Shuem Peain

つらつらと生きています。音楽バカ。聴いた音楽の感想をぽつぽつと書いてます。

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二つの混ざり合う思い-Yellow/Age factory

奈良県を拠点として活動するオルタナティブ・ロックな3ピースバンド「Age Factory」 1st Full Album 「LOVE」より「Yellow」 自分が求め、愛した時が終わりを迎える時。最後の最後。終わって欲しくない、終わりの瞬間なんて見たくないという思い。そして、終わりまでの瞬間、一分一秒を自身に刻み込むために、目を逸らさずに見届けるないといけないという思い。二つの混ざり合う思いを抱きしめるように、嗄れるまで絞り出さんとする叫びが放たれる。終わりの際々で生じた憂いと覚悟を歌う。 00’年代に台頭し始めたオルタナロック、残響的なサウンドが混ざり合い、荒ぶる儚さを持つロックサウンドは独自の色を持つ。

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      時間を越える装置。-BUMP OF CHICKEN/記念撮影

      J-ROCKシーンに大きな影響を与えた同級生4人組バンド「BUMP OF CHICKEN」 2017年2作目となる新曲8th Digital Single「記念撮影」 ノスタルジィを感じるメロディがスロウなテンポで進行していく。けれどもちっとも重たくない。軽やかな足取りで瑞々しい。 音楽は終始淡々と紡がれていく。特別大きな盛り上がりは無く。達観している雰囲気。しかし、その実、奥底に膨大な熱量が秘められているのが感じられる。10代の頃誰もが持っていた青い焔、青い情熱が静かな叫びから滲みだしてくる。 二つを内包しているからこそ、聴いているとかつての自分を思い出す。そして、昔の自分が今の自分を思い、今の自分が昔の自分を思う。いつのまにか今と昔の自分が邂逅している。時間を越える装置の様な楽曲。 最近は「Butterfly」のようなEDM的な楽曲も奏でているけれど、優しさ、美しさ、儚さを孕んだエレクトロでのアプローチは初めてだと思う。今までのバンプでありそうで無かった新しい音。

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        全てを漆黒に塗り潰す-Klan Aileen/Happy Memories

        Ryo Matsuyama(Gt/Vo)、Takahiro Takeyama(Dr)によるバンド「Klan Aileen」 2nd Album「Klan Aileen」より「Happy Memories」 タイトルとは裏腹。遠い遠い所に位置するような不穏が漂う。研ぎ澄まされ切り裂くような音。しかし、それぞれの音の境界は曖昧。越えてはイケない一線ギリギリで境界線が保たれている。が、不意に音の輪郭がぼやけはじめ、境界が無くなる。多重の音が渦巻くノイズが全てを呑み込み、全てを漆黒に塗り潰す。 人が持つ「正気と狂気」、「善と悪」などの境界線は酷く不安定で、少しの衝撃で境界線が無くなる。正気も狂気も無い、善も悪も無い、どちらの区別もつかなくなる。もしかしたら明日、境界線が無くなり混沌とした状態に陥るかもしれない。そんな黒い未来を叫んでいる様に感じられる。

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          なんでこうなっちゃったんだろ-パンパンの塔/火曜日のサスペンス

          RO69JACK11/12のWINNERでCOUNTDOWN JAPAN 11/12に出演する実力派。グッドなメロディを産み出しまくっているにも関わらず、あまり知られていないのが不思議で仕方ない、アコギとベースとドラムの3ピースバンド「パンパンの塔」 4th mini Album「火曜日11時45分」より「火曜日のサスペンス」 フラメンコのギターを思わせる情熱的なサウンドがリズミカルに物語を奏でていく。音の切り替わりによる場面転換、ちょっと意地悪な予想外の動きで掻き乱される展開は、タイトル通りにサスペンスドラマの様相を魅せる。 我が身に突然降りかかる物事の不条理性。筋が通っていないものもあるが、紐解いて推理すると道理が見えてきて、「なんでこうなっちゃったんだろ」となるモノの中身が分かる。そんな事を教えてくれているように思える。 歌謡曲っぽさ、80-90sを想起させる音を加えたキャッチーなメロディ。これに語感が良くて只でさえ入ってくる詩が載っかることで余計に入ってくる。1度聴けば大体口ずさめそうで、2、3度聴けば大体覚えてしまう具合にキャッチーだと思う。 4th mini album「火曜日11時45分」にちなんで、毎週火曜日に謎(情報)が一つずつ明かされていくらしいです。 official site http://www.panpannotou.net/ 「火曜日11時45分」特設サイト http://kayou1145.panpannotou.net twitter accout @panpannotou https://twitter.com/panpannotou

