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バクマン。で考えるNETFLIX

去年まで社内報の編集という仕事をやっていた。これが結構手間がかかる。記事を書かせるのも一苦労、校正も苦労、写真の手配も遅々として進まず、何より自分のスケジュール管理能力に嫌気がさし、社内報ごと葬った。悪いやっちゃなー。

JUMP DIGITAL COLORED COMIC

知っている人は知っている(自分は偶然知った)デジタル彩色をしたジャンプ漫画がkindleストアにある。NARUTO、BLEACH、Dragon Ball、ワンピース、ハンターハンター…メガヒット漫画が中心で、そこまで作品数はない。今年はコロナのお陰で自分の漫画元年とも言えるほど読み漁っている。せっかくだからとカラーで出ているものはそちらを買って読んでいる。その中の一つが"バクマン。"だ。まだ11巻までしか読んでいないが痛快である。

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絵が分かりづらいJOJOもカラーならこの通り。3部7部を大人買いじゃ。

デスノートのコンビが書く現代版「まんが道」

ストーリーは検索すればいくらでもわかるので省くが、この漫画の特筆すべきは"編集者"の在り方である。編集者は漫画家の親代わりでありマネージャーであり手配師という存在として描かれているのだが、そのバックボーンは一切描かれない。せいぜい編集経験年数と今までどの作家を担当した、ぐらいしかわからない存在。それだのに彼らに人間味を感じるのは、編集者同士が競い合っているからだろう。

編集者の活躍はむかーし読んだこの本が分かり良かったし面白かった。かなりの暴露本である。西村繁男は同姓同名の絵本作家もいる。

編集者の会議「何を始め、何を終わらせるか」

ここが盛り場として何度も描かれる。少年ジャンプでは読者アンケート至上主義を貫き(今で言えばいいねの数か)、その結果如何では面白い漫画も打ち切られ、良い作品が持ち込まれればその連載が始まる、らしい。その作品数の拮抗(いい作品が多ければ連載が増えると同時に打ち切りも増える)もあり、漫画家も担当編集者も戦々恐々である。で、ふと思ったのだが

NETFLIXもそうなんじゃね?

NETFLIXはオリジナル作品を量産している。しかもドラマであれば週1話ずつ小出し配信するようなケチなことはしない。とにかく1シーズン撮り終えてから全話(12話とか)ドーンと公開する。バクマン。でいうところの"読み切り"ってやつだ。評判がよければシーズン2、3と続く"連載化"。非常に似ている少年ジャンプの編集会議と。監督も役者も戦々恐々だろうな。

Huluはモノマガジン、NETFLIXは少年ジャンプ

対するHuluは連載にこだわっていない。その場その場の企画会議でコンテンツを決めて(放映権を買い取りまたはリースして)いる。いい意味では時流に合う、悪い意味では行き当たりばったり。それじゃあNETFLIXは逆に優れているのか?というとそうでもない。量産されたオリジナル作品で長続きしているのは「ハウス・オブ・カード」くらいなもんじゃないだろうか。みんなあらかじめ短期に費消されると思って作っている"雑さ"がある最近は特に。


ま、いろんな考えややり方があるから多様化した現代にマッチしているんだろうけどどのみち

「誰かが見ている」は見る気にならないし、漫画もドラマも目には悪いわな。


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