#18

尊敬している人の話。
本当に尊敬している人が私には二人いる。
二人とも人生の岐路に立ったときに何気なくアドバイスしたり声をかけてくれたりした人。
そんな二人の話をしようと思う。

一人目は高校の時の部活の先輩。
一つ上の先輩で、正直下手くそだった。もうそりゃ誰が見ても下手くそだった。センスがないとまで言っても良いと思う。実際に本人も「俺は下手くそだからな!」って言ってたから色々と思うところもあったんだと思う。ただ、この先輩の凄いところは諦めないで様々な事にチャレンジして行く精神力がある。例えば、先輩のポジションは左利きが有利なポジションだったけど先輩は右利き。じゃあ左で出来るようになればレギュラーになれるかなって左で練習を始めた。毎日練習が終わると、そこから左手の練習。私も上手くなりたかったから居残り練習はずっといっしょにやってた。目に見えて左手の技術が向上していく先輩は凄かった。部活だけじゃなくて普段の食事も左手で食べたりしてて。右利きの私が左手で箸使ってご飯食べるのはこの先輩の影響だったりする。結局、先輩はュラーにはなれなかったけど外から見てて違和感ないくらいに左手も使えるようになってた。
もう一つ凄いところが、文武両道だったこと。
しかも定期テストが出来るとかじゃなくて、ちゃんと大学進学を据えて勉強してた。
毎日居残り練習もしてたから勉強も効率よくやらないと行けないんだけど、先輩はそれが上手だった。私も先輩を見習って負けじと勉強も部活もって頑張った。先輩は、部活ではレギュラーになれなかったけど受験は志望してた国立大の教育系に進学した。そんな先輩に自分の受験の報告をした。私は第一志望どころか、行きたかった学科は全滅して結局同じ学部の別学科に行くことになったんですよね。簡単に先輩に報告したら、「大学に入るのが目標なの?違うでしょ。お前自分の夢話してくれたじゃん。それに近くなるなら良いじゃん。」って言われたんですよね。確かに大学に入るのは別に目標じゃなかった。でもそこに行くかどうか迷ってたところで、この言葉貰って吹っ切れて進学。
この先輩がいなければ、努力するっていうことを諦める人間になってたかもしれない。

二人目は会社で出会った方。
70歳近いので、お爺ちゃんと書きます。
定年退職後、アドバイザー的なポジションで入社した会社にいたお爺ちゃん。
当初は全然関わりがなかったけれども、私がお爺ちゃん達が勧めていたプロジェクトに抜擢されてから急激に仲良くなり様々な事を教えてくれた。
お爺ちゃんは、元々博士取るつもりだったけど教授から色々と言われてしまって急遽就職をした人。その後就職した会社からあちこちに行かされ、気がついたら博士も取れてたという人。
このお爺ちゃんの何が凄いって、圧倒的な知識量。それも医学・文学・歴史・宗教・ビジネス・外国語と幅が尋常じゃないくらい広い。それぞれが浅くなくてしっかりと深いから急について行けなくなったりするんだけど。よく、「いいか、がわ君。君は若い人の中では見込みがある。視野を広く持ちなさい。困ったらいつでも私に連絡しなさい」って言われてました。
実際に仕事だけじゃなくて、他のことで迷ってるときには的確なアドバイスをくれました。時にはめちゃくちゃ厳しく言われたこともありましたが、優しいときに優しく、人を導く不思議な魅力がありました。お爺ちゃんが会社を辞めるときに実は私も会社を辞めようと思ってた。理由はシンプルでこの人がいない会社に残る意味がないと思ってたから。そうしたらお爺ちゃんから「君は結論を急ぎがちだね。あと1,2年は頑張りなさい。中心にならないといけない人なんだから踏ん張ってみなさい」って言われて結局辞めずに残った。それから2年経った。そろそろ色々な岐路に立つからまたお爺ちゃんに会おうと思う。
将来、自分が70歳近くなったらこの人みたいになっていたいという目標です。お爺ちゃんに出会ってなかったら様々な事に興味を持ってて学ぶということを社会人になってすぐに止めてたと思う。
今も仕事中にひっそり論文読んだりして科学の世界へのアンテナは常に張ってる。いつでも、アカデミアの世界に戻れるように。お爺ちゃんからも言われてるので、これからも様々な事に興味を持って学問を進めていきたい。

私が尊敬する二人。
この二人に出会えて本当によかった。

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