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パリ・オペラ座の日々1993~1994:4月29日 パリ・オペラ座「Hommage a George Balanchine」


4月29日

午前・午後となるべく勉強。夕方オペラ座「オマージュ・ア・ジョージ・バランシン」へ。シャルル・ジュード、エリザベート・プラテール、イザベル・ゲランなど出演。演目は見たことないものばかりだが全て素晴らしい。オーケストラ付き。最後の演目でダンサーがコケてしまって可哀そうだった。とても満足。帰りはビックマックを食べた。

オペラ座プログラム 50F
マクドナルド 60F


いよいよ本格的なバレエ鑑賞開始。3月末にパリに到着していましたが、パリ・オペラ座バレエ団のチケットは公演2週間前からの前売りでほとんど完売してしまうため、実際に劇場に通い始めるまでに少しタイムラグがありました。今回のチケットは4月15日に購入しています。ここからは舞台観る→チケット予約→舞台観る→チケット予約の無限ループへと突入です(笑)

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毎晩のようにオペラ座へ出向き、この中央階段を上る時の気持ちは今もずっと心に残っています。特別な空間、特別な舞台。自分が19世紀からの歴史に溶け込んでいくような気がしたものです(実際には東洋人ですから完全なアウェーなんですが…笑)。階段途中の中央に見える入口を入るとオーケストラと同じ平面の座席、さらに上がって行くとボックス席への扉が並びます。

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2階のホール。反対側の隅の方に売店があって、シャンパンと軽食が販売されています。当時の給仕のオジサンがダンディーな方で、何度か通ううちに覚えてくれて軽く言葉を交わすようになりました。

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ボックスへの入口。扉内には2席×3列で合計6席並んでいます(他に大きな部屋もいくつかある)。最後列は座った状態ではほとんど舞台が見えない「sans visibilite」という600円の席。ここを買った場合は基本的に全部立ち上がって観ます。つまり立見席(笑)

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座席に着き、見上げればシャガール!やはりこの劇場だけに宿る特別な何かがあります。ロンドンのコヴェントガーデン、デンマークのオペラ座にも行きましたが、パリ・オペラ座の美しさというのは群を抜いています。

オペラ座創建当時の天井画は、ナポレオン三世のお気に入りだったLenepveuという画家が手掛けました。古典的でアカデミックな装飾画でしたが、1964年に現在のシャガール作品に差し替えられました。

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4月8日に観たプレルジョカージュの公演はお試しの気持ちでしたから、当日券の一番安い約600円の席でした。でも今回はオペラ座・バレエ団本体の公演だし、パリに来てようやく本物を観てやるぜ!という気持ちだったので奮発して195F(4000円くらい)のチケットを購入しました。これでも日本での来日公演チケットと比べると激安です。生のオーケストラが入るし、そもそも舞台との距離感がまるで違います(日本の公演ではテープ使用も多い)。

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「1er loge de cote rang1」とは、劇場中央の観客席(Fauteuil d'orchestreと呼びます。オーケストラと同じ平面の肘掛け椅子の意)ではなくそれをグルりと取り囲む馬蹄形のボックス席内(1er loge 1階ボックス席)の一列目という意味です。

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さて肝心のその日のバレエですが、ちょっと長くなりすぎたので、詳しくは同じ演目を観た5月3日の日記で紹介します。ざっと演目だけ。

タイトルのジョージ・バランシンは、言わずと知れた近代クラッシックバレエを代表する大振付家です。ロシア出身で、ディアギレフが率いたロシアバレエ団の後期に参加。後に米国に移住しニューヨーク・シティ・バレエの礎を築いた人物です。絵画が具象から抽象へと変化したように、ストーリーテリングが基本のバレエをシンプルで幾何学的な舞台へと変革しました。

この日は、比較的短い演目4作品で構成されていました。
・コンチェルト・バロッコ(バッハ)
・ツィガーヌ(ラヴェル)
・放蕩息子(プロコフィエフ)
・4つの気質(ヒンデミット)

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