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          ゲーム機1台から?うそでしょ?-PAINTVOX/Oscillodriver(Play the DSN-12)

          https://soundcloud.com/stereo-thx/oscillodriver-play-the-korg-dsn-12 KORGが発売したNintendo 3DS専用アナログシンセシミュレーター「KORG DSN-12」。 ゲーム機と侮るなかれ。リアルタイムで12台のシンセが操作できるし、世界初の3D表示オシロスコープを搭載した凄いヤツ。 そんな凄いヤツを作ったKORG USAの宣伝用動画コンテストでグランプリに輝き、アメリカの度肝を抜くパフォーマンス

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          ダイレクトに伝染するサウンド-AIRBAG/birdman

          東京で活動するロックユニット「AIRBAG」 1st CD「DEMONSTRAION #1」より「birdman」 多くの機材、楽器を組み合わせたサウンドを創り上げるバンドが最近のトレンドになりつつある中、ギター&ボーカル、ドラム&コーラスの二人によるシンプルなロックをかき鳴らす。 洋楽ロック、邦楽ロックどちらも呑み込んで練り上げられた音はソリッドで鋭さを持ちながらも、どこかセンチメンタルな雰囲気が漂っていて、じんわりと沁み込んできます。 音数が多すぎないシンプルな編成だからこそ、一つ一つの楽器の音がしっかりと聴き取れて、プレイヤーの熱量がダイレクトに感じられる。 ここから世界に切り込まんとする様な気迫が伝わってくるような一曲。 来る2017.02.15には、初のミニアルバム「sign」が、第一線で活躍するバンドを数多も輩出してきたDAIZAWA RECORDSよりリリースされる。 「2人で出来る事」をコンセプトに制作された作品であることがアナウンスされており、「birdman」も収録される予定です。 どのような作品に仕上がっているのか楽しみです。 AIRBAG official site http://www.airbag.jp twitter account @AIRBAG_official https://twitter.com/AIRBAG_official

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          未来を描く幻想的なリアル-レミ街×中村高校吹奏楽部/ル曲

          2003年、名古屋で結成された3ピースバンド「レミ街」 メンバーそれぞれがアーティスト、CM等への楽曲提供、ライブアクトのサポート、ソロ、他のバンドでの活動など、幅広く活躍している。 エレクトロ、シティポップ、フォーク等、様々なジャンルを吸収して自らのポップへと昇華している。 名古屋にある中村高等学校の吹奏楽部とコラボして制作された楽曲の一つ「ル曲」(ミニアルバム「GIANT」収録) 吹奏楽部10人+バンドプレイヤー10人=合計20人で創り出されるメランコリックなポップのフワフワとしたグルーブと管楽器のパワフルなグルーブが乱れ、圧倒的で幻想的なサウンドスケープが創造される。 あっと言う間に過ぎ去る時間の中、瞬間、瞬間で流れ行く自分に起こることや自分が考えることの中に、未来の自分がどこにでも行けるカギがあることを壮大な光景と共に描き出していく。 2015年、名古屋にある中村文化小劇場にて、現代音楽や舞台芸術を身近に体感できる場があることを地域に知って貰い根差すことを目的として、地元中学のコーラス部9人と共にコラボコンサートを行った。 そして2016年、今度は地元高校の吹奏楽部と同会場でコラボコンサートを開催し、「ル曲」を含む新曲3曲、既存の曲14曲の17曲を共に演奏した。 コラボ音源であるミニアルバム「GIANT」のほとんどのパートは高校の吹奏楽部室で収録された。 来た2017年、今度はどんなコラボコンサートが開催されるのか要チェックです。

