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だって、芋ねーちゃんだもの。

やっと夏が過ぎ去り、気持ちのいい秋の風が吹く過ごしやすい気温になってきた。

故郷の山、岩手山も初冠雪を観測したと聞いている。

郷酒のメニューもやっとこさ秋めいてきた。

なんだか、季節がズレている気がして。

季節感がカレンダーと合わない気がしている。今年も秋刀魚が不漁で、なかなか取れていないらしいということはこの間書いたけど、もう少し経ったら変わるかなぁとか、やっぱり暑さが落ち着いても状況は相変わらずで、結局、あまり入荷がない。

今年は天然きのこも遅めだったし、里芋もやっと出始めたところ。稲刈りも延び延びになり、焦っているところで台風の到来だ。大きな川が氾濫して、甚大な被害が出ている地域もあるという。

生産者さんには苦悩の年かもしれない。さらには増税まであったし。令和元年はなんだか落ち着かない。

そんなこんなではあるけど。

今年も岩手県北上市特産の二子里芋 が大量に入荷した。

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片っ端から洗っては鼻歌歌いながら皮をむき、煮っころがしや芋煮、芋の子汁、コロッケ、そぼろあんかけなど、せっせと料理を作っている。なんだろう?このウキウキ感。

二子里芋とは?

岩手県北上市二子地区でしか作れない在来種で、ねっとり柔らかく、緻密な身質が特徴的。

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東北人のソウルフード、芋の子汁や芋煮など、里芋ときのこを使った秋の料理はほっこり美味しい。

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子供の頃、私が芋類を好きなので、母に芋ねーちゃんと呼ばれていた。

でも、芋というのは野暮ったいとか、田舎臭いとか、垢抜けないとか、とにかくカッコ悪い気がして一時期あまり芋好きじゃない風を装っていたけど、自分の店を持ち、毎年毎年この時期に芋類を炊くようになって、やっぱり好きだと心の底から思った。

洗ったり、皮むいたり、なかなか火が通らなかったり、調理としては割と面倒なのだけど、秋のホクホク芋の季節は大事にしたい。

おまけレシピ

里芋の煮っころがし

①里芋は洗って、上下を少し切り落とし、たっぷりのお湯で沸騰してから15分くらい煮る。

②ざるにあげたら、さっと水をかけ、皮をむく。

③鍋に里芋を入れ、出汁8:醤油1:みりん1:砂糖0.3の割合で合わせ、ひたひたになるように加減して火をつけ、沸騰したら中火で煮含める。煮汁がなくなってきたら、弱火にして、全体をゆすってからめる。

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里芋のそぼろあんかけ

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里芋500gは洗って皮をむき、スッと串が通るまでゆでる。

鶏ひき肉200g、水3カップ、酒大さじ3を入れて火にかけ、ひき肉をほぐしながら火を入れ、アクを引く。

人参1/3本の乱切り、しいたけ2枚を1/4カットにして入れて、人参に火が通るまで煮たら、里芋、おろし生姜小さじ1、砂糖大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ3を入れ、斜めに切ったネギをいれ、5分煮込む。

水溶き片栗粉でとろみをつける。茹でたインゲンなど青みを乗せる。

里芋とゴルゴンゾーラのグラタン

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里芋は洗って皮をむき、1.5センチ幅にカットして、10分茹でる。

玉ねぎスライス1/2個分をバターでしんなりするまで炒め、塩ひとつまみ振り、きのこ少々、ベーコンの短冊切りを入れてさらに炒める。生クリーム1/2カップ、牛乳1/4カップ、里芋、ちぎったほうれん草2.3本分を入れて煮込み、塩、コショウで味を整える。

グラタン皿に入れ、ゴルゴンゾーラ30gをちぎって散らし、とろけるチーズをかけ、250℃のオーブンで3〜5分、チーズがきつね色になるまで焼く。






おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。