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City-Tech.Tokyo開催レポート③ 宮坂副知事参加セッション

2月27日、28日に開催された「City-Tech.Tokyo」について全4回にわたってお届けしています。
3回目の今回は宮坂副知事もパネリストとして参加した東京都のセッションです。

2月27日(月)17時5分から17時50分まで、東京都はCity-Tech.Tokyoセッションの一つとして、「行政が変わることのインパクト(英題:The Impact of Government Transformation: Why does it matter to you?)」を主催しました。

東京都では、スタートアップを新しい価値観を生み出す挑戦者と位置付けています。そして東京都自らが挑戦者を応援する都市に変わろうとしています。この変化は、日本のスタートアップコミュニティにとっていかに役立ち、どのような社会的・経済的インパクトをもたらすのか。今、なぜ行政がスタートアップ支援をするのか。行政でスタートアップ施策に取り組む登壇者が、東京をビジネスの拠点に選んだ外国人スタートアップ創設者とベンチャーキャピタリストと共に議論を交わしました。

熱い議論を交わしました!

本セッションのモデレーターはブルームバーグ記者の萩原 ゆき氏。
記者としての鋭い視点と、パネリスト達の豊富な経験や意見をうまく引き出す進行により、会場の聴衆も巻き込みながら活気あるセッションをモデレートしました。


萩原 ゆき ブルームバーグ記者

フジテレビの米ロサンゼルス支局長として貿易協定からテロ事件など幅広く取材活動に従事した後、ブルームバーグに入社。医薬、鉄鋼、自動車、金融分野で企業トップのインタビューを数多く実施した。現在はグリーンテクノロジーやトランジションファイナンス、スタートアップエコシステムなどを政策面から切り取る記事を発信している。

セッションのパネリストは、次の4名です。
まずはCity-Tech.Tokyo実行委員長でもある宮坂学東京都副知事。新たなスタートアップ戦略『Global Innovation with STARTUPS』を策定し、スタートアップ施策を自治体として強力に推進する東京都の立場から、なぜ行政がそうした支援を行うべきなのか、そのために何が必要なのかを語りました。

宮坂 学 東京都副知事

1997年ヤフー株式会社入社、2012年同社代表取締役社長、2018年同社取締役会長を歴任。ヤフー退社後の2019年7月東京都参与に就任、同年9月には民間から7年ぶりとなる副知事に就任し、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることができる東京版Society 5.0「スマート東京」の実現に向け、デジタルに関連する様々な施策を推進。また、世界・アジアの金融ハブとしての「国際金融都市・東京」の実現やスタートアップに関する施策を担当。都庁内に“Team Tokyo Innovation” を編成し、全体統括リーダーとしてスタートアップとの協働の強化に向けた取組を推進中。

経済産業省からは、経済産業政策局の石井芳明・新規事業創造推進室長。2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、スタートアップ支援を更に強化していく政府の立場から、国と東京都をはじめとする自治体が緊密に連携していく重要性など、幅広い視点で指摘しました。

石井 芳明 経済産業省経済産業政策局新規事業創造推進室長

1987年通商産業省(現・経済産業省)入省。中小企業・ベンチャー企業政策、産業技術政策、地域振興政策等に従事。2012年経済産業省新規事業調整官に就任。LLC/LLP法制、日本ベンチャー大賞、始動Next Innovator、J-Startupプログラムなどの創設を担当。2018年内閣府に出向し、科学技術・イノベーション担当企画官に就任。スタートアップ・エコシステムの形成、オープンイノベーションの促進、日本版SBIR制度などを担当。2021年7月より現職。

スタートアップの立場からは、株式会社Zehitomo、代表取締役会長のJordan Fisher氏。スタートアップが日本で起業し、事業を進めていく際に直面する現状と課題について、当事者としての率直な意見を会場と共有しました。

Jordan Fisher 株式会社Zehitomo、代表取締役会長

1986年、ニューヨーク生まれ。2004年に入学した南カリフォルニア大学ではコンピュータサイエンス専攻。2008年に卒業後、東京丸の内オフィスのJPモルガンへ入社。債券テクノロジー部でシステム開発やプロジェクトマネジメント業務に従事。数年でチームをまとめるまでになり、2014年にはヴァイスプレジデント (VP) に昇進し、電子取引セールストレーダーとなる。2015年に共同ファウンダーのジェームズ・マッカーティーと意気投合し、zehitomo.com を立ち上げる。2017年に現在の「株式会社Zehitomo」に社名変更。2022年に代表取締役CEOとして経営を担いながら、総額約26億円の資金調達をリードし、従業員100人以上に成長させる。2022年に代表取締役会長に就任。売上高成長率1位 EO of the Yearを受賞。

そしてベンチャーキャピタルの立場からは、UB Venturesマネージング・パートナーの頼 嘉満 氏。日中での事業・投資経験や中国でのスタートアップへの参画経験を踏まえ、日本のスタートアップ業界に投資を呼び込むために何が必要かについて重要な示唆を述べました。

頼 嘉満 UB Ventures. Inc.マネージング・パートナー

国際基督教大学卒業後、大手ERPベンダーインテンシアに入社し、日欧にてDXや業務改革プロジェクトに従事。その後、米系戦略コンサルティングファーム モニター・グループでの経営戦略立案やアジア進出プロジェクト責任者を経て、DCM Venturesに入社。ベンチャーキャピタリストとしてfreee、Coubic等への投資実行を担当。2014年に中国スタートアップHappy Elementsに参画し、CSO、日本上場責任者を経て、取締役兼日本代表として日中におけるコンテンツ、xR事業の展開を統括。IEビジネススクールMBA修了。

モデレーター、登壇者の皆さんはセッション後口々に「楽しかった」「もっと議論したい」と仰っていただきました。きっと会場の皆さんも、同じくもっと聞きたいという方が多かったのではないかと思います。改めて、行政の仕事は機会をつくり、人を繋ぐことだと実感しました。

 活発な議論の様子は、ぜひアーカイブでご覧ください!

その他セッションの動画はこちら