#2

久しぶりに会う友人と話をすると「んん……?こんな感じだったかな?」って不思議な違和感を覚えることが増えた。
どういう事かというと、話が微妙に合わない。学生時代は同じような考え方をしててとても話があったのに、ズレを感じてしまう。よくよく話をしてみると旧友は何も変わってない。見た目は多少老けたりしているけれども、その実話している内容は学生時代から何も変わっていない。つまり、私が変わってしまったんだ。
昨年〜現在までで、ありがたいことに新しく友達が増えた。それは、私と同じように銭湯が好きな方だったり、サウナが好きな方だったり。とある飲み屋で出会って仲良くなった方だったり。友達の幅が広がった。年齢も今までは同年代で前後してもせいぜい2,3歳くらいだったのが、上から下まで。本当に色々な方と友達になった。職業も様々だし、性別も違えば当然視野の広さも違う。そういう友達と話すことが増えて私自身の視野も広くなって、変わっていったんだなと思った。
傲慢かもしれないけれども、旧友と話をしてて物足りなさを感じてしまったことがあった。決して旧友との話がつまらない訳ではない。昔話は旧友とじゃないと出来ないから花が咲くし、近況報告なんかも楽しい。けれども、「……あれ?」ってなってしまう。ないものねだりかもしれない。昔はここまで求めなかったのに色々なことを求めてしまっている気がしてならない。これは悪いことではないと思うんだけれどもなんとなく罪悪感に近いものを感じてしまう。例えば、私は銭湯とサウナがとても好きだからそういう話をちょっとでも出来たらなーって思うけれども、旧友には明らかにつまらなそうな顔をされてしまう。「そうか、旧友はこういう話を求めてないのか。」と思い話題転換をして、学生時代の話を振ると満面の笑顔になって話をしだす。新しい話が近況報告だけで終わってしまう。そしてその後はずっと昔話を続ける。それを聞きながら、「全然新しい話が出てこないな……」って一瞬でも思ってしまってなんとなくバツが悪くなる。やっぱり私が変わってしまったんだろうか。
変わることは悪いことじゃないことは分かっているし、視野が広くなってからはプライベートはめちゃくちゃ楽しい。でも、旧友と会うとその気持ちは本当に良いんだろうかとかよく分からない思考に陥ってしまう。ごちゃごちゃ考えすぎてしまうのは私の、悪い癖だ。

……今が非常に楽しいから良しとするかな。
そんな風に思えるようになってきたのは、自分が成長しているからだと思いたい。
昼のセント酒を見ながら、真っ昼間から銭湯に行きたいなぁと思う日々を過ごすなかでふっと思ったことだった。

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