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成長から意義、そして楽しさへ。元上司に聞く仕事と幸福観【gCOBインタビュー#1 櫻井将】

こんにちは。編集部の佐藤です。
昔、一緒に働いていた人は今、何をしているのだろう?当時は何を考えていたのだろう。SNSで見掛けるものの、なんとなく気になっていました。

アルムナイ(企業のOB・OG)が注目されている事から、gCストーリーのOBに話を聞きに行く企画を立てても面白いのではないか。

以前にインターンで学生さんが作ってくれたgCストーリーのOBを意味する名称gCOB(ジーコブ)をお借りして、企画を立ち上げました。

今回、取材に伺ったのは私の営業職時代の上司である櫻井さんです。
働くってなんだろう?幸せってなんだろう?とお話を伺っています。

櫻井将
エール株式会社代表取締役。横浜国立大学経営システム科学科卒業。ワークスアプリケーションズにて営業部・人事総務部のマネージャを経て、gCストーリーに入社。営業、新規事業開発、子会社(健康経営支援)等を担当。
2017年2月よりエール株式会社に入社。2017年10月より経営参画し、「YeLL(エール)」のサービス拡大に従事。

成長、意義、楽しさ。キャリアで変わった働く理由

ーご無沙汰してます!自分が営業として中途入社して、櫻井さんがゼネラルマネージャーだったのがもう4年前なんですね。

時間経つのって本当に早いよね。

ー当時は、リーダーのさらに上のマネージャーだったのでちょっと怖かったです(笑)

昔は怖かったと思う。自分で言うのもなんだけど(笑)
当時は「責任感」だったり「意義」が目的で働いていたし「~ねばならぬ」を押し付けていたと自分でも思う。
マネジメントって凄く「エゴ」が出るんだよね。執着してしまう自分、というか。

ただ、子育てに例えると、愛情はあったつもりで。
howの部分では、今なら異なる方法を選ぶけど、根底にある部分はブレていないかなと思うかな。

ーそれは、部下として働く自分も感じていましたし、当時の営業メンバーみんなもそうだと思います。

そう言ってくれると嬉しいな。

ーこのインタビューシリーズを通してgCストーリーを離れた方に、何を軸として生きているか、どんな時に幸せを感じるか、をお聞きしようと思っています。櫻井さんの場合はどうですか?

僕の場合、幸せを感じる時は「一致感」かもしれない。自分の思考・感情・言動が一致してる時が気持ちいいなーと。過去・現在・未来という時間軸を含めて、自分が一致していると感じられる時は幸せだなー、と。
今のこの出来事のために、昔があったんだ、、と思うと心地よかったりする。

個人やチームでも「一致感」があると幸せだな~って感じる。

ー今までで、一致感を感じた出来事はありますか?

ふと浮かぶのはgCストーリーの営業マネージャーをやってた頃は楽しかったかな 。
組織のビジョンやミッションに対して、自分はもちろんメンバーみんなの納得感があったし、それぞれが自分のやるべきこととリンクしている感じで。

ー振り返ってみて櫻井さんがgCストーリーで働いていた意味をどう捉えていますか?

楽しく働く」土壌を整えられたのが大きいかな。

gCストーリーに入社する前の会社では「成長」を目的に働いていて。
挫折も含めた社会人経験も経て「結局、自分は何のために働くのか?」を考えて、エージェントに紹介されたのがgCストーリーだった。

gCストーリーで働いていた当時の動機は「意義」。つまりは、世のため人のため。そして、今は純粋に楽しくて働いている。

ウェルビーイングと生産性の両立

ー成長、意義、楽しさの順番だったんですね。

人間が働く理由や動機って主に6つらしいんだけど。

人間が働く6つの主な理由とは、「楽しみ」「意義」「可能性」「感情的圧力」「経済的圧力」「惰性」である。多くの研究により、最初の3つの動機はパフォーマンスを向上させ、残りの3つの動機は低減させることが明らかになっている。
引用:http://www.dhbr.net/articles/-/4205?page=3


パフォーマンスが上がる一番の理由が「楽しみ」次に「意義」「(成長)可能性」っていう順番も含めて面白いなーと。かつ、このパフォーマンスが顧客満足度と正比例するとこの本では書かれていて。

ー働いている本人が楽しいとパフォーマンス、顧客満足度も上がるのは面白いですね。

世の中のため、社会のためと思って働くことはパフォーマンスが低い状態では決してない。ただ、純粋に楽しいからパフォーマンスが上がり、結果的にそれが社会の役に立つっていう状態は理想だと思う。

ー自分らしく、よく生きる事とパフォーマンスの関連性ってなんでしょうね?

