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A-402 ヴィレンドルフのヴィーナス

石膏像サイズ: H.15×W.5.5×D.6cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前2万2千年~2万年頃制作
収蔵美術館 : ウィーン自然史博物館
出土地・年 : オーストリア・ヴィレンドルフ 1908年

1908年に、オーストリアのヴィレンドルフという場所の近くの旧石器時代の遺跡で、考古学者ヨーゼフ・ソンバティが発見しました。その地方では産出しないウーライト(魚卵状石灰岩)という素材に彫刻して作られています。1990年の段階でも、この小像の起源、制作方法、文化的意味などについては、ほとんど確定的なことは分かっていません。学術的に推定、分析されていることは以下の通り。

①写実的な肖像というよりは、理想化された女性の姿を現している
②像の女陰、乳房、膨張した腹部は非常に顕著であり、多産・豊穣との密接な関係を示唆している
③小さな腕は、乳房の上でまとまっており、像には明瞭な顔面が無い。頭部は組み紐のまいたものや、目、頭飾りの一種と考えられるもので覆われている
④像が太っているのは、狩猟採取社会におけるこの女性の高い地位を表すものか?
⑤立像の足は、自立するようには作られておらず、眺めるために作
られたというよりは、むしろ携える目的でつくられたのではないか。

ウィーン美術史美術館収蔵のオリジナル彫像
(画像はWikimedia Commonsより)




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