りはそのまま、えぐみが抑えられて、食感はショキショキ食べやすくなる。カレーやらおでんやら天ぷらやらアヒージョやら、食べ方色々あるから、生では苦味や香りやグワーンとくる甘みやえぐみが苦手だった人でも意外とイケる味に出会えることもある。

ほやキムチ炒め

1.ほやをさばく。

2.ふんときもをそうじし、さっと水洗いして、食べやすく切る。

3.豚キムチ炒めの要領で、キムチとともにさっと炒める。

ほやのアヒージョ

ほや嫌いでも、貝類のように美味しく食べられると評判。

1.ほやをさばく。

2.ガーリックオイル、ネギ、きのこ、トマトなどとともにオイル煮にする。塩、香りづけの醤油をふる。小ねぎや大葉のみじん切りを散らす。


今年はサンマが不漁という。心配だ。


おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。