幸福と生産性の話だと思うんだけど、ホワイトボードで説明するとこんな感じになるかな。

well-being(幸福)とwell-doing(生産性)の話をマトリクス図で説明すると、右下が生産性は高いけど、幸せじゃない状態。
つまりは生産性のみを求める、管理型の文化。トップダウンで部下や働く人を管理する組織体制と言ってもいいかもしれない。

高度経済成長の時期はそういったマネジメントでも、経済自体が伸びていて、幸福と生産性がどちらも高い状態で両立していたはず。それが時代が変わり、同じマネジメントをしていたら社員の幸福が満たされず、加えて生産性も予想範囲を越えることはなく少しずつ下がっていく。

田舎でマインドフルネスと言って、穏やかに暮らしていくことが左上の状態で、これを否定するつもりはないけど、ビジネスとして目指したいのは右上で、自分らしくいる事が出来てかつ、生産性も高い状態。

両立している状態に向かう過渡期が、これから5-10年の変化になってくるんじゃないかなーと。

自分は何者か?を理解する事が幸福に働く第一歩

ー幸福に働くために何が必要なんでしょう?

まずは、自己認知や自己理解からはじめるといいんじゃないかな。
自分自身を知ることって非常に難しい。自分の事を深く理解出来ると、本当に自分が「やること」と「やらないこと」の判断がつくようになる。

たとえば、「諦める」って言葉、元々の語源で言うと「諦める」って「明らか」にする意味らしくて。

今、日本語で「諦める」といえば、自分の願いごとが叶わずそれへの思いを断ちきる、という意味で使われるのが一般だ。しかし、「諦観(たい(てい)かん)」、「諦聴(たい(てい)ちょう)」といった熟語の「つまびらかにみる、聞く」にみられるように、「つまびらかにする」「明らかにする」が、本来の意味である。
引用:http://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000qkz.html

明らかにすると自分の「やれないことが分かる」ようになる。向いてない努力をする必要がなくなる。

ー努力って量と質と方向性の話がありますもんね。

努力の方向性を間違えると本人が凄く苦しくなっちゃうと思う。
例えばもぐらが空を飛びたいと願い、どれだけ努力しても苦しいんだよね。向いてるのは地面を掘る能力だから。
毎日努力する姿は見ていてとても美しいし応援したくなるけど、社会全体としては生産的ではないし、調和的ではないなーと思うんだ。

自分自身は「何が強みで、何者なのか」「何者でなくて、何ができないのか」そこが理解出来ると楽しくなってくる。

そして、自分が所属している会社の目指してる方向と一致してるのかどうか、もし違うなら役に立てる場所に行けばいいんじゃないかなとも思う。それが社会全体としては意味があることだと。自己一致が幸福な状態ではあると、僕は思っています。

他人から信じてもらう事が自信につながる

ー自己一致や自己理解のためには何が必要でしょうか?

自己一致のためには、自己認知・自己理解が必要で、そのためには新しい刺激がいる。
何か刺激を受けた時に自分なりに感じたことや違和感があることが刺激になっていて、新しい行動があると刺激になりやすい。

ただ、新しい行動っていつもと違う行動だから勇気が必要だと思う。
一歩踏み出すためには、自分を信じる必要があるけど「自信」を持つのはそもそも難しいから、まず誰かに信じてもらえると一歩踏み出す勇気になる。

YeLLもそういうサービスで、やってみようということがある人に何か寄り添って信じてもらえると新しいことに踏み出すやすくなるから、そこを事業としてやっている。

ここで、大事なのが信じてもらう相手って利害関係がないことが重要。利害関係があるとどこか支障が出てくる。

例えば、自分が上司でお願いしてたアウトプットが出てこないのに、部下が宴会芸ばっかり練習してたり、熱く夢を語ってたらりしたら腹立つじゃん(笑)
「お前そんなことやる前に仕事しろよ」って。

利害関係のないからこそ純粋にその人を応援できる第三者であることが非常に重要だと思う。

ー幸福に働くって凄く難しいと思っていて、自分もそこは模索中です。現在「楽しく」働けてない方がいたとしたら、何を伝えますか?

副業しやすい時代になっているので、小さくはじめてもいいんじゃないかな。
自分が純粋に「ワクワクする」「なんとなく興味がある」ことをやってみることをオススメします。
ワクワク度が100点まで行かないと始められないというのはもったいない。60点でいいからちょっとやってみる。すると、新しい刺激があり、それが自分を知るためのヒントになる。
会社をすぐ辞めたり、自分で何かを新しく始めることもできるけど、いきなり収入もゼロにして、自分の100%の時間を投入するのは怖いと思う。まずは週末で手伝ってみる、副業で小さく試してみる、とかしてみるのがいいんじゃないかなーと思ってます。

自分の中でピンと来たものはやってみたほうがいいと思うし、僕も色々試して、やっている事業で活きている事がたくさんあるので。

ー楽しさを突き通してよかったですか?
よかったよ。だって、楽しいもん(笑)

ー最後ですが、櫻井さんにとって、幸せってなんでしょう?
未来について色々と考えられる事自体が幸せなのかも。
現状を少しでもよくしようとして、よい未来を想像しようとしていることは幸せなんじゃないかな。

文・取材・編集/佐藤政也 撮影/長田和真 デザイン・アートディレクション/熊谷怜史

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