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          眠れない時を抱きしめる-yule/sleepless sleep

          https://soundcloud.com/sophori-field-company/yule-sleepless-sleep 2015年結成、6人組の混声楽団バンド 1st Album「Symbol」より「sleepless sleep」 かつては楽しいこと、面白いことを夢想していた眠れない時。今は悩みや不安が脳裏に延々と浮かび溜まっていく。 子どもから大人になるにつれて知らず知らずのうちに増えて、抱え込んだものを吐き出せず、停滞することが多くなってしまった。

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          本能剥き出しの叫び声-歌うアホウドリ/The World Is Mine

          https://soundcloud.com/singing-albatross/the-world-is-minevol2-1 2016年-初のアルバムをリリース。ラップ、ポエトリー、歌、そして叫びで全国の音楽好きやライブハウス、イベンター等の耳を刺激したバンド「歌うアホウドリ」 1st EP「Scrap & Build」収録「The World Is Mine」のオリジナル版ライブ音源 世界が狂気に包まれていくことを報せるために、けたたましく響き渡る警報のような音が

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          浮遊感・夢遊感・宇宙感-Cuicks/warp to the next door [re-birth]

          シューゲイザー、ネオアコを軸にドリーミーサウンドを産み出す2ピースユニット「Cuicks」 茨城を中心に活動している。 1st Full Album「warp」より「warp to the next door [re-birth]」 生物のように蠢き拡がる轟音ノイズと、降り続けるクリーンなシンセが混ざり合い、浮遊感、夢遊感、宇宙感に満ちたサウンドスケープを創り出す。 混沌とした心地よさに充ちた音に抱かれていると、意識が溶け出していくような感覚に陥っていく。 その時まで頭の中で溜め込んでいた、余計なアレコレも共に溶け出していくような気がして、明日を新鮮な気持ちで迎えられるように思える。 タイトルにある[re-birth]は再録版であることを表わしている。オリジナル版はコンピレーションアルバムの「FOREVER SHOEGAZE」に収録。FREE DL作品となっているので、音の違いを聴き比べて楽しむことができます。 Cuicks OFFICIAL SITE http://cuicks.tumblr.com/ 1st Album「warp」特設サイト http://cuicks.tumblr.com/warp/ V.A.「FOREVER SHOEGAZE」 https://kiirorecords.bandcamp.com/album/forever-shoegaze twitter account @Cuicks_info https://twitter.com/cuicks_info

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          最後の最後までロックバンド-或る感覚/こらふぇす2016 DAY1@仙台Flying Son 2016.12.03

          出演アーティスト全31組。12/3、12/4、12/10の3DAYSで開催される『こらふぇす2016』 今年で3年目となるイベントの初日、12時から始まり、あっという間に時は過ぎ、気が付けば残り2組となっていた。次は『或る感覚』のライブだ。 来年の4月に解散する彼ら、仙台でのライブは今回がラストとなる。 音作りが始まり、会場にエッジの効いたサウンドが響き始める。まだライブが始まっていないにも関わらず、既に良い。そんな事を思いながら舞台上をジッと見つめていると、セッティン

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          現代を生きるあなたへのメッセージ-パノラマパナマタウン/シェルター

          2015年RO69 JACK、MASH A&Rでグランプリを獲得した神戸と言うパナマにて結成された4人組ロックバンド 2nd mini Album「PROPOSE」収録楽曲 日々襲い掛かる痛み、苦しみから自身を守るために多くの人が心地の良い上っ面なリアルに呑み込まれる。中毒的で徐々に思考を麻痺させ、自身の消失へと誘っていく。そんな心地良い上っ面なリアルが蔓延した混沌な現状をエッジの効いたサウンドで抉る様に描き出す。 そんな現状への憤りを放つ様に、沸々と暗い情熱が滾る叫びが上っ面を引っぺがし、血の通ったリアルをむき出しにする。むき出しのリアルは痛み、苦しみを感じられるヒリヒリとした空気が立ちこめている。これが生きていくことなんだと感じさせる。

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          問答無用のSmoky Groove-The Josephs/Dusk

          大阪在住の4人組インディロックバンド。 DIYを基本とし、デモやロゴデザイン、アートワーク、MVの撮影、編集等の作業を全てをNaoaki Tsuda(Gt.)が担当する。 初の全国流通アルバム「DUNE」収録楽曲 大阪、フランス、アメリカを行き来して活動するバンドのフロントであるJulia Fujimaru(Vo.)の歌声が兎にも角にも力強い。それだけでなく、どこかハスキーな渋み、艶っぽさがあって耳が痺れます。 そんな歌声を「Dusk(=薄暮、黄昏)」の中へと徐々に包み込むように鳴らされるソリッドなロックサウンド。日本のバンドでありながら、日本のバンドでない海外を感じさせるスモーキーなグルーブ感が堪りません。 「Dusk」の中から響き渡る歌声は黄昏を撥ね退けようとしていて、一層力強く感じられます。

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          崩壊と再生を告げるシューゲイズ-The phenomenons/ピアノDLY

          2010年結成、2014年現体制の4人編成となった、ピアノサウンドを基調とするポストロック、シューゲイザー新世代なロックバンド「the phenomenons」 全国流通盤な1st mini album 「LEUKO」収録楽曲 タイトルのDLY=ディレイとある様に、DLYなピアノがポツポツとはじかれ、重なり合いシューゲイズなサウンドが耳に流れ込んできます。美しくも感傷的な音は徐々に徐々に張り詰め、堪らず息を呑んでしまう。 張り詰めた空気の中で語られていく、様々な思いが渦巻き、流動的で変化を続けるような不安定な世界で割と良くある、身近な話。自分自身が保てなくなってしまい、崩壊してしまった心の叫びと、心の再生の始まりを告げる様に激しくも優しい音が生々しく鳴り響きます。 現代に生きる人間だからこそ、描き出せる生々しい音像が突き刺さります。

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          バチッと噛み合う不動の凸凹フォークデュオ-HONEBONE/満月こわい

          アメリカ×日本ハーフ美女EMILY(Vo)と純日本人なKAWAGUCHI(Gt)によるデュオ「HONEBONE」 アー写を見るとロックな人達かな?と思ってしまいそうですが、アコースティックギターとボーカルというド直球なフォークデュオです。最初はチグハグな感じがするかもしれませんが、即そんなことを忘れる位にグッドなギターメロディ、そしてハッキリとした生々しい歌声で奏でられるフォークです。 3rd Album「船出」より「満月こわい」 ポップでしみじみなサウンドと共にタイトル通り、最初から最後まで“満月こわい”と歌っています。 なぜこわいのか? 満月の光に曝された狼が遠吠えせずにはいられないように。満月によって心の奥底に閉じ込めていた、見たくない日々の嫌な事、自分自身の嫌いな部分などなどを含めた自分の心が丸裸にされて直視せずにいられない、自分自身をそっくりそのまま写す鏡のようなものだから。 なぜこわいのか? 落語「まんじゅうこわい」のように”満月こわい”と言いながら、その実、自分自身をそっくりそのまま写しだして、自分自身と向き合う時をこれからずっと与えてくれる満月のことが好きだから。 かもしれません。

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          音を楽しみ、ワシャワシャ踊る日本の民族!!-溺れたエビ!/ブクブク ピ!ブクブク ぺ!ブクブク パッ ピッ ポ!

          時は西暦2001年---日本古来より縁起物の象徴であった海老。そんな海老の精霊が仮面形態で人間と憑依合体し、妖怪化した部族が出現した。それこそが「溺れたエビ!」である。 族長である溺れたエビのヲサによって、選ばれしパフォーマーのみがエビの仮面を授けられ、一族へ迎え入れられる。 精巧なエビの仮面はちょっぴりホラーな感じが漂ってくるが、見た目に反してちょっぴり気の抜けたファニーなサウンドでポップな民族的な音楽を奏でる愛らしい彼らの3枚目のアルバム「ブクブク ピ!ブクブク ぺ!ブクブク パッ ピッ ポ!」より表題曲。 タイトルからはま~~~~~ったく!!どの様な曲かは分からないけど、聴いてみると、とにかく『楽しい』ということだけは分かった。只々、純粋に音楽を楽しんでいる。(音を奏でるのが楽しい→楽しいから音を奏でる→音を奏で・・・・)のように最高の永久機関的なエナジーで音楽を鼓舞している。こんなの聴いたら、踊れずにはいられない!!!!まさに音を楽しんでいる曲です